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施工管理はやめとけと言われる理由8選!やりがいや必要なスキルも解説

施工管理の仕事に興味を持ってネットで検索すると「やめとけ」「きつい」といったネガティブなワードを目にした経験はありませんか?

施工管理は建築業界になくてはならない職種の一つですが、なぜ「やめとけ」「きつい」といわれるのでしょうか。

せっかく施工管理の仕事に興味が湧いたのにネガティブなワードばかりが目に付くと不安になりますよね。

今回の記事では施工管理の仕事内容にスポットを当て、「やめとけ」「きつい」といわれる理由を探っていきます。

施工管理に悪い印象を持たないためにも、ぜひ最後まで目を通してください!


施工管理はやめとけと言われる理由6選

施工管理はやめとけと言われる6つの理由
施工管理はやめとけと言われる理由6選

さっそく施工管理はやめとけと言われる理由を見ていきましょう。

今回は施工管理はやめとけと言われる理由として多く挙げられる根拠を、以下の6つにまとめました。

  1. 仕事量が多い

  2. 休日出勤や残業が多い

  3. 給料が少ないと感じるケースがある

  4. 現場を一つにまとめるのが大変

  5. 転勤の可能性も高い

  6. 危険な業務がある

それぞれの根拠を深堀していきましょう。

①仕事量が多い

まず挙げられるのが、仕事量の多さです。

施工管理のお仕事は多岐にわたり、日々多くのタスクをこなさなければなりません。

以下に挙げる、施工管理の仕事の例を見てください。

  • 施工計画書の作成

  • 予算管理

  • 工程の進捗管理

  • 品質管理

  • 各書類の作成

  • 発注者との打ち合わせ

施工管理は工事に関わるさまざまな仕事をこなさなければならない、オールラウンダーです。

マルチタスクで別々の業務を同時に進めるケースも珍しくありません。

こうした業務量を背景に「施工管理はやめとけ」と考える人も多いです。

②休日出勤や残業が多い

休日の少なさや、残業・休日出勤の多さも「施工管理はやめとけ」といわれる理由として挙げられます。

上でも解説した通り、施工管理の業務内容は多岐にわたり業務量も多いうえ、どれもが工事の進捗に直結する重要な作業ばかりです。

決められた工期に間に合わせるためには、残業や休日出勤などが起こるケースも珍しくありません。

プライベートと仕事との両立が難しい現場も多く、一部では「施工管理はやめとけ」といわれる原因となっています。

③給料が少ないと感じるケースがある

施工管理をめぐる給料事情も、やめとけと言われる根拠です。

厚生労働省が運営する、さまざまな仕事を紹介・解説するwebサイト「jobtag」によると、令和4年の建築施工管理技術者の平均年収は632.8万円となっています。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト jobtag 建築施工管理技術者

一方、国税庁による令和4年分 民間給与実態統計調査によれば、給与所得者の平均年収は以下の通りです。

出典:令和4年分 民間給与実態統計調査

データだけをみると、平均年収と比べた場合には多くの年収を得ていますが、年収は事業規模などによっても左右されるため、全ての施工管理技士が高給とは限りません。

さらに、施工管理の業務範囲は広大で、業務量などを考えると給料が妥当でないと感じる方もいます。

④現場を一つにまとめるのが大変

コミュニケーション能力に自信がない方に対しても「施工管理はやめとけ」といわれる場合があります。

施工管理は工事計画の立案から予算の算定、進捗状況の管理などさまざまな仕事に携わりますが、工事に関わる人たちとのやり取りも欠かせません。

現場監督や発注者との打ち合わせなどを綿密に進めて、現場を一つにまとめ上げなければなりません。

工事には足場職人や塗装職人、電気工事士などさまざまな作業員が集まります。

多くの作業員と工事計画を共有して、現場を一つにまとめ上げるのは簡単ではありません。

⑤転勤の可能性も高い

施工管理は、転勤の可能性が高い仕事です。

特に大手ゼネコンの施工管理は全国の施工に携わるため、頻繁に転勤を命じられる恐れもあります。

不慣れな土地での業務や家族と会えない寂しさなどから大きなストレスを抱える恐れも無視できません。

こうした背景を根拠に「生まれ育った地元でずっと働きたい」「家族と過ごす時間を大切にしたい」と考える方には、「施工管理はやめとけ」といわれる場合があります。

⑥危険な業務がある

工事現場で働く人たちへの指示だしや進捗状況の確認などのため、実際の工事現場に立ち入るケースも多いです。

工事現場には転落や転倒、落下物によるケガなどのリスクもあります。

現場で働く作業員の様に力仕事をするケースは稀ですが、ある程度の危険な環境への立ち入りも必要です。

万が一ケガをして仕事を休まなければならなくなった場合、今後の工事計画にも影響を及ぼしかねません。

常に工事現場で仕事をするわけではないものの、事務職などのデスクワークと比べると多少の危険は覚悟する必要があります。

施工管理のやりがい・魅力5選

施工管理にやりがいを感じる男女
施工管理にはやりがいもいっぱい!

