サルトリイバラ餅? ~島のおいしいを見学しました~
島のセンターで働いていると、島内の団体さんが会議をしたり、調理室を借りたりというイベントが起こります。
そんな中で、「一歩歩(いっぽっぽ)クラブ」さんという団体のサルトリイバラ餅作りを少し見学してきました。
サルトリイバラと何ぞや。
皆さん、この植物ご存知ですか?
私は一回で、この植物の名前を覚えることはできませんでした?
サルバリイトラ?
みたいな(笑)
さてさて、サルトリイバラですが、こんな植物。
出典:http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/monocotyledoneae/liliaceae/sarutoriibara/sarutoriibara.htm
ユリ科の植物らしく、「猿捕茨」という名に恥じないように、鋭いトゲがついています。
存在を知っていないと、これが和菓子に使えるなんて思いませんよね?
もう少し、参加者のおばあちゃん?(お姉さまですかね?(笑))に話を聞くと
「今日は、サルトリイバラで柏餅を作るんよ」
とのこと。6月くらいになると、島にはたくさんのサルトリイバラが見つかるようです。
柏餅?サルトリイバラ餅?
自分でも少し調べてみたんですが、サルトリイバラが柏の代用品という訳でもなさそうです。
どうやら西日本にはサルトリイバラ餅が主流のエリアもある相当数あるようで。
サルトリイバラの代用品として柏を和菓子作りに使い始めたなんて説も。
和歌山ではサルトリイバラ餅を五郎四郎餅なんて呼ぶこともあるそうですが、本当なんですかね?
ご存知の方、教えてください!
お餅づくりを見学
これが一歩歩クラブさんが摘んできたサルトリイバラ。
これがあんこを包む餅の部分。
普通のお米(うるち米)ともち米を半々で配合するのが、一歩歩クラブ流だそうです。
このお餅であんこを包んで、サルトリイバラで挟むんですね!
おばあちゃんたちの熟練の手つきを感じました。
そして、最後に蒸し器にいれて、蒸すと。
蒸すとサルトリイバラから、まさしく「柏餅」のようないい香りがしてきます。
お裾分けを、いただきます!
市民センターの仕事に戻らないといけないので、残念ながら途中で退出(サボり、ダメ絶対)。
ただ、ありがたいことにセンターの職員にもお裾分けをくださいました。
できたてなのか、お餅がほんのり温かかったのが印象的です。
食べてみると、
あんこがぎっしり!
私はあんこをキロで買うくらいのあんこ好きなので、こりゃ嬉しい!
そして、美味しい!
餅の部分もしっかりした舌触りで、どこか懐かしさを感じました。
和菓子なんて和菓子屋さんで買うものだと思っていた私にとっては、このような家庭的な和菓子というのは非常に新鮮でした。
もちろん、今も日常的に和菓子を作っているという訳ではないと思うのですが、
昔ながらの生活の知恵がまだ島には残っているんだなぁ
と感じた一日でした。
ーーー
何か特殊な商品や名所がなくても、「当たり前と見過ごされていたモノ・コト」が、これから時代には大きな魅力になるのかもしれないなと期待してしまいます。
大阪の住宅街で育った私にとって、地域の皆で「柏餅」を作るなんて想像したこともありませんでした。
(あ、サルトリイバラ餅か)
もし島の日常が魅力として再発見されるなら、島はギリギリところで生き残れるかもしれません。
ただそれには、島のおじいちゃんやおばあちゃんが元気な間に、どれだけ次の世代がその知恵を見聞きできるかという課題もあります。
少し冷酷な言い方をすると、65歳~85歳が人口の大多数を占めるこの島は、この10年が勝負かもしれません。しかも、次の世代が極端に少ないのです。
一筋縄ではいかないと感じてはいますが、できる範囲で少しずつ、島の知恵を学ぶことができればなと思います。
というわけで、本日はここまで!
少し最後に暗い話題になってしまいましたが、
せっかくなら島の「楽しい」部分だけでなく、「実情」についても知ってほしいと思い、記事に盛り込みました。
「実情」を知っていただくことで、より島に興味を持ってもらえたのなら嬉しいです。
よろしければ、明日以降もぜひアクセスしてみてください!
お読みいただきましてありがとうございました!
いただいたサポート分、宿のお客様に缶コーヒーおごります!