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【自由研究】遠く離れた隅田川源流から隅田川花火大会を拝めるのか!


混雑はイヤ!人のいない場所を探そう!

2023年、4年ぶりの開催となる隅田川花火大会は前日から「相当人来るから混雑やばそう!」「周囲の電車も止まるから近寄らない方がいい!」などと、主に交通において東京周辺市民の関心を買っていた。
夏といえば花火だが、さすがに人込みに押し込まれながら見ても風情を感じないだろう、そんなことを思いながらgoogle mapを見ていたところ、あることに気が付いた。

墨田川花火大会の会場付近

会場付近は当然ながら混雑するだろう。墨田川花火大会なのだから、当然ながら墨田川沿いは大変混雑するはずだ。周囲の東京メトロや山手線も混雑必死だろうから近寄らないようにしたい。

しかし、もっと視野を広げてみると、同じ墨田川沿いでも人込みの少ない穴場スポットを見つけることができる。墨田川の上流に移動していこう。


くねくねと東京を縦断する墨田川の上流には荒川との分岐、岩淵水門がある

同じ墨田川でも、墨田川源流である赤羽の岩淵水門付近であればさすがに人がいないはずである。ちなみに岩淵水門は会場からは直線距離で10kmほど離れている。思った以上に遠い。しかしこの位置は川沿いで遮蔽物が少なく、土手になっているので高いところから花火を見学できる公算が高い。
当然、花火見物客はこんな離れた場所まではこないはずである。もしこの位置で夜空に浮かぶ大輪を見ることができれば、とんでもない穴場スポットを発見したことになる。

楽園を見つけに、捜索隊は最寄り駅の赤羽へと向かった。

18:30 赤羽駅

赤羽駅西口の様子。夏の淡い空が黒く染まり始めている。

7月29日の夜空は、18:30になっても暗くならない。
ただ、あと30分もすれば本格的に日が暮れて真っ暗になりそうだ。
赤羽駅の東口を出て、荒川の土手がある方向へ歩き出した。
ちなみに地図上では常に右下に墨田川花火大会会場があると考えてみるとわかりやすい。

荒川手前の新河岸川にかかる橋まで歩くことにした。地図の右下が花火大会会場。

赤羽は相変わらず飲み屋街として賑わっており、当然ながら花火客と思わしき人はいなかった。連日猛暑日が続く中、この時間は熱気が程よく冷めて、心地よい風が吹いてくる。大変散歩に最適な環境だ。

赤羽の夏空

19:10 岩淵橋

荒川の手前、新河岸川にかかる橋である岩淵橋につくと、数人が橋から花火大会の方向を眺めていた。もしや・・・?
東を向くと、新河岸川の向こうに二つの赤い光を持つスカイツリーが見える。そしてその左下に光るものは・・・。

スカイツリーがある方向を向くと・・・。

あ、花火だ・・・!花火が見える!!!!

よくみると、赤いスカイツリーの左側にオレンジ色の花火が見える

なんと、荒川の手前の新河岸川から墨田川花火大会を観賞することができたのだ。まだだいぶ小さいのだが!
花火大会会場付近にスカイツリーがあるおかげで、どの位置に花火が上がるのか見当がつくため、花火をいくぶん探しやすくなっている。スカイツリーは今日の花火大会のために建てられたのかもしれない。
岩淵橋よりも、荒川の土手の方が高い位置にあるので、よりきれいに花火をみることができるだろう。我々は荒川沿いへ向かった。

19:30 岩淵水門

荒川沿いの土手を通り、墨田川の最上流にある岩淵水門へ向かう。
ところどころに3~4名の人だかりができており、みんな花火大会の方角を見ていた。会場からこんな離れた場所に意外にも花火観光客が集まっているようだ。おそらく地元に住んでいる住民だろう。人だかりができているといっても、混雑とは程遠い閑散とした雰囲気なので気楽に花火を楽しめる穴場スポットになっていた。

地図の右下が墨田川花火大会会場である

スカイツリーの光の周りには複数のヘリコプターが蛍のように旋回していた。飛んで火に入る夏の虫のようだ。うっかり本当に花火に突入しないかハラハラしながら見ていた。

左にある塔がスカイツリー。その周りにある白い点がヘリコプター。

岩淵水門付近につくと、こんな時間にもかかわらず小学生が必死に自転車を漕いでいるのが見えた。花火のお祭り気分で浮かれているのかもしれない。
赤羽岩淵水門と言えば、怪談で有名なホラースポットの一つなので、こんな夜中に人が集まること自体めずらしいはずだ。さすがにこの雰囲気ではお化けも出てこれまい。
岩淵水門につくと、たくさんの人が水門にかかる橋の上から花火を見ていた。花火もきちんと大輪が隠れずに見えていたので、思った以上に花火見物には良いスポットなのかもしれない。

岩淵水門からのスカイツリー(花火は撮影できず)

ふと「埼玉方向からも花火が見えるよ」という声を聴いた。どういうことだろうか?
言われた通りにスカイツリーから離れた荒川の先を見ると、なんとそこでも花火が上がっていた。なんで???と一瞬疑問に思ったのだが、どうやら同じ日に越谷でも花火大会が行われていたようだ。

こんな感じで越谷の花火大会も見ることができた

一度に二か所の花火大会を見物することができる!!!なんてお得な場所なのだろうか!!遠すぎて花火が小さいことだけが問題点だが!