上では、施工管理はやめとけと言われる根拠としてよく挙がるものを、6つ厳選して紹介しました。

しかし、施工管理は単に大変なだけのお仕事ではありません。

施工管理ならではのやりがいや魅力もたくさん感じられるお仕事です。

ここではそんな施工管理のやりがいや魅力を解説します。

以下の5点を見てください。

  1. 達成感が大きい

  2. 資格による昇給が狙える

  3. 給料が高い

  4. 自分の仕事が形として社会に残る

  5. AIに仕事を奪われにくい

①達成感が大きい

工事は1日や2日で終わるものではなく、数か月単位、あるいは数年単位での現場も珍しくありません。

長い工事の期間には、職人との人間関係に悩んだり、天候不良によって作業に遅れが出たりと、さまざまなトラブルに見舞われる場合も多いです。

こうしたトラブルを乗り越えて無事工事が完了した時には、大きな達成感が得られます。

作業の開始から終わりまでの期間が長いだけに、やりがいも大きいです。

多くの仲間と同じ目標を達成できた達成感は、施工管理のお仕事が持つ大きな魅力と言えます。

②資格による昇給が狙える

資格取得によるスキルアップで、大きな昇給が狙える点も見逃せません。

施工管理と一口にいっても、関連する資格はさまざまあります。

下に挙げる一例を見てください。

  • 建築施工管理技士

  • 電気工事施工管理技士

  • 土木施工管理技士

  • 管工事施工管理技士

  • 電気通信工事施工管理技士

このように施工管理技に関連する資格はたくさんあり、資格取得によってスキルを証明できれば、昇給のチャンスも広がっています。

さらに、令和3年から新たに「技士補」という国家資格の枠が増えました。

上で挙げた資格の取得には一次検定と二次検定に合格しなければなりませんが、一次試験のみの合格でも技士補の資格が付与されます。

また、資格の取得には一定期間以上の実務経験があれば学歴も問われません。

資格取得による昇給が狙いやすいのは、施工管理の魅力と言えます。

③給料が高い

給料が高い点も施工管理の魅力です。

先ほども解説した通り、建築施工管理技士の平均年収は632.8万円で、給与所得者の平均年収を大きく上回っています

大手のゼネコンや大規模プロジェクトの施工管理に携われば、その分年収も高い傾向にあります。

④自分の仕事が形として社会に残る

自分の仕事が、形として社会に残る点も施工管理の魅力です。

自分が工事に携わった建物は、多くの人に活用されます。

さらに地図にも建物が載るなど、長年にわたって様々な人の生活に関係していきます

自分の仕事がどのように社会の役に立っているのかが目で確認できるので、やりがいも大きいです。

知人や家族などに「あのビルの施工管理は俺が担当したんだぞ!」と自慢するのも良いですね!

