当初の見出しは、どう適切ではなかったか?

アエラドットの説明

 以下は、AERA dot.(アエラドット、朝日新聞社)が、2023年4月21日?から掲載している記事の見出しと、最後に添えられたコメントです。

岸田首相襲撃事件に政権批判コメントが目立つ理由 「アンチ自民党ではない」と専門家
             (本文略)
※記事は暴力を容認するものではありません。当初の見出しは適切ではありませんでしたので変更しました。

dメニューニュース 4/21(金) 7:30 AERA dot.

 「岸田首相襲撃事件」とは、同月15日に和歌山県の雑賀崎漁港で起きた、選挙応援中の岸田首相に対し爆発物が投げつけられた事件です。

「当初の見出し」とは何か?

 アエラドットは公表していませんが、以下のようなものでした。

爆弾犯は許せないが「今の自民党はそうされても仕方ない」との声 専門家は「アンチ自民ではない」

dメニューニュース 4/21(金) 7:30 AERA dot.

 私は当初の見出しをまとめサイトで知りました。

 まとめサイトでは当該記事について「一線どころか十線くらい越えてるレベル」とか、「記事は典型的なテロ擁護構文」といったツイッターの意見が紹介されていました。

 アエラドットのコメントは、こうした意見への対策で追加されたものではないかと思われます。

当初の見出しはどう適切ではなかったか?

 当初の見出しが分かってみると2つ考えられます。

 1つは、「声」が「暴力を容認するもの」に見えることです。

 もう1つは、その「声」はアエラドットが作ったものではないかと思われることです。

だれの「声」か?

 当該記事では「事件に乗じたネット上の政権批判のコメント」とされるものがいくつか引用されています。

 その中に「声」と似たものがあることから、「声」はそれを元にアエラドットが以下のように作ったものではないかと思われます。

<爆弾犯は許せないが、そうされても仕方ないほど今の自民党がやっていることひどい>
                ↓
「そうされても仕方ないほど 今の自民党がやっていることひどい
                ↓
「今の自民党がやっていることひどい そうされても仕方ないほど
                ↓
「今の自民党はそうされても仕方ない」との声

 もしそうであれば、短縮や要約ではないことから、「声」はアエラドット自身の声であると考えられます。

見出しを変更するだけで済む話なのか?

 アエラドットは「適切ではありませんでした」としています。

 しかし謝罪はしておらず、責任の所在や再発防止についても語らないまま当該記事の掲載を続けています。

 本件が見出しを変更しただけで済む話なのか、アエラドットは明確にする必要があるのではないでしょうか。

 私が気になるのは、そうした上でも、アエラドットは当該記事の掲載を続けることができるのかということです。

問い合わせの内容

 以下は、本稿を書くにあたり行った問い合わせの内容です。

 問い合わせ対象は、現在も当該記事を掲載しているアエラドットと、dメニューニュース(ディーメニューニュース、NTTドコモ社)です。

 問い合わせ期間は、2023年04月25日から、06月14日までです。

アエラドットへの質問

 アエラドットからは全問返信がなかったため、私の質問だけを載せています。


■共通

 貴社の記事「 岸田首相襲撃事件に政権批判コメントが目立つ理由 「アンチ自民党ではない」と専門家 」に関してn点お伺いします。


■質問01

(1)見出しを変更したことについては、当該記事の中だけで公表されているのでしょうか?

(2)「当初の見出しは適切ではありませんでした」とありますが、具体的にどう適切ではなかったのでしょうか?

(3)ネットのコメント「<爆弾犯は許せないが…>」と「<政治家が犯行に対して…>」の引用元はどこでしょうか?

(4)現在、当該記事の日付は「2023/04/21 07:30」となっていますが、これは見出し変更前と後、どちらのものでしょうか?


■質問02

(1)貴社は当初の見出しについて重く見ておられますか?

(2)「※記事は暴力を容認するものではありません」とありますが、これは当初の見出しについても同じことが言えるでしょうか?

