「歯のかたち」について その3


「歯のかたち」について、前回まで、一番奥の歯の例をお見せしましたが、おそらく何のことやら思われたかもしれません。


そこで今回は、「歯のかたち」の個性について書きます。


わたしの「歯のかたち」は他の人と違うの ?   一緒なの ?


親族で似ているの ?


人の系統では似ているものなの ?


他人の「前歯のかたち」を思い浮かべますと、みなさん「歯の大きさ」が異なることも分かりますし、色調の違いは当然違いは目に付きますし、「かたち」も、鋭角タイプ丸っこいタイプ前歯の中心の歯だけ目立つタイプなど、個性がありますし、似たタイプの方がいる事は、有る程度イメージ出来るかと思います。


マメロン1



ところが、一番奥歯や少し手前の「小臼歯」など、一般的に「臼歯きゅうし」といわれるモノにどんな「個性」があるのか ? 


似たタイプがあるのか ?    


自分の「臼歯のかたち」はどういったタイプなのか ?  実際にカテゴライズされ、説明されたり見たり聞いた事は、ほぼ無いかと思います。




ちなみに、歯科の専門家に同じような「臼歯のかたち」のタイプは ?  と質問をしたら、


おそらく、歯が小さい・大きいタイプ・どちらか言ったらトガッたタイプかな~ くらいしかお答えできないと思います。


学問的に歯牙形態を勉強されている先生でも、人類学分類法での「弥生人やよいタイプ」「縄文人じょうもんタイプ」の比較説明でしかお答えできないと思います。

ちなみに弥生人タイプと縄文人タイプの違いとは、「顔面骨格」の違い(例えば-細長い顔・顎骨格がしっかり) を代表的な例として取り上げられます。一部歯科の先生の中で、この「骨格の違い」と「歯の形態の違い」を研究されている方もいらっしゃいます。 




実はこの様に「臼歯のかたち」は、未だ学問として進歩してない分野なのです。



と言うのも、進歩して無いメインの理由としては



現在は、「歯」は食べ物をしっかり咀嚼出来れば良いのです。



歯の神経なども虫歯になったら、治療とケアをして、


「歯」ダメになって抜けたら、入れ歯やインプラント入れて、食事が出来れば良いのです。


という考えが、ただ今の主流の考えです。







でも、わたしの場合は、自分が「歯科技工士」ということもあり、「歯のかたち」の自身での人体実験していますし、多くの専門家ともお付き合いしていますので、気付いております。



「歯のかたち」は、単なる「咀嚼」出来れば良い「かたち」では無いことを。


それを示す具体的な例として、最近の兆候を1つ挙げます。


TCH (Tooth Contacting Habit) 上下歯列接触癖 という癖があります。


通常、わたし達が一日に「歯」が触れてる時間は10分~15分程度と言われてますが、この正常より長い時間「歯が接触」している状態を「無意識」で行っている「癖」の事です。症状としては、知覚過敏・歯肉炎・顎関節痛・筋肉のコリ など、多岐にわたります。(興味のある方は調べてみて下さい)


「無意識」に「歯が接触」している時間が長いだけで、これだけの影響があると知られて来ています。


「歯が触れる」とは ?     何を起こすのか ?   


未知の部分が多く残されています。


当然、私たちの「歯のかたち」の「微妙な個性」とも、相関しない訳がありません。



こちらは、下の「小臼歯」の「かたち」です。

下顎右側小臼歯形態No2WEB3

そして、こちらがある法則によって、色分けしたものです。

下顎右側小臼歯形態No2WEB5

別な分類法で色分けしますと、

下顎右側小臼歯形態No2WEB6


このような「歯のかたち」の方が、ある一定の方に観られ


また別の「歯のかたち」も、数種類観られ


それぞれ「かたち」も異なります。


加えて、年齢と共に「歯のすり減り」によって、


また「歯のかたち」が変化してゆき「各々の個性」が現れてきます。


また、私たちの全身にある「関節」は決して機械的な動きでは無く、軟骨・じん帯など、軟組織などによる「しなり」の要素で「顎関節」「下顎」が動いていますので、「歯の合わせかた」解析も実は容易にできる代物でありませんので研究も進まない、とうのが現実です。(こちらの私なりの解説もいづれ致します)


当然、各個人の気持ちの要素、イライラしやすいとか、人生の波において辛い時期、などには食いしばりの量も多いのですが (この様な場合、現在での歯科治療においては「スプリント形態」にての対応が一般的です)、私達のお口の中の基本である「歯のかたち」の個別の影響については、研究も進んで無いですし、ほぼ知られて無いのです。




ね、「臼歯」の個性調査 (診断) 項目があった方がなんか役に立ちそうでしょ。



(歯科最先端では口腔内スキャンやCAD技術がある為、「歯の形態解析」は既に終えていると思われがちですが、これからの発展分野なのです)





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