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哺乳瓶拒否に悩んだ話

完母かミルクか混合か

哺乳瓶拒否の話の前に、まずは我が家の母乳/ミルク育児について。
どうやって赤ちゃんに栄養を摂ってもらうのか、産前によく考えて、情報収集をしておけばよかったと後悔しました。
これから出産する方の参考になればと思います。

産前、助産師さんからバースプランを確認されました。
その中の一つに、「母乳で育てたい(完全母乳)」「母乳とミルクで育てたい(混合)」「ミルクで育てたい(完全ミルク)」の選択肢がありました。
知識のなかった私は「免疫もあるみたいだし、母乳で育てられるなら母乳がいいかな」くらいの気持ちで「誰かに預ける時だけ、ミルクを哺乳瓶で飲んでもらおう」と思っていました。

子どもが生まれてすぐは、3時間ごとに母乳かミルクをあげるように産院から指導されました。ただ、実際は3時間も空きません。
1時間もたたずに赤ちゃんが泣いてしまうこともあります。母乳をあげたり、ミルクを飲ませてみたり・・・。
初産で母乳が出るまで時間がかかったこともあり、出産直後は母乳とミルクの混合で、徐々に完全母乳にシフトしていきました。

完全母乳になったのは、母乳が出過ぎてしまう体質だったからです。母乳パットがびしょびしょになり、子どもが欲しがらない時でも絞らないと胸が痛い。こまめに飲んでもらわないと乳腺炎になりそうでした。
ミルク育児だと、ミルク代が高くなったり哺乳瓶の消毒が大変だったりする一方、母乳より腹持ちがよいので、比較的次の授乳時間が読みやすいというメリットがあるそうです。

突然起こった哺乳瓶拒否

生後1ヶ月までは夫が育休を取得してくれていたこともあり、授乳がしんどい時には時々ミルクをあげるのをお願いしていました(週に1〜2回ほど)。
夫の育休が空けると完全母乳となり、哺乳瓶を使うのは、産院から退院時に処方されたK2シロップを週に1回、ミルクに混ぜて飲ませる時くらいでした。
しかし生後2ヶ月の中頃にK2シロップを飲ませようとしたところ、哺乳瓶を嫌がるそぶりを見せたのです。
その時は気のせいかな・・・と思ったものの、翌週にK2シロップを飲ませようとすると、今度は背中を反って明確に拒否反応を示しました。
これまで時々飲んでくれていたミルクも、どんなにお腹が空いていても飲んでくれなくなりました。
そうなると、私(おっぱい)と子どもは、常に一体でなければいけません。
夫に子供を預けて外出するのも難しくなってしまいました。
外出は我慢できるとしても、赤ちゃんの栄養を摂る手段が自分以外になくなるというのはものすごいプレッシャーで、耐えられませんでした。

哺乳瓶拒否とは

哺乳瓶拒否についてネットで調べたところ、完全母乳の赤ちゃんにはよくある現象だと知りました。
哺乳瓶の乳首の感触(シリコンなど)がお母さんの乳首と異なるため、嫌がってしまうことがあるそうです。
完全母乳の場合、1日に1回くらいは絞った母乳を哺乳瓶で飲ませる練習をした方がよいかもしれません。
「それじゃあ初めから混合育児にすればいいじゃない」と思うかもしれませんが、混合にすると、赤ちゃんが哺乳瓶の乳首を好みお母さんの乳首を嫌がってしまう「乳頭混乱」が起こってしまう場合もあるそうです。

哺乳瓶拒否を克服するために試したこと

哺乳瓶拒否の解決策をネットで探したところ、大きく分けて三つありました。

・哺乳瓶の中身を変えてみる
粉ミルクの銘柄を変えたり、搾乳にしてみたり。我が家は搾乳でも嫌がったので、これは効果がありませんでした。
粉ミルクの温度をやや高めにする方法もあるそうです。ミルクは「人肌くらい」の温度で作ります。しかし、後述の産後ケアを利用した際に、思ったよりも温かめで作ってあるミルクを飲んでくれたので、これは多少効果があったのかなと思います。

・哺乳瓶の乳首を変えてみる
赤ちゃんの好みの乳首を探すため、すでに持っていた哺乳瓶の他に、他の哺乳瓶を2種類買い足してみましたが、効果はありませんでした。

・お母さんの気配を消す
赤ちゃんがお母さんの気配を感じると、おっぱいを求めて哺乳瓶では飲まないそうです。私が別室に隠れた状態で、夫にミルクをあげてもらいましたが、これも効果がありませんでした。

どの解決策もあまり効果がなく、練習するたびにギャン泣きされ、精神的にかなりしんどかったのを覚えています。
赤ちゃんからすればおっぱいが出てくればそれで問題はないわけで、自分たちの都合で哺乳瓶を練習させることに罪悪感もありました。

困って産後ケアを利用

自治体の保健師さんや助産師さんに相談したところ、産後ケアで助産師さんに1日赤ちゃんを預けて、哺乳瓶を練習してみたらどうかとアドバイスをいただきました。
産後ケアとは、産後間もない母親をサポートするために、病院や助産院で母親が休息できる時間を作ってくれたり、母乳指導や育児の困りごとなどを相談できるサービスです。自治体によっては、自宅に訪問してくれるサービスもあります。

病院で預かっていただく日帰り型の産後ケアを、3日間利用することにしました。生後3ヶ月の時です。

1日目は、やはりなかなか飲みませんでした。
4時間経った頃、助産師さんから「添い乳など、授乳が楽になる方法もあるから、そうした手段を試してみた方がよいかもしれない」と、哺乳瓶拒否を諦める方向へ説得されそうになりました。
しかし、我慢強くミルクを与えてくれ、ようやくミルクを飲んでくれました!

2日目もやはり嫌がりましたが、哺乳瓶の種類を帰るなど思考錯誤してくれ、1日目よりスムーズにミルクを飲んでくれました。
新生児期は過ぎていたものの、我が子は新生児用の哺乳瓶であれば飲んでくれました。

3日目は、私から哺乳瓶でミルクをあげてみました。
飲ませる時の体勢や「哺乳瓶で飲んでいるところをじーっと見ない方がいいよ」などアドバイスをいただいて実践したところ、何と、私からあげても飲んでくれました。

哺乳瓶拒否を克服できた!と、とても嬉しかったのですが、帰り際に助産師さんから「赤ちゃんの好みは変わりやすいから、喜びすぎない方がいいかもしれない」と言われました。
こんなに苦労したのにそんなものなのかなぁ・・・と少し残念に思いましたが、確かにそうでした。
一喜一憂して、哺乳瓶拒否が再発した時に激しく落ち込まないようにケアしてくれた助産師さんには感謝しています。

完全に克服はしていない

一時期に比べれば、哺乳瓶で飲んでくれるようになりました。
ただ、どうしてもお腹が空いた時だけ少量のミルクを飲んでくれる状態で、ギャン泣きして拒否する場合もあります。
完全に克服したとは言い難いですが、私が懸念していた「自分以外の栄養源の確保」はクリアしたので、これでよしとすることにしました。
離乳食開始後、コップのみの練習を始めています。

先述したとおり、完母かミルクか混合か、それに伴うメリットやデメリットなどを知っておけばよかったと思います。
産後の子育ての悩みの半分は、授乳に伴うことでした。
「哺乳瓶拒否」については、赤ちゃんが栄養を取る大事な手段にもかかわらず、産前に教えてもらうことはありません。
これから出産を控える方には、ぜひ積極的に情報収集をしていただければと思います。


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