(3)見出しを変更したとき、そのことを貴社や掲載先のサイトのトップで公表されましたか?

(4)当初の記事は、貴社がチェックをした上で掲載されたものでしょうか?

(5)当初の見出しのことで、報道界から罰を受けたり、ほかの報道機関から指摘されましたか?


■質問03

(1)当初の見出しの「声」は、本文において引用されているネットのコメント <爆弾犯は許せないが、そうされても仕方ないほど今の自民党がやっていることはひどい> を元に貴社が作ったものであると思われますが、間違いであればご指摘ください。

(2)当初の見出しの「今の自民党はそうされても仕方ない」は、自民党への暴力を容認、幇助、教唆するものに見えますが、間違いであればご指摘ください。

(3)当初の見出しは、被報道者を危険にさらす行為に見えますが、見出しを変更しただけで済むことなのでしょうか?

(4)当初の見出しは、被報道者を危険にさらす行為に見えますが、被報道者に対し救済措置などは取られないのでしょうか?

(5)当初の見出しについては、報道界のしかるべき所(たとえば放送界におけるBPOのような所)があるとして、そういった所に自己申告などされたでしょうか?


■質問04

 当方、当該記事について記事(感想文)を書きました。

 そこでこれをネット上で公開したいと考えていますが、当記事(感想文)では、当該記事のコピーと、見出しを変更する前の当該記事のコピーを引用しています。

 このコピーは、貴社がdメニューニュース(NTTドコモ)のサイトに掲載された記事から取らせていただいたものですが、このまま使用させていただいてもよろしいでしょうか?


■質問05

 前回お伝えした記事(感想文)の件ですが、この内容について、一度貴社で確認していただけないでしょうか?

 ご返事くだされば、記事(感想文)の下書きのページのアドレスをお知らせいたします。

ディーメニューニュースへの質問

 dメニューニュースからは全問返信がありましたが、回答の掲載は転用や二次利用にあたるとして認められませんでした。


■共通

 貴社(dメニューニュース)で掲載されている記事「 岸田首相襲撃事件に政権批判コメントが目立つ理由 「アンチ自民党ではない」と専門家 」に関してお伺いします。


■質問01

 貴社は、この記事の当初の見出しをご存じでしょうか?

 ※ 当方ではすでに存じております。

 ご存じの上でなお掲載されているのでしょうか?


■質問02

 当該記事の当初の見出しは「(前略)「今の自民党はそうされても仕方ない」(後略)」というものです。

 恐縮ですが、貴社は配信記事を自主的にチェックしていらっしゃらないのでしょうか?

 現在、当該記事を検索して出てくるのはアエラドット、ヤフー、貴社の3社ですが、このうちヤフーはすでに当該記事を削除しています。

 それで前回「(当初の見出しを)ご存じの上でなお掲載されているのでしょうか?」とお伺いした次第です。


■質問03

 当方、当該記事について記事(感想文)を書きました。

 そこでこれをネット上で公開したいと考えておりますが、この中で貴社のこれまでのご回答を使用させていただいてもよろしいでしょうか?

 当方が記事を書くにあたり報道機関やニュースサイトに問い合わせた内容を、そのままあるいは要約して掲載したいと考えております。


■質問04

(1)
 貴社のご回答を要約することも転用や二次利用に当たるのでしょうか?

(2)
 貴社のご回答を掲載できないことを、たとえば「回答の掲載は転用や二次利用にあたるとして認められなかった」のように説明することは可能でしょうか?

(3)
 当記事(感想文)では、現在貴社で掲載されている「当該記事のコピー」と、過去に貴社で掲載されていた「見出しが変更される前の当該記事のコピー」を引用していますが、これはこのまま使用させていただくことは可能でしょうか?


■質問05

 「見出しが変更される前の当該記事のコピー」の引用可否について、先週のうちにアエラドットに問い合わせを行ったのですが、これまで返信がありません。

 そこで恐縮ですが、「見出しが変更される前の当該記事のコピー」の引用可否について、貴社からアエラドットに確認を取っていただくことはできますか?

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