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「取引先マスターに俺はなる!」取引先データ整理の極意

ポケットモンスターのサトシの気分で執筆してます。

さて…
CRMデータの維持と管理は、ビジネス上、重要な役割を果たします。
しかし、データが正確で最新の状態を保つのは難しい。継続的な努力と仕組みが必要です。

ただし、継続的な努力と、最新の状態を維持するための仕組みは、まだ体系化されていない分野です。そこで、このブログでは、適切な努力量とその仕組みの方法をしっかりとご紹介したいと思います。


まずは法人番号の重要性とCRM項目

なぜ法人番号が重要なのか?

法人番号は、企業識別のための重要な要素です。法人番号がなぜ重要かという点については、別のnoteで紹介しますが、ここでは端的に紹介します。

  1. 「法人番号」は企業側で発番しなくてもよい、日本で共通で利用できるユニークなIDである。

  2. また企業情報をウェブで調べればIDとして公開されている。

検索エンジンで社名と法人番号という名前で入力するだけ

多くの企業では、支店や部署ごとに異なるIDを設定したり、過去から使用しているIDに基づいて新しいIDを発行したり、連番を作成したりしています。しかし、初めから法人番号を使用する方が、利便性が高く、また効率的だと考えます。

「とりあえず法人番号は絶対に、絶対に、入力しましょう。」


法人番号はどこで管理するのか?

基本的なCRMシステムには、会社を管理するためのオブジェクトが備わっています。
例えば、Salesforceでは「取引先」オブジェクトがあり、
HubSpotでは「会社」オブジェクトが用意されています。

Salesforceの取引先オブジェクトには、デフォルトで取引先番号が設定されています。既に使用している場合は、カスタム項目として別途作成する必要があります。一方、HubSpotの会社オブジェクトには番号項目が最初から存在しないため、カスタム項目の作成が必要です。

「項目を作成しましょう。
ただし項目はテキスト型で作成してください。
数値型だと後で後悔します。」

法人番号入力を「自動化」

しましょう。

これらは有償サービスとしては数多くのものがありますが一旦は弊社サービスの無料のもの、のみをこの記事では紹介します。

イチサンフォーム(無料)

フォームに埋め込むだけ自動的に更新番号を返してくれるサービスです。登録不要、利用料無料。

https://ichisan.jp/form/

このAPIサービスは、フォームに埋め込むことができます。
HTML、CSS、JavaScriptがなくても、Googleタグマネージャーを設置できるあらゆるサービスで動作します。
SalesforceのAccount Engagement、HubSpot、Word Press、Marketoなどのサービスでは、すでに自動化が実施済みです。

他の基本的なサービスにおいてもほぼ全て実行が可能です。

詳細の仕様は下記をご確認ください。

イチサンSalesforce(無料)

Salesforce上で開発した未管理パッケージです。
なおこちらも登録不要、無料です。

https://note.com/houjin_bangou/n/n11931c7a32ef

Salesforce上で取引先を新規作成または更新する際に、自動的に法人番号が付与されるように設計されています。

こちらから申請していただけたら、利用できるようになっております。

https://www.houjin-bangou.co.jp/ichisan-for-salesforce


イチサンクレンジング(無料)

管理画面上にExcelまたはCSVをアップロードすると一括で法人番号を付与してくれるサービスです。

https://ichisan.jp/cleansing/guide/

テンプレートのエクセルCSVに情報を入力しアップロードするのみです。
ログなども自動削除しているのでご安心いただけたらと存じます。

これらの手法を用いることで、フォーム上のデータクレンジング、CRMに入ってきたデータのクレンジング、CRM蓄積データの定期的なアップロード。
データを整理・清潔に保つ体制が整うと考えられます。

ただし結果陥る、「手動」の連鎖

どれだけ自動化しても…残り続ける「手入力」

しかし、どれだけ自動化を進めても、最終的には法人番号の手入力が必要になります。さらに、入力された法人番号が重複している場合には、マージ作業が必要になることもあります。
これは、複数のレコードを一つに統一する作業を指します。

そこで、今回は法人番号の自動化ではなく、法人番号をどのくらいの頻度でチェックし、どのくらいの頻度でマージ作業を行うべきかについてご紹介したいと思います。

Q.どのくらいの頻度で更新するべきか?
A.「毎日」

「最低でも毎日の作業はしましょう。」

ポジションとしての話になってしまうかもしれませんが、

私は法人番号のチェックや情報の重複マージ作業は、
最低でも毎日行うべきだと考えています。理想は都度。

その理由は、セールス担当者が通常、当日中に対応を行うことが多いからです。商談が翌日以降に行われるケースも珍しくないと思います。
翌日以降の商談を行った際に、「既に顧客だった」なんてありませんか?

