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【ホツマ辞解】 〜大和言葉の源流を探る〜 ⑲1 「みたらし」と「たたし」その① <105号 令和元年10月>

前回「みたらし」について触れましたが、

『汝オシヒト 我が代わり 常のよさしも みたたしそ』ホ11

 における「みたたし」は、「身糺し/御糺し」と解釈するべきではないか、とのご意見を頂きました。

 【下鴨神社境内の御手洗川、御手洗池が有名ですが、ここは(かつての)禊場だったので「手洗」と漢字を宛てられていますが、元の意味は、「満ち足らす/垂らす」です。天から下々をゐやすく(安寧に)満たすと云う意味*前号掲載本欄より】と書いたのですが、確かに「みたらし団子」の発祥となった(と云われる)御手洗池(泉)と御手洗神社は、葵祭の斎王代清めの聖水として有名です。ですが、「糺森/糺すの杜」も下鴨神社では、有名です。「糺し」が実在するわけです。

 この糺森は、「せみのおがわ」等の小川が流れる森で、ホツマでは、

『せみの小川に ミソギして 茅の輪に糺す 水無月や 民 永らふる 祓なりけり』10文

 とあり、夏越し大祓における茅ノ輪くぐりの発祥にも関わる名跡です。下賀茂神社の社家の出である鴨長明が、

「石川や瀬見のをがはの清ければ月も流れを尋ねてぞ澄む」の秀歌を詠い、『無名抄』にその一連のいきさつを記していたところを見ると、当時の賀茂社の社家筋には、何らかの伝承があったものと想われます。

 (話を戻して)祓い、禊ぎ、糺し、と言葉が連なるわけなのですが、その考察の前に、「糺森」のホツマによる解釈が必要です。

 先に引用した「茅ノ輪に糺す」の小川が流れている森という意味に加えて、下鴨神社の正式名「賀茂御祖神社」の本来の御祭神である「(ナギサタケ)ウガヤフキアワセズ神/斎名カモヒト/称え名ミヲヤアマキミ(御祖天君)」に由来する「タダス」を考えてみなくてはなりません。

 ウガヤ(カモヒト)は、

『常にタタスの 殿に居て あまねく治む 民豊か』27文

 と記されています。ウガヤの敬称の「ワ(地)のフタカミ」は、常に「タタスの殿」に玉座を坐し、タダスの神」(ホツマには用例なし)と尊称されていたようです。と考えると、善悪を糺す、身を糺す、禊ぎで以て己を律する、常に清浄な心境に居るように心がける、そのような意味で「みたたし」の語義が有るのではないかと思えて当然ともとれます。

 「みたらし」よりも「みたたし」が先立つ、と。

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 沼津御用邸の近隣から湘南吾妻山の山手に転居して6週間。居住環境は素晴らしいのですが、ネット環境が未発達で、ようやくWI-FIが開通しました。ブログ投稿を再開します。
 夏越しの祓は終わり、不二山も開山しました。
 水無月の祓いは、賀茂神社が発祥とも伝えられますが、下鴨神社と云えば「みたらし団子」と「糺すの森」。その語源をさらに考察しました。アマテル大御神は、「君主に自省という徳を求めた人類初めての君主」と筆者は考えていますが、賀茂別雷神ニニキネや鴨大神カモヒトは、その教えを忠実に実践し、徳政に努めた偉大なる神々でした。


縄文の教え88 より


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