⑤AIに仕事を奪われにくい

現在様々な業界でAIが活用され、DX化が進んでいます。

施工管理の分野である建築業界も例外ではありません。

現場での負担軽減や業務効率向上を図って、さまざまなIT技術が導入されています。

こうした状況が進むなか、「将来自分の仕事がAIに奪われるのではないか」と懸念する声は多いです。

しかし、全ての業務をAIが担えるわけではありません。

施工管理も、AIにできないお仕事の1つです。

現場との打ち合わせや発注者とのやりとり、周辺住民からの苦情の対応など、施工管理はAIに任せられない業務がたくさんあります。

業務の一部をAIが担うケースも考えられますが、施工管理の業務すべてがAIに移行するとは考えにくいですよね。

今後もあらゆる業界でDX化が進むと考えられますが、こうした状況でも施工管理は長期的に活躍できるお仕事です。

施工管理に求められるスキル5選

施工管理に求められるスキル
施工管理に求められるスキルとは

ここまで解説した内容を踏まえ、施工管理に求められるスキルを考えましょう。

「施工管理はやめとけ」という声がある一方で、必要なスキルが身についていれば、むしろ施工管理が向いている人もいます。

ここで解説するスキルをチェックして、「施工管理はやめとけ」という意見が自分にも当てはまるかを確認しましょう。

  1. コミュニケーションスキル

  2. 安全に対する高い意識

  3. スケジュール管理スキル

  4. マルチタスクを処理するスキル

  5. リーダーシップ

①コミュニケーションスキル

まず求められるのが、コミュニケーションスキルです。

施工管理は一人で黙々と作業を進める仕事ではありません。

発注者や現場監督、現場作業員など様々な人と情報を共有しあって業務を進めます。

場合によっては周辺住民からのクレームにも対応しなければなりません。

こうした特性上、施工管理には高いコミュニケーションスキルが要求されます。

単に人と話すのが好きなだけでは、業務を円滑にするコミュニケーションは望めません。

自分の意見をわかりやすく伝えるトークスキル、現場の声に耳を傾けるヒアリングスキルなど、多角的なコミュニケーションスキルが必要です。

②安全に対する高い意識

施工管理には「4大管理」と呼ばれる管理項目があります。

以下の4項目を見てください。

  1. 工程管理

  2. 原価管理

  3. 品質管理

  4. 安全管理

いずれも施工管理が管理すべき重要な項目ですが、安全管理に対する意識が低い人は施工管理に向いているとは言えません。

「安全第一」という言葉があるように、工事現場で最優先されるべきものは安全への配慮です。

どれだけ完璧な施工計画を立てたとしても、安全への意識が低ければ現場で働く職人や地域住民からの反発を受けてしまいます。

予算や進捗状況などを気にしつつも、安全への配慮にも常に目を光らせる意識が大切です。

③スケジュール管理スキル

スケジュールを管理するスキルも、施工管理には不可欠です。

決められた工期に間に合わせるためには、常に進捗状況に目を光らせてスケジュール通りに工事が進んでいるかチェックする必要があります。

スケジュールと工事の状況を見比べて、都度適切な工事計画を練り直す能力も大切です。

また、こなすべき業務が膨大で「うっかり大事な打ち合わせの日時を忘れていた」と言った事態があっては、一人前の施工管理とは言えませんよね。

様々な業務予定を見落とさないためにも、スケジュール管理能力は施工管理になくてはならないスキルと言えます。

④マルチタスクを処理するスキル

たびたび解説している通り、施工管理がこなすべ業務範囲は幅広いです。

先ほど触れた「4大管理」を徹底するには、スケジュール管理や現場の見回り、関係者との打ち合わせなど、さまざまな業務をこなす必要があります。

さらに各種書類の作成といった事務仕事も、施工管理の大切なお仕事です。

こうしたマルチタスク業務をきちんと整理できるスキルが無ければ、施工管理のお仕事は難しいです。

頭の中が混乱すると一つ一つの業務がおろそかになり、最悪の場合現場で大きな事故につながる恐れも無視できません。

⑤リーダーシップ

施工管理には、高いリーダーシップも求められます。

上で挙げたスキルが備わっていても、リーダーシップに欠けていては現場で働く職人や現場監督はついてきてくれませんよね。

工事現場には様々な年代や職種の関係者が集まります。

こうした人々をまとめ上げるには、責任のある言動や説得力のある話し方、謙虚な態度、肉体的・精神的なタフさなどさまざまな要素が必要です。

同じゴールに向かって多くの関係者に同じ方向を向いてもらうためには、漫然と仕事をせずに毅然としたリーダーシップを発揮する必要があります。

施工管理に関してよくある質問

施工管理に関してよくある質問

最後に、施工管理に関してよくある質問をチェックしましょう。

施工管理への理解を深めるために、ぜひ参考にしてください。

  • 施工管理には学歴が必要?

  • 未経験でも施工管理の求人はある?

  • 施工管理の将来性は?

Q.施工管理には学歴が必要?

A.学歴は重視されません

求人票に目を通しても、学歴不問としている企業はたくさんあります。

さらに、施工管理に関連する「〇〇施工管理技士」といった資格も、一定の実地経験があり、17歳以上であれば学歴に関係なく所得できます。

Q.未経験でも施工管理の求人はある?

A.あります。

求人サイトで施工管理の求人を検索すると、未経験者歓迎の求人がたくさん見つかります。

上で解説した通り学歴も重視されないので、門戸の広いお仕事と言えますね。

Q.施工管理の将来性は?

A.高いといえます。

施工管理はプロジェクトの開始から完了までを一貫して管理する、重要なお仕事です。

建築業界が存在する限り、施工管理のお仕事もなくなりません。

さらに施工管理が活躍現場は幅広く、ビルなどの建築工事はもちろん、土木工事や橋の建設など、さまざまな現場で必要とされています。

まとめ~施工管理にはやめとけと言われる根拠以外にも魅力がたくさん~

今回は施工管理はやめとけと言われる理由について解説しました。

施工管理はやめとけと言われる背景には、業務量や休日出勤・残業の多さや転勤の可能性、現場をまとめる大変さなど、さまざまな根拠があります。

しかし、給料が高かったりやりがいが大きかったりと、施工管理ならではの魅力がたくさんあるのも事実です。

施工管理はやめとけという意見を鵜呑みにするのではなく、魅力ややりがいなどにも目を向けて、施工管理への理解を深めましょう。


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