[RTA in Japan 出ます]『shapez』ってどんなゲーム?

皆様こんにちは、ホウトです。

まずはこちらをご覧ください。

理路整然と敷き詰められたベルトと建造物
遠くから見るとまるで回路基板のよう

この画像を見てワクワクした方はぜひこの記事を読んでshapezをプレイしてみてください。
ちょっと嫌悪感が…という方は、
…まあ読んでいってくださいな。

ありがたいことに、2023年12月26日~31日に開催されるRTAイベントである「RTA in Japan 2023 Winter」にてshapezのRTAを走らせていただけることになりました。
イベントで走るにあたって、このゲームを知っていただける方が増えればと思い執筆しました。
この記事を読んでいただけると、よりshapezのRTAを楽しんでいただけると思いますので、ぜひ目を通していただけると幸いです。

shapezとは?

shapez(シェイプズって読みます)の進め方は至ってシンプル。
中央の「HUB」と呼ばれる建造物にお題となる図形が表示されています。
その図形を必要数運んであげればレベルクリアとなります。

HUB「紫色の丸を600個運んでくれ」

じゃあその「図形」とやらはどうやって作るのか?
このshapezの世界には「色」と「形」の素材が点在しています。
その素材をどうにかこうにか加工して目標となる図形を作っていくわけです。

「抽出機」で素材を取り出し、「コンベアベルト」で運びます
左から、「合流機/分配機」「トンネル」「切断機」「回転機」「積層機」「混色機」「着色機」

色々な建造物が登場するわけですが、まあそれぞれやってることは簡単なことで画像を見たらなんとなくお察しいただけるんじゃないでしょうか。
この建造物を使ってうまく目標の図形をこしらえていくということです。

まとめると、
・「色」や「形」の素材を取り出す
・建造物を使って加工する
・HUBに目標の「図形」を一定数届ける
というゲームになります。

ちなみにマップ上に色の素材は 赤、緑、青 しか存在せず、
他の色は混色機を使用して作る必要があります。
RGB、つまり三原色も学べるということですね。


RGBは光の3原色

こう見えて奥深い

このように一見シンプルなゲームなのですが、プレイした人は口を揃えてこう言います。
「気づけば時間が溶けている」と。

こういった自動化工場ゲームは概して時間を溶かすことが知られていますが、shapez固有の特徴として

工場を建築する際のストレスがかなり少ない

ということが挙げられます。

自動化工場ゲームの代表として知られる「Factorio」と比較してみましょう。

shapezの開発者もオススメしている、工場ゲーの代表格

(ちなみに RTA in Japan Winter 2022 で世界記録保持者のMazmotさんがFactorioのRTAを披露されました。凄まじかった。)

Factorio:建造物を作るために素材が必要。クラフトする時間もかかる。
shapez:建造物を作るためにコストはかからない。置き放題。

Factorio:工場を動かすために電気が必要。電力不足だと工場が止まる。
shapez:建造物は置けば勝手に動く。電力の心配など不要。

Factorio:(ロボット解放までは)プレイヤーが近くに行かないと建設できない。
shapez:プレイヤーの概念はなく、画面を移動すればどこでも建設可能。

Factotio:汚染により敵が襲撃してくる。工場の破壊やプレイヤーへの攻撃を行ってくる。
shapez:マップ上に存在するのは素材と工場のみ。実質無敵時間。

Factorio「そんなん…もうチートやん…」

このようにshapezは、Factorioやほかの工場自動化ゲームに比べて「とにかく『自動化ラインの構築』に集中できるゲーム」といえるでしょう。
(もちろんFactorioなどでは自動化以外の要素がゲームの楽しみに厚みを持たせているということは言うまでもありません)

そのため、ひたすら自動化を極めていくプレイヤーが後を絶たないというわけです。

レベル12をクリアすることで使用できるようになる「ブループリント」という機能(いわゆるコピペ)を使うことで、工場建築がサクサクできるようになるのも、ライン構築に集中できるようになるポイントです。

