薬剤師の観点からみた薬の正しい飲み方・薬と飲み合わせ

急な下痢、頭痛、眠れない、吐き気などの体調不良が起こった時、
薬がとにかく必要です。
必要な時に必要なだけ飲む薬を「頓服(とんぷく」」と呼びます。
頓服は胃の中に食べ物が入っていても空腹でも期待する効果が得られます。
町の薬局に駆け込んで、事情を説明すれば飲み方をすぐに教えてくれて、
非常に助かる薬という認識を持ちやすいので、
その通り飲むことが多いと思います。

それに対して健康診断で指摘されたので服用する薬はどうでしょう。
たいていの方は、自覚症状がない状態で処方されるので、
「面倒くさい」「いっぺんにのんでしまえ!」という声をよく聞きます。
果たしてそれでよいのでしょうか。

たとえば血糖値を下げる薬を処方されている場合、
食直前、食前、食後の違いがあります。
症状に合わせて血糖値をコントロールするために、
薬の種類や効き方が違います。そこで飲み方も異なります。
忘れないように食後に一度で済ませたい場合は、
それに適した飲み方の薬で症状に合ったものがないか、
医師に相談しましょう。

高血圧もサイレントキラーなどと呼ばれ、
自覚症状がそこまでないにもかかわらず
健康診断で指摘される代表的な疾患です。
放っておいて後年になって様々な合併症が起きた例は
過去にたくさん見られました。
そのため事前に健康診断で分かった時点で
予防的な措置として処方薬が出される場合もあります。
血圧降下薬は種類によって、グレープフルーツジュース、チーズなど
食品との相性が良くないものがあります。

新型コロナの先の見えない不安に覆われて、
不眠を訴える方も増えました。
眠剤は胃に食べ物が入っていると
効き目の障害になるものが多くあります。
そして残念ながら正しく服用しなければ、
効果が半減するもの、
反対に増強したり遅延したりして、
望む効果を得られないことがあるとわかっています。

数種類の疾患をお持ちで、何種類もの薬を
朝昼晩寝る前、服用を指示されている場合は、
本当に面倒に感じるかもしれません。
ですが、それぞれの薬がそれぞれの症状に効くように
デザインされているのです。
いずれも薬と一緒に薬の情報を持ち帰るので、
面倒がらずにお目通しください。

大切な自分の健康を維持するために薬が必要な状態であれば、
健康を取り戻すという強い気持ちをもって
ぜひ正しく服用するように心がけたいと思います。

文責:金子明(薬剤師)

参考文献
※1 一般社団法人 くすりの適正使用協議会


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