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養生訓巻第二総論下 鳳凰堂流解釈㊳

原文を現代文に改変
萬の事十分に満ちて、その上に加えがたき憂いの本なり。古人の曰く、酒は微酔にのみ花は半開に見る。この言むべなるかな。酒十分にのめば破らる。少し飲んで不足なるは樂しみで後の憂い無し。花十分に開けば盛ん過ぎて精神なく、やがて散り易し。花の未だ開かざるが盛んなりと古人言えり。

鳳凰堂流意訳
全ての事が充分に満ちている上に、加えてしまうのが憂いの本である。

古人は次のように言った。

酒は少し酔に飲む、花は半開に見る。この言葉が心を得ている。

酒を十分に飲むと心身が破られる。少し飲んで足りないと思うところが樂しみで後に憂いがない。

花も十分に開くと盛ん過ぎて趣もなければ宿っていた精神を全て出しているのでその後すぐに散ってしまう。花は未だ開いていないくらいが盛んな状態だと言っている。


鳳凰堂流解釈
何事も腹八分と言うように、物事の盛衰は極まれば次の段階へ変化する為、極まる前が1番盛んだと言う自然の道理を表しています。

余韻を残す余裕を持ちたいものですね。

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