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糸をつくるところから布をつくるために毛を手に入れる[羊毛編]

今回は羊毛の買い方の話です。

ハンドメイドをしてみると、どこから作ればオリジナルなのか考えたり、誰かが作ったであろう市販の資材はどう作られたのか考えたり、そもそも現在の産業の状態になる前は誰がどう作っていたのか気になってくる。なにか作ってみようと思って布を買う。その布は作れないのか?布を作ってみようと思って糸を買う。その糸は作れないのか?

糸をつくる、つまり糸を紡ぐには毛が必要で、羊を飼っていないかぎりは買わねばならぬ。毛とは、手芸屋さんのニードルフェルトのコーナーにあるやつ。しかし小さい手芸屋さんだと、すっごいカラフルな毛しかないかもしれない。布にするには少ない量しかないかもしれない。なので、布を糸紡ぎからやりたい人の毛の買い方を話します。

毛の種類:色

いろんな色の羊が存在していて私は嬉しい。白だけでなく、灰色やベージュ、キツネ色や濃い茶色の羊がいる。
自分で染める予定なら白、そうでなくても混色するのに白は便利なので白はおすすめ。他の色を使うときに少し白を混ぜたりすると楽しいのでおすすめ。灰色と白とか、ベージュと茶色系統とかを混ぜるとかわいくなる。
あと化学染料で染めてある毛もたくさん存在する。

毛の種類:状態

毛を買うときは色の他に、どれくらい処理してあるかを選ぶ。
- 刈っただけ(フリース)
- ざっと洗ってある(スカード)
- 繊維の向きが揃っていて、板状(バッツ) または くるくる丸めてあって棒状(スライバー)

フリースの特徴
羊の脂分が残っているので洗う必要があるけど、その脂分が紡ぎやすさや質の良さにつながる。身につけるもので最高のものを目指すならこれ。たまに売ってあるらしいんだけど、手で洗ってあるフリースというのもあって、これいちばん質がいいし洗わなくてよくて楽だしいいんだろうなあ。

スカードの特徴
機械でざっと洗ってあるので自分で洗わなくていいけど、繊維の向きを揃える工程(カーディング)をしないと紡ぎにくい。ちょこちょこ草木の棘とかゴミが混ざっているのでなるべく取り除く必要があるし、脂分がなくなっててバサバサのこともある。

バッツとスライバーの特徴
バッツとスライバーはすぐに制作にかかれるのでらくちん。でもフェルトや糸にする前に毛の色も自分で染めたい場合に限っては、染色後にカーディングすることになるわけで、せっかく繊維の向きが揃ってる意味がないように思う。染めるつもりがないならこれが楽だし手に入りやすい。あらかじめ化学染料で染めてあるものがあるのもバッツとスライバーで、どちらにするかは用途による。織ったり編んだりせずにフェルトを作るにはバッツが良くて、いったん糸にしたいときはスライバーの方が作業しやすいぽい。

そんなわけで、うちでは主にスカード(自分で染める用とぼこぼこした糸を作る用)とスライバー(羊の色でわりと素直な糸を作る用)を買っています。

買えるところ

オンラインショッピングが便利。私の知る限りでは、京都市と山梨県と東京都と札幌市に住んでいる人は店舗に行くのがおすすめ。羊飼いが知り合いにいるなら直接買う。

京都市
- 金の羊
- スピナッツ

山梨県と東京都
- アナンダ

札幌市
- ブリコルール

とか店舗がある。オンラインショッピングもこのあたりから選ぶことになるんじゃないかな。うちは金の羊を利用している。他にいいところあったら教えてほしいです。

あとは京都市と東京都では年1〜2回くらい、羊毛ハンドメイド系のイベントがあって、そこに毛や糸や道具を扱う店が一堂に会するので、そこに行って使いやすいお店を開拓するのも楽しい。

買う量

とりあえず気になった毛は100gずつくらいで購入するとそんなに負担じゃないしいろんな毛が手に入って楽しい。混色もできるし。100gでも細い幅の長くないマフラーの緯糸分くらいはできるかと思う。ちゃんとやると作りたいものの大きさから計算して必要なグラム数は算出できるので、できる人はそうしてください。私は苦手です。
フリースとスカードはゴミとかあって実際に使える量は少なくなるので、多めに購入したほうがよい。

品種によっては繊維が硬いとか柔らかいとか長いとか短いとかあって、紡ぎやすさやチクチクするかのあたりが変わってくる。スピナッツ にわかりやすい説明あるけど、いろいろやってみるのも楽しいと思う。

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