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【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流をさぐる〜 その⑥「たかま」と「みやこ」 <93号 平成29年10月>

 天照大神をはじめ「キミ(君)」として我が国を治める神々がいらっしゃるところ、その計りごとをなされる議場を「たかま(高天)」と尊称し、その土地を「みやこ(都)」と敬称します。

 現代語では「タカマガハラ(高天ヶ原)」と通読されることもありますが、『古事記』においてもその冒頭に、「訓高下天云阿麻下效此」とあり、天は「アマ」と読むように指定があるとおり、「マガ」ではあり得ません。

 記紀神話のように神武以前の神々を地上界から「抹殺」して天界に「押し込める」作り話でなく、わたしたちの当然の祖先として神々の生き様を描き伝える『ホツマツタヱ』では、「たかま」は、もちろん地上に実存していました。歴代の日嗣神(天皇)が統治される中央政府即ち朝廷が「たかま」であり、その朝廷が立地するところが「たかまはら」。たかまはらのあるクニが「みやこ」です。

 天皇の権威の元に重臣たちが議事を執り行うところも「たかま」と呼ばれ、いわば現代の立法府(国会議事場)を意味する用法もあります。
『もろかみの かみはかりなす たかまにて』ホ4
譲位後のアマテル大御神ご座所地(いせ・うち/うぢ・いさわ)を呼称する特例もあります。

『たかまにのほり もろともに これうかかえは みことのり』ホ16

 では、天界は無関係かというと、ここが難しいところで、実は天上界にも「たかま」は存在します。天界とは、見上げる空の上、大宇宙空間であり、霊界でもあり、ホツマでは「サコクシロ」とも呼称しますが、その中心部に「アメノミヲヤ(天御祖神)」を囲んで「こくら(九座)」があり、その九座(「ココノエ(九重)」とも称す)が、天界の核心部分を形成しています。その核心部分をも「たかま」と呼称するのです。(フトマニ図参照)【「サコクシロ」「九座」「九重」に関しては後日別項をたてて解説します】。

 ざっくり表現すれば、天の中心と同様に、めぐりながらも不動である中心(北極星)の如く、地の中心として治める核心軸が「たかま」です。天の核心の「遷し」です。

 語句で観ると、「高い(極み)の中心、頂点」が、「たか*ま」であり「ま」を「ほつ(秀)*ま(真)」の「ま」、即ち「真正なるもの」「不二なるもの」と理解できます。現代でも天皇陛下の尊称語として使われる「聖上」に重なる語句と読み取ることが出来るでしょう。
(駒形「ほつまつたゑ解読ガイド」参照)

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記紀では「高天原」と表記される聖所は、ホツマツタヱでは、「たかま」と記述されます。ホツマでは、「たかま」は地上の日本国にあって執政される皇君の坐すところ、「神はかり」すなわち最高議決がなされるところをいいます。

「たかま」のあるところを「みやこ」と敬称します。

けれども、天上界に「たかま」が無いのかというと、天上界にも「たかま」はあります。地上界での皇君の「マツリゴト」は、天上界の神々と通じ合って執り行われるものですから、天上界と地上界は写し絵です。見上げる夜空にも、人々は「たかま」を感じ取っていたのでしょう。その中心に坐していらっしゃったのが「アメノミヲヤ神」だったのです。

NAVI彦さんの上記↑ 動画では、「たかま」という仕組みが、トヨケ大神によってプロデュースされた経緯が凝縮して語られています。(詰め込みすぎなので難解ですが)ホツマツタヱの成り立ちを、明瞭に解説してくれています。

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