ではここでレベルの話もしましょうか。
レベルをクリアするごとに、要求される図形は少しずつ複雑になっていきます。
それと同時に要求される納入数も一気に増えていくため、「どうすれば効率よく図形を作れるか…?」と考えさせるレベル設計が見て取れますね。
(RTAではこのレベルの順番をガン無視して進むのですが、それについては後述…)

レベルごとに必要な図形と個数

レベル26をクリアした後もレベルは続くのですが、ここからの目標は「自動でレベルをクリアする工場を建造する」ということになります。

このゲーム、実は「回路」を組むことができます。
詳しい話をすると機械アレルギーの方がブラウザバックしかねないので割愛しますが、うまく回路を組むことで作る図形を自動で変えられるようになるんです。

全自動工場についてはこちらの動画見てくださいな

ということで、ミニマルな見た目に反して何十時間ものめり込んで遊んでしまう非常~~~~に奥の深いゲームとなっております。
さらにModも対応しているため、遊び方はまだまだ広がります。

というわけで、ぜひ買って遊んでみてください…
…の前に、ブラウザで遊べる体験版もありますので、少しでも興味が湧いたという方はまず体験版のほうをプレイしてみてはいかがでしょうか。

shapezのRTAについて

さてここからRTAの話に移りましょう。

speedrun.comでは、「Any%」と「BluePrint%/CopyPaste%」という2つのカテゴリが登録されています。

先にあまり聞きなじみのないであろう「BluePrint%/CopyPaste%」のほうについて。
このカテゴリは、「レベル12をクリアするまでのタイム」を競うものです。

???「なんで『レベル12』なん?」

これは、Steam実績に由来があります。
shapezのSteam実績のひとつに、「Speedrun Master」というものがあり、この実績の達成条件が「30分以内にレベル12をクリアすること」となっています。
ちなみにこの実績、達成率がわずか0.7%というshapezの最難関実績となっております。
これをRTAとして突き詰めていったのがこのカテゴリの由来となっていると思われます。
執筆時点での世界記録は11分34秒となっています。
イベントで披露した時の動画

そしてもう一つが、RTA in Japanで披露させていただく「Any%」となります。
RTAを少しかじったことがある方なら聞きなじみのあるこのカテゴリ名ですが、このゲームにおいては「レベル26をクリアするまでのタイム」を競うカテゴリとなっています。
すなわち、先に上げた画像の図形をすべて納入する必要があるということです。
執筆時点での世界記録は1時間46分34秒となっています。

レベル26をクリアするために「約30万個」の図形を納入する必要があります。この大量かつ多種の図形を効率よく納入するために、スピーディに多くの工場を建設していくのがこのカテゴリの見どころとなります。

Any%を走り終えた工場の全体像

RTAをするにあたって重要な仕様として、「レベルが解放される前に納入した図形もカウントされる」というものがあります。
具体的に言うと、例えばレベル11をクリアするより前にレベル12の図形を納入していても無駄にはならないということです。
そのため、RTAでは「いくつもの図形を同時並行で生産、納入する」ということが重要になります。
Any%で自分が使用しているチャートも、「後半のレベルを全部同時にクリアできれば速いんじゃね?」というイメージで作ったチャートです。
もちろん同時並行で進めるのはチャートを組むのも実際に走るのも難しいんですけどね。

RTA in Japan をご覧いただくにあたって

さて、「RTA in Japan 2023 Winter」でありがたいことにshapezのAny%を披露させていただけることになりました。開始予定時刻は12/28(木) 14:24となっております。(スケジュールは前後する可能性があります)

さて、例えばアクションゲームのRTAなら「壁を抜けたり」「空を飛んだり」といった「"映える"瞬間」のあるゲームも多いと思います。
しかし、いかんせんこのshapezというゲームのRTAでやることといえば「淡々と工場を建築し続ける」だけです。

