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孫真人備急千金要方巻七十八 火瘡等の病 第四 


論に曰く、凡そ火にて燒損せば、慎みて冷水を以てこれを洗う勿れ。

火瘡冷を得れば、熱氣更に深く、轉じて骨に入り、人の筋骨を壊して瘥難し。

初めて火燒を被らば、急に火に向かいて更に炙る。大いに痛み強し。これを忍ぶこと一食入即ち痛まざるは神験あり。

火燒悶絶して人を識らざるを新尿を以てこれを飲み冷ます。

及び冷水蜜に和してこれを飲む。口噤は挍開して之を與う。然して後下方を以て之を治す。

火瘡を治す方
梔子四十枚、白斂 黄芩各五兩

右三味㕮咀し、水五升油一升を以て、合し煎ず。水氣を歇にして、滓を去り、冷むるるを待って以てこれを淋して留めよ。火熱毒去ることは則ち肌寛ぐを得るなり。作すこと二日、意に任せて膏傳湯散を用いて之を治す。

又方油麻を熬て末と為し、梔子仁に和してこれを塗る。惟厚きを佳と為す。已に瘡と成る者は、白糖を燒きて灰にし、これを粉す。即ち燥けば立に瘥。

火燒瘡を治す方
 死鼠頭一枚、臘月の猪膏を以て煎じ、消畫として以て傳す。乾けば即ち之を傳す。瘥に神効津倉ざれば、亦た小児の火瘡を治す。

火瘡の敗壊を治す方
 柏白皮切りて臘月の猪膏を以て合わせ淹し相得て、煮ること四五沸。色變わらば、滓を去りて瘡の上に傳す。[肘後方に云う、柳白皮と。]

又方
柏白皮、蛇銜(ジャガン)、生地黄、梔子仁、黄芩、苦竹葉各等分
右六味㕮咀し、半髓半升を以て煎じて三上三下、滓を去りて上に塗る。瘥れば止む。

火爛瘡を治す膏方
竹葉、甘草各二兩、柏白皮四兩
右三味㕮咀し、猪脂一斤半を以て、煎じ三上三下、滓を去りて冷やし、以てこれを傳す。
[藥験方、生地黄四兩用う]
又方楡しら皮嚼熟して之を塗る。

一切の湯火所傷を治す方
初めて著くは即ち女人の精汁を以てこれを塗らば瘥。

湯浴して人肉爛壊を治す方
杏仁、附子各二兩、甘草一両、羊脂五兩、松脂雞子大
右五味㕮咀し、水に中らざる猪コウコ五兩を以て煎じ之を塗る。

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