台風が来たら、あきらめろ

台風10号、結果的には特に被害もなく助かったのだが市内では窓の補修中の転落で亡くなった方も出た。が、これがとても他人事とは思えない。

台風上陸の予報2日前にホームセンターを覗いてみたら水や養生テープは売り切れ。これは事前にテレビでなんか言ったのか皆さんよく準備しているなあ、うちはすでに水もテープも非常食も準備してあるのでそのまま帰宅。雨戸もよし、飛びそうなものもしまった。同級生の友人は母を連れて近くの中学校に避難する予定とのことだった。

で、台風上陸直前の夕方。母が窓ガラスにテープを貼っておけという。もう日が暮れようとしているのにそれを言うのか。なぜもっと早く言わない。テレビの連呼に不安になったのか。結局私はハイハイと無視して何もしなかった。

中学校に避難した同級生の友人はどうなったか。後で聞いたことによると中学校に到着してしばらくして連れてきた母が自宅の戸締まりが心配だと言うので仕方なくいったん家に戻って確認したとのこと。そして台風一過、早朝明るくなってすぐに吹き返しがあるのにはやく家に戻ろうと急かされ帰ったらしい。

老いた父母は何事も心配しあれもしておけこれをしろと言う。だが実際に手を動かすのは子であるがもう若くはない。8050問題ってあったね。そして台風に備えるため普段しないことをさせられるのである。私は身の危険を感じて何もしなかったが台風接近時にまた家に戻るなど危なくてしょうがない。想像だが窓の補修中に転落した同世代の方は年老いた家族に言われてやってたのかもしれない。防災の準備に絶対はないが台風のように来る時刻があらかじめわかるものに関しては、何もしてはいけない時間帯があるのだ。そして危ない作業を誘発する8050問題の80の方よ、財産に執着するな、諦めろ。避難所に行くか、家に留まるかの判断をしたら後はもうやり過ごすしかないのだ。思いつきで息子や娘を危険にさらすな。時が来たらじたばたするな、あきらめろ。

そして台風一過、吹き返しの風の中で母は言った。屋根の様子を見ておけと。まだ乾いてもいないよ!

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