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パーキンソン病の不思議

訪問リハビリで地域に出ていると、パーキンソン病の診断を受けている方に関わることがしばしばあります。
病院で勤務している時にはあまり気付かなかったんですが、ご自宅にお伺いすることで生活環境にちょっとした傾向があるんじゃないか?と思ったので、記していきたいと思います。

パーキンソン病とは?

パーキンソン病は脳内のドーパミンというホルモンが減少することで、さまざまな運動障害や、自律神経症状、精神症状などが出てくる神経変性疾患です。

パーキンソン病は、手足のふるえ、筋肉のこわばり、動きにくさ、転びやすさなどがよく知られています。

発症傾向

一般的に言われているのは、50歳以上の発症が多く、男性のほうがなりやすい。
非社交的な性格で、感情の起伏が少ない人とされています。

ちょっと気になる?発症に影響してそうな要因

日光に浴びる時間が少ない

上記に挙げた非社交的にもつながるかもしれませんが、外に出て日光に浴びる機会が少ない方が多いような気がします。
また、自宅の環境を見せてもらうと、窓から差し込む光が少なく、昼ちょっと過ぎには部屋の中が薄暗いから蛍光灯をつけているという家庭が何件かあります。
パーキンソン病の研究の一つに、ビタミンD3の摂取がパーキンソン病の進行を抑制し、症状を安定化させる効果があることがわかっています。人の体内でビタミンDを生成するには、屋外での日光浴が必要とされています。
また、ドーパミンの減少がパーキンソン病発症の要因と考えられているのですが、ノルアドレナリンとドーパミンの調整役がセロトニンです。このセロトニンも日光浴をすることで、増えることがわかっています。
つまり、日光にしっかりと浴びる時間を作らないと、パーキンソン病を発症する要因を作ってしまうということです。

身体が元々硬い+運動の機会が少ない

これも利用者さんとお話していく中で気づかされたことなんですが、
パーキンソン病を発症する前から体は硬い傾向だった。
あまり全身を使うような運動やスポーツは得意ではなく、むしろ座って読書や手芸などの作業をしたりすることが多かったというお話をする人が多い印象があります。
これも神経伝達物質の関係から考えると納得のいく説明ができます。
運動することでドーパミンの分泌が起こるのですが、運動の機会が少なくなるということは、ドーパミンの減少を引き起こしている状態といえます。
また、運動しなければ体の柔軟性はどんどん失われていきますので、発症前から体の硬さがあったということもうなづけるわけです。

リハビリとしてできること

ここまで説明すると、パーキンソン病のリハビリとして何が大切か言わずともわかるかと思います。

日光浴に誘おう

ちょっとした時間でもいいので、可能であれば屋外への散歩に誘いましょう。
春先や夏場は外の空気を吸いに出るだけでも十分効果はあります。
15分程度であれば、あまり体にも負担にならないかと思います。

ただ、秋口から冬にかけては、日照時間が短くなることも影響して、より日光に意識的に当たることが重要になってきます。
しっかりと防寒をしたうえで、玄関先に出るもよし、
ちょっと効果は薄れますが、窓から光がしっかりと入る場所で運動をしても良いということです。
日光浴や散歩には、これ以外にも健康面で良い効果があることがわかっていますので、それも今後紹介していければと思います。

全身を動かす運動をしよう

臥位での運動よりも座位で、座位よりも立位でやるほうが全身をうごかすには効果的です。
特にパーキンソン病は体幹を回旋する動きが乏しくなったり、姿勢が前傾しやすくなりますので、体をねじりながら伸展させるような動きを取り入れるといいと思います。
もちろん、パーキンソン病にも有効とされている音楽療法を使いながらリズム体操で全身を動かしてもいいですね!

最後に

運動する機会が少ないはなんとなくわかるかもしれませんが、部屋が暗く日光に浴びる時間が少ない可能性があるということは、面白い発見だったなと思っています。
パーキンソン病の診断を受けている方には、是非日光浴や全身を動かせるような体操を勧めてください。

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