理想的には、リードが発生した段階で確実に法人番号を入力し、マージ作業を行った上でコンタクトを取ることが望ましいです。

ただし現実的には自動処理が導入済み会社は肌感覚として、10%あるかだと思いますし、手動で一ヶ月に一回法人番号の更新を行っている会社なんで1%もないかと思います。

でも誤ったオペレーションを行わせないビジネス上の実態の運営には毎日一日一回は調整することをお勧めいたします。

Q.どういう体制を作るべきか?
A.バックアップしつつ、専用帳票作成し、ターゲット出力する

管理画面上でレポートなどで作成することもできますが、
バックアップ作業するという意味も込めてだとあまりお勧めできません。

各管理画面では、不足しているレコードや処理が必要なデータの件数を確認することが重要です。これらの情報を計算し、レポートで表示することも有効です。しかし、正直に申し上げて、毎回その画面から一つ一つデータを入力するのは困難です。そのため、Googleスプレッドシート等にデータを一覧で出力し、作業用帳票を設定することお勧めします。

Googleスプレッドシートの場合、SalesforceやHubSpotからのデータインポートが容易に行えます。Salesforceでは「データコネクターセールスフォース」を利用すると便利ですし、HubSpotについては、例えば「trocco」を用いてスプレッドシートへデータを転記することをお勧めします。

重複データを取り出す際には、SOQLやSQLを用いて重複しているデータのみを抽出すると効果的です。

### NULLの情報だけ持ってくる
SELECT  Id, Name, Corporate_Number__c, BillingAddress, Website
FROM Account
WHERE Corporate_Number__c = NULL


### 重複している法人番号のみをヒットさせる
SELECT Corporate_Number__c, count(Id)
FROM Account
GROUP BY Corporate_Number__c
HAVING count(Id) > 1

Q.どうやって重複検知するか?
A.それぞれのツールの便利機能を使ってください。

知られていないかもしれませんが、各ツールには重複を検知し、その処理方法を推奨する機能が備わっています。

これは既に管理者としての基本的な知識になりますので、詳細はリンクで共有します。各ツールには、重複している情報を検出して通知する機能が備わっています。何を基に重複と判断するかというルールは、基本的なCRMシステムではデフォルトで提供されています。セールスフォースとHubSpotに関しては、この場ではリンクを介して情報を提供します。

もちろん、法人番号を基に重複管理を行うことをお勧めします。

Q.法人番号はどのように検索するべきか?
A.社名+住所+Webサイト+(担当者名)

まずは社名のみで、「法人番号公表サイト」を調べましょう。
世の中に一個しか存在しない場合はここで法人番号がヒットします。

ただし世の中の10%前後の社名が重複しているケースがあります。
またお客様が略称で書いていたり、過去の社名で情報が登録されていたり、さまざまな懸念点が挙げられます。

その場合、お勧めですが…Google検索です。(身も蓋もない)

現在多くのウェブサイトで法人番号の情報が一般に公開されています。そのため、Googleで検索する際、自動的に名寄せが行われるようになっており、これが非常に便利になったと感じます。

NEC + 法人番号で検索した様子

さらに、絞り込みが難しい場合には、住所情報やウェブサイトの情報を追加することをお勧めします。加えて、担当者名を入力してもらうことで、法人番号をより正確に検索することが可能になります。

Q.重複データは何を残すべき?
A.複雑なので、詳細に説明します。

<過去情報を優先>
- 初回接点等の記録(例、何経由コンバージョンなど)
- システム情報(例、作成日、担当など)

<最新情報を優先>
- 活動履歴は最新情報を残しましょう。(例、最終メール日など)

<その他の優先>
- フラグ関係は、「有り」が優先しましょう。(例、MQL、営業禁止など)
- それ以外は「入力済み」を優先しましょう。(例、業種、備考欄など)

基本は上記が守られていれば、重複管理は問題ないです。
その他自社の独自ルールなどの設定は望まれるものだと思います。

すべての項目について、分類を行ない優先順位を決定しオペレーターが設定できるようにしましょう。

結論:大変だけどマスタをマスターしよう!

いかがでしたでしょうか。なるべく簡単にわかるようにブログを書いたつもりです。ただ結果、4000字をもし優に超えてしまいました。。。
改めて「名寄せ道」は奥が深いです。

ちなみに本検証がまだまだ出来てないよって方はご相談ください。
実はPoC的に検証させてもらいたい気持ちもありまして…。

https://twitter.com/maes_data

https://www.houjin-bangou.co.jp/inquiry

自動化およびオペレーションの調整などお話してみたい気持ちがあります。

まずはこれができたら、別の機会でご紹介しますが法人番号だからこそ出来るすごく面白くて楽しいビジネス上の奥義があります。

ぜひぜひまずはこのフェーズは一緒に頑張ってみましょう!


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