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天星十二穴治雑病歌(6)

其四
合谷在虎口,両指岐骨間,頭疼并面腫,瘧病熱還寒,歯齲鼻衄血,口噤不開言。

鍼入五分深,令人即便安。(灸三壮)



周恩来氏がキッシンジャーと秘密会談をした頃に、鍼麻酔として電気鍼がクローズアップされ、間中秀雄先生が創立された日本東洋医学会で、イオン・パンピング療法や知熱感度測定法等が発表されました。

この近代的な発展と天星十二穴治雑病歌を見合わせると、電気使わなくても充分効きます笑

治療家の怠慢の為の技術発展(実は個人的な巧みな技の衰退に繋がります)なら不要と言うのも鳳凰堂流です。

合谷は虎口(手の親指と人差し指の間を虎の口に見立てています)にあります。

頭痛と同時に顔が腫れている場合、気が上がりすぎて逆に冷えている場合、虫歯、鼻血、口が緊張し過ぎて言葉をしゃべれないような状態には鍼を五分刺入れば直ぐに安定する。(灸三壮)

()は後で誰か灸の上手な人が入れたのでしょうね。鍼ができる人は灸は使いません。(絶対ではないですが)寒い地域だと灸の方が良いですが、鍼よりも圧倒的に痕が残ります。

極度に気があがると歯を食いしばって緊張し泡を吹きますが、この過程でも身体が持つと気がなくなります。

言い換えると、微弱な緊張でずっと歯を食いしばっている状況が続いていたという事。古典では牙関口噤(がかんこうきん)と言います。

舌の歯型がキツく出ていたり、舌裏の静脈が黒ずんでいる事が多いです。

虫歯や鼻血は経絡の流れから鍼灸師は知っている事ですが、なぜそうなったかまで考えると治療や人の見方の幅が広がります。

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