正直見栄えしない

まあサクサク工場が増築されていくのはそれはそれで見てて気持ちいいものがありますが、派手ではないんですよね。
ということで、shapez Any%をご覧いただくにあたってぜひ注目していただきたいところをまとめました。

スピーディで正確なマウスさばき

工場の建設には正確さが欠かせません。
1つベルトをつなぎ忘れた、1マス建造物がずれた、そんな小さなミスで作っていた工場全体の稼働が止まってしまうなんてこともあります。

左上のベルトが1か所外れているせいで、この工場全体がストップしてしまう

時間が経ってからミスをしていることに気づいたりしたら後の祭り。
例えば10分間工場が止まっていたらそのまま10分間のタイムロスということになります。たった1か所のミスで。

ということで、小さなミスですら致命傷になりうるこのゲームのRTAでは「正確な操作」が常に要求されます。

しかしそれに相反して、チャート通りに走るためにはモタモタしているわけにはいきません。どこかで手こずってしまった遅れはそのまま最後まで引きずってしまうことになります。

「正確」かつ「スピーディ」なマウス捌きにぜひ注目していただきたいと思います!

みるみる広がる精密工場

ブループリント機能が解放された後は一気に建築スピードが上がります。
完走したタイミングでは建造物が約1万個、ベルトは約2万個建設されます。
そんな大量の建造物が整然と設置されていく様を

「なんかすげ~」

と思いながら見ていただければと思います。
RTA in Japanでは工場について詳しい解説はしないつもりです。
(…そもそも口頭で説明している暇がないので…)
なので、拡大していく工場を、あまり深く考えずに眺めていただくくらいの楽しみ方でいいかなぁと思います。

計算されつくした建築チャート

多種多様の図形を同時並行で納入していくわけですが、どのような順番で工場を建築していくかがこのRTAにおいて非常に重要です。
大量に作る必要があるものの、作りすぎてはもったいないですからね。

ということで、「すべての図形がちょうど目標の個数だけ生産できるような」順番で工場を建築するのが理想のチャートとなります。
もちろんなかなか綺麗にちょうどとはいきませんが、できる限りうまく目標数越えるちょうどくらいに揃えるのを目標に建築計画を立てています。

個人的にお気に入りなのが、60分~70分経過時に工場に流す素材を大幅に変更するタイミングです。一気に作る図形が変わっていくのが見どころ!
なんですが…まあぱっと見じゃわからんかもって感じはします。
解説頑張ります。

あともう1つ重要な事。
RTA in Japanを見るときにはぜひ「レベルごとの目標図形」の画像をチェックしながら見ていただくのがいいと思います。
図形がテーマのゲームなのですが、口頭で図形を表現するのはかなり至難の業ですからね…
おそらく解説中でも「今レベル21の図形を作っています!!」みたいなことを言うと思いますので、ぜひ参考にしてください。

レベルごとに必要な図形と個数(再掲)

まあざっくりいうと、

なんも考えずにすごいな~って思って見てくださいな

このゲームが気になってる人は、少しプレイしたほうが楽しく見れるかもしれないですね。
Steamで割と頻繁にセールやってるのでチェックしてみてください。

RTA in Japan 見てね

というわけで色々書いてきましたが、shapezについて、このゲームのRTAについて少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。

是非このゲームを触っていただいてからRTA in Japanを見ていただくとより楽しんでいただけると思います。

ちなみにこのゲーム、ブラウザで遊べる体験版もあり、スマホで遊べるアプリ版(iOS,Android)もつい先日リリースされました!

さらにさらに、2024年には続編の「shapez 2」が発売されます!
新たな建造物やシステムが登場し、さらに味わえるゲームになっています。

このようにいろいろと注目が集まっているshapezを、ぜひこの機会にお手に取って遊んでみてはいかがでしょうか!?

ということで今回の記事は以上です。
また RTA in Japan でお会いしましょう。

それでは!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?