僕が泥田坊になった理由
5年ぶりにモスバーガーに行った。
京都での用事が終わって、せっかく京都にいるのにまっすぐ帰るのもな~という気持ちだったが、時間はすでに20時すぎ。蔓延防止策で飲食店はすべて閉まっていた。そんななかファストフードチェーンらはテイクアウトだけ受け付けていたので、僕はバーガーチェーンのなかから、遺恨のあるモスバーガーを選んだ。
◇
かつては地元にもモスバーガーがあった。マクドナルドもあったが、体に優しそうな雰囲気がマクドナルドよりもモスを選ばせた。エビデンスは特にないけど、雰囲気って大事だから。いまでこそ食は体験込みで見られるようになっているが、当時においてもヘルシーな雰囲気を真に受けるのは、実態はともかく消費者の姿勢としては自然なことなのである。
出会ってしばらくは付かず離れずの距離感を保っていたが、ほどなくして虜になってしまった。もうこれは"通う"、そう予感した日、僕はモス専用のプリペイドカードを作った。(支払額の1~4%ポイントがもらえる。昔はもっともらえた気がする……)
それから数年モスバーガーとの蜜月は続いたのであるが、ある日、モスは地元から撤退してしまった。ヘルシーな雰囲気づくりも力及ばず、マクドナルドに負けてしまった。母体の強さが勝敗を分けたか…と思ってたらしばらくしてマクドナルドもなくなった。もっとずっと前にドムドムも無くなった。地元のバーガーチェーンは全滅した。
モスバーガーは前もって閉店時期を告知していたが、僕はプリペイドカードを500ポイントほど使い残してしまった。もったいないけど、次に近いモスは電車移動の距離になる。電車で行った先でファストフードチェーンに行く気持ちにはなれなかった。ましてや、最近まで近所にあったチェーンに遠征するのは心が許さなかった。
◇
閉店から5年が経ち、コロナ禍という環境の後押しによってモスバーガーと再会した。5年ぶりのモスバーガーは美味しかった。一緒に注文したオニポテセットはオニオンフライの少なさが気になったが(2個しか入ってない)、美味しさは求める基準をちゃんと超えてくれていた。この5年、少し意固地になっていたかもしれない。ポイントは失効していた。
こうしてモスバーガーとの遺恨は解けたが、いまだ地元にない事は変わらない。悔しい。そうして僕は現代の泥田坊となった。モスを返せ!マクドを返せ!ドムドムを返せ!!!!!!!!
以下投げ銭のお礼代わり、今週の昼食の感想です。
いただいたサポートは活動費に使わせていただきます。※活動費:ドーナツ、カステラ、シュークリームなど