『氷の城壁』第5巻購入・紹介・感想(その1)
間もなく第6巻が発売(11月2日)となりますので、10月4日に発売されたた第5巻について、2回にわけて書いておきたいと思います。
トップ画像はこゆんの高校生以降の苗字である「氷川」の入ったものを使っています。実は青梅線終点の奥多摩駅あたりに行って、「奥多摩」駅の旧名称である「氷川」(いまでも奥多摩町の役場所在地の地名です)を撮ろうと考えていましたが、たまたま川越市にあるバイク屋さん(購入したところです)に車検を出しに行った帰りに、そういえば川越にも氷川神社があったようなと思い、撮影してきた次第です。
実は知らないで行ったのですが、撮影した日は「川越祭り」の日であり、川越氷川神社周辺から歩行者天国になるなど、神社にも参拝客がかなりいて、まったくの予想外でした。日暮れ前ですが、中心街には山車や露店が出たりしていてかなりの盛況であり、駅に向かって歩くのも一苦労でした。
と、関係ない話はここまでにして、第5巻について感想等を簡単に書きます。
第5巻は、42話から49話までで構成され、こゆんミナト美姫ヨータの4人で行動する回が多い一方で、こゆんが中学3年から高校1年までの間にすこしずつ心を開いてきたことを総括する場面(こゆんをカエルに例えて表現)もあります。このカエル表現は、地域で限定されている公立中学校からもう少し広い範囲となる高校に進学する予定の中学生(とくに人間関係で問題を抱えていると感じている中学生)にはものすごく刺さる表現と感じました。
少女マンガ的な恋愛的な側面としては、ヨータが美姫に好意を具体的に示しかけた場面もあり、その気持ちを知っているこゆんが美姫とミナトの物理的距離がパーソナルスペースを超えている場面をヨータに見せないように行動したり、ミナトが巻を通じてこゆんにより特別な感情を大きく持っていく状況も描かれる一方、こゆんがミナトに特別な感情を抱き始めた場面の描写もあり、もどかしい四角関係が丁寧に描かれています。
とはいえこの後の展開からすると、第5巻は比較的平和なシーンで構成されているので、「読むべし」の第4巻に比して「安心して楽しく読める」第5巻と言えるでしょう。
それともう一つ、結果的に49話までで構成された第5巻での重要なシーンは、こゆんと美姫という対照的なキャラクターのそれぞれに共感して、一緒に行動する友達となる月子(以下、美姫が月子のことを基本的に呼んでいる、つっこちん、で表記していきます)との関係がそれぞれ描かれています。こゆんとつっこちん、美姫とつっこちんが決定的な友達となるシーンは、『氷の城壁』という話全体としても、そして特に女子からの恋愛的側面において非常に重要な役割を持つことになっていきます。
『氷の城壁』を通じて、こゆん、美姫が友達関係を結ぶシーンが描かれているのは、つっこちんだけです。
これに関しては多少詳しく書いておきたいとおもいますので、項を改めることにします。