電磁波と母娘 (日本編)

順を追ってないですが、
思い出したので書こうと思った対応しながらもネタにしかならないと思ったエピソードです。

ホテルは午後は当日の予約のチェックインがメイン。
当時私の業務はナイトマネージャーといい、夜間お偉い様のいない時の責任者と聞こえはいいが実質全ての部署からくるクレームや雑用を手伝ったりが(人手がいないとか)メイン。

ある夜ウォークイン(飛び入り)で予約なしのお客様がフロントに。。
中年の物腰穏やかな女性とちょっと足元おぼつかない初老の女性。
「予約がないんですがお部屋はありますか?」
稼働率が80%ほどだけど次の日のグループなどを考慮するとあいてるスタンダード部屋2、あとはスイート数部屋。

値段と泊数を聞くと
「できれば高いフロアで」
元々高層ビルなので25階以上上にあると説明すると
「電磁波が。。。」

チェックインマニュアルや想定問題には出てこない単語がでて思わず素になり
「はい?」
と聞き返した。

「電磁波の影響を強く受けるので高いフロアがいいのですが。。。困ったわ。。。その部屋一度見せてもらえますか?」

ここでちょっとこれは厄介事案になりそうと感じる。

とりあえず部屋まで案内すると、カバンから電子機器を取り出して部屋の色々な部分でかざしはじめた。

「ああ。。。電磁波が。。。これはダメだわ」

その後2つほど部屋をみせるも電磁波カウンター?の数値のせいでむりと言われまたフロントに戻る。
(この時点で30分経過)

「困ったわ。。。これじゃ。。ああ気分が悪くなってきた」
とふらつきはじめ、話もまともにできなくなる。

初老の女性(母親)はソファに座ってるが
「○○や、もう疲れたよぉ」
と志村けんのひとみ婆さんのような口調で呟いてる。

カオス。。。

しばらく押し問答ののち、近隣の別ホテルでウォークインできるか電話をとりあえずかけまくり、なんとか一件見つかったので

「お客様、○ホテルがまだお部屋あるそうです!」
「あらそうなの、でも気分が悪いけど。。」
母親ももう限界そう。
部屋はあるが電磁波で入れないと言われ、じゃあどうするのさと私の頭の中では夜勤業務もあるので色々焦りも出てくる。

「お気分悪いかと思いますが下にタクシーをお呼びしたのでエスコートさせていただきます」

半ば強引に車付までお連れした。そこで無線が入る。
ベルボーイからでこの方々なんと荷物が大量にある。
カート2台分!!(夜逃げ?)

なんとか荷物全部タクシーに押し込み、お客様も押し込み別ホテルまで送り出す。

ほっとしたのも束の間
ベルボーイのカウンターになんと。。。
そのお客様の荷物が一袋残ってる!!😱

大人気なくスタッフに
「なんで全部いれてないのーーー!」
と叫んでしまった。

ベルボーイはあまり事情理解しておらずキョトンとしていたが

「今のお客様戻ってきてもうちはムリで通します」
とだけ伝えた。
(この時点で2時間経過、深夜近い)

後日談は結果そのお客様は戻ってくる事はなかったのでその荷物は荷物置き場で預かったまま。。。

私の夜勤の時には来ないでねとしばらく怯える日々が続きました。

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