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『氷の城壁』第7巻購入・紹介・感想(その1)


ネタバレ大有りなのでご注意を!!


今回は第7巻についての感想等になります。
第1巻から第6巻までの感想等は、マガジン化していますのでこちらをご覧ください。

単行本の表紙がヨータとこゆんになっている今回(第7巻)のトップ画像は、google検索すると最上位に出てくる「横浜市の日野中央公園」の案内図です。前にも書きましたが「日野市の日野中央公園」より先に表示されます。
ところが、どちらの日野中央公園も入口付近しか行っておらず、園内のことは実は知りません(笑)。
ちなみに第6巻購入の紹介のときのトップ画像の横須賀FTの写真と同じ日に撮影(こっちが先)しています。
なおこの看板の奥には、関東のオートバイ乗りなら相当の方が知っているであろうオートバイ用品店「ラフ&ロード」日野店があります。

第7巻はようやくといってよいのか、「少女マンガ(恋愛)」のカテゴリーがふさわしい表現の内容(ただし単行本としてはジャンプコミックスである関係で「少年マンガ」として表示されている場合もあります)となり、58話から66話で構成されています。
体育祭を中心のイベントとして、主人公的な4人の想いが本格的に交差し始めてきます。

この巻の最初の話である58話末のこゆんの心の中で、「(・・・この感情は、 一体なんだろう・・・)」という少女マンガでよく出てくる表現を、漫才のツッコミ・ボケのボケの意味的な使い方で阿賀沢先生が出し、「(・・・なんて そんなこと言い出すほど 自分の感情に 鈍感ではない。 え・・・・・・・・・ どうしょう・・・)」ということで、読者のみなさんにも、こゆんがミナトに確定的な恋愛感情を持ち始めた表現であることがわかるかと思います。
ここでミナトとこゆんが両片思いであることが確定的なものとして、読者全員の共通理解として示されることとなります。

ただ、58話で出てくる登場人物(女性)でいうと、桃香とつっこちんでこゆんが持つに至った感情に対して、まったく別の認識を持っていることも描かれています。
桃香はミナトのこれまでの会話での表情やこゆんとの会話での対応で、この2人は両片思いだって判断できでいます。
他方つっこちんは、第6巻でミナトのほおぶっ刺しでミナトがこゆんに恋しちゃったんだということはわかっても、桃香との会話でミナトへの恋心を持ったことに気づいてしまったこゆんのミナトへの対応が、いわゆる「好き避け」行動をとっていたときにこゆんに初めて大きな変化があったと気づいたものの、自分の恋愛に関して経験がおそらくない(であろう)つっこちんとしては素直に「(溢れ出とる。溢れ出とる。 もう少し<ミナトは>好きをしまって)」という認識のもと、こゆんが <ミナトの思いが強すぎて避けている> と受け取って、こゆんの心の底の真意を認識できなかったと推測されます。

この対比が面白いところでして、人の見方は違うのだなぁということが描かれています。ここのところで中高生(もちろん大人の一部)もわかってほしいなぁと思います。
ちなみに後日発行される巻において、桃香の回想シーンで桃香はこれまでどういう取扱いを受けてきたかや、なぜミナトに恋心をもったのかも描かれてますし、つっこちんはこゆんからの直接の打ち明け(具体的なセリフの表現はありませんが)で、あのときミナトに恋心を持っていたことをようやく知るに至ります。という懇切丁寧な説明も、のちの話にてに阿賀沢先生はしていただいています。

第7巻を通じての感想としては、体育祭を中心として、こゆん、ミナト、美姫、ヨータの主要4人のいい意味での複雑な感情(出していいのかそうでないかも含む)が、ことばと絵によって、詳細に表現されている話で構成されているなぁ、といったところです。
男女中高生(とくに男女別学でない方)にとっては、好意の出し方、応え方について、楽しく(または心揺さぶられ)かつ勉強になる巻ともいえますし、同時代でない者としては、『氷の城壁』のなかで一番「青春混線ストーリー」していてかつ苦しくない巻として、桃香のあざとい部分が気にならなければ、楽しく読めるものでもあります。

本日阿賀沢先生の、神回オブ神回オブ神回オブ神回といってよい「正反対な君と僕」45話が、ジャンプコミックスのサイトで公開されたことや、『氷の城壁』が、『このマンガがすごい!2024』オトコ編 第15位にランクインしました と、公式ツイッターからの発表がありましたし、『このマンガがすごい!2024』が、翌々日の2023年12月13日に発売となるのでこのタイミングで本記事をアップすることとします(サイトは下記参照)。

59話以降についてのコメントについては、(その2)以降として稿を改めることとします。

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