そんな豪華なダブル花火大会を交互に見物しながら、我々は荒川の先を歩いていった。もっと大きな花火を見物するために。

20:00 鹿浜橋

岩淵水門では人だかりができていたが、荒川沿いに歩いていくと人の気配が一気に少なくなった。空もすっかり暗くなった中、歩き続けるのは少し恐怖を感じる。

右下が花火大会なので、現地に近づいている方向へ移動している

ただ、目の前の花火を目指して歩いていくのはなんだかとても心地が良い。
歩きながらなのでたいへんぼやけてしまっているが、こんなに離れていても思ったよりもキレイな花火を見ることができた。
墨田川を横目に荒川沿いを歩いていく。墨田川の最上流は人の気配がなくしーんとしていた。この位置からだと荒川沿いを歩いた方が花火会場に近くなるからだ。

ただ、花火大会会場へ近づくにつれ、徐々に花火が見えづらくなってしまった。ビルやマンションで花火が隠れてしまったからだ。
これは誤算だった。遠くから見る時はビルの高さで花火が遮蔽されなかったのだが、近くで見るとがっつりブロッキングしてくる。
岩淵水門付近に人だかりができていたのは、これがあるからだろう。どうやら距離的に岩淵水門こそが最適な花火見物スポットだったようだ。意外な盲点だった。
荒川にかかる鹿浜橋までついたが、花火が全然見えなかったので橋を渡って引き返すことにした。

20:10 鹿浜橋

鹿浜橋は歩行者が少ない一方で、車が大変混雑していた。間違いなく花火大会の影響だろう。遠くから橋を見ると、橋の上いっぱいに動くヘッドライトの光が見えていた。

花火見られずに残念だなと橋を渡ったところ、荒川対岸に人だかりを発見した。もしや・・・?

あ!ビルの遮蔽を避けて花火が見える!!!
写真は撮れなかったけど、花火もちゃんと見えてる!!!!!というか急いで撮影したからめちゃくちゃピントずれてる・・・!

めちゃくちゃピントがずれた上に花火が移っていない写真

人が集まるところに花火あり。人はどんな場所からでも動き回って花火を見つけることができる。花火を希望に置き換えるとエモい気がする。

車の往来が激しいので、騒音が気になるが、このあたりだと一番鮮明に花火が見える場所が鹿浜橋の埼玉側だろう。

いい感じに花火が見られて満足したので、このまま荒川沿いに引き返すことにした。

21:00 荒川沿いを埼玉側で帰る

荒川沿いを埼玉方向に帰っていく

ここからは花火に背を向けて帰っていく。
埼玉側は川沿いに高速が伸びているので、遮蔽されて花火を見ることは難しくなっている。それでも、場所によってはこの遮蔽物をかいくぐるような花火見物スポットがところどころにあり、そこには人だかりができていた。

夜道を歩いていると、その静かな環境と足をポンプにして脳に血液が回ることによって、さまざまな思考が頭をよぎるようになる。
筆者は月一でブラウザゲームを公開するライフスタイルを実践しているのだが、いつまで続けられるだろうか、次回作のホラーゲームどうしようか、などである。そのうち、花火見物はAIにおける学習と同じ原理なのではないかということを考え始めた。人間は花火がよりみられる場所を探すために、花火会場の距離や方角、周辺環境の情報から、花火見物できる最適な位置に移動していく。これは正解を学習するときにAIの構成部品であるニューロンがパラメータ調整をすることと同じ動きをしている。
そんなことを考えながら、そのうち尿意のことで頭がいっぱいになり、思考の80%は尿意のことで埋め尽くされた。
そんなこんなで、ぱらぱらと川沿いを歩く花火見物客を横目に急いで最寄り駅まで帰っていったのだった。

後ろを振り返ると、スカイツリーと花火

まとめ

墨田川の源流にて、ほどよい賑わいで花火見物することができた。さすがに現地で見るのと遠くから小さい花火を見るのとでは迫力が違うだろうが、それでも風情を感じることができた。
実は私は爆音が大の苦手である。小さい頃は徒競走で使うピストルの音が嫌いすぎて運動会が大嫌いであった位に苦手である。ここまで音に過敏なので、間近で聞く花火の音がイヤで花火大会はあまり好きではなかった。
ただ今回の花火見物は遠く離れていたためかまったく花火の音が聞こえずに、ただ優雅に夏の風物詩を楽しむことができた。
これを読んだ読者の方もぜひ、人の少ない遠く離れた場所からの花火見物スポットを見つけていただきたい。
あと、夜の荒川沿いは暗さも相まって怖いので、二人以上で懐中電灯を持ちながら出歩くことをお勧めする。

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