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ホテルの開業準備 その21 ブッフェの陳列

ホテルの引渡し前後は、現場に移り図面で確認していた内容がきちんと反映されているか、また実際の導線や空間の奥行やなどを感じながら微調整していく作業がいくつもありますが、レストランのセッティング、とりわけブッフェの陳列についてはその典型といえるでしょう。

多くの場合、ブッフェコーナーは、温かい料理を保温して陳列するホットコーナー、冷たい料理を保冷して陳列するコールドコーナー、目の前で調理をして料理を提供できるパフォーマンスコーナーなどに大別され、それぞれに提供する料理の特性に応じて、必要な器材や什器備品を購入して臨むわけですが、実際にモノを置いてみると、ぎちぎちで狭苦しい印象になったり、むしろスカスカで寂しい印象だったりと色々とアラが見えてきます。

お勧めとしては、早い段階で図面上(平面図)に、実際に使用する予定の器材のイメージを配置してみることです。この作業は、実際に調理を担当するシェフが中心に進めますが、この資料については、総支配人、レストラン支配人、調達担当などとも共有し、レストランコンセプトの仕上げ、調達物品の購入のタイミングをはかる資料としてもとても重宝します。

さて、実際に現場にて配置などを確認しはじめますと、取り分けに必要な食器、取り分け用のトング、トッピング食材の置き場所など、図面ではあまり認識していなかった要素も色々と出てきます。出来るだけ早いタイミングで想定する陳列を再現するとともに、是非、オープン前に数回は実際の料理を調理し、本番さながらに食事を提供する機会を作りたいものです。絶好のタイミングとしては、メディアや旅行代理店など宣伝も兼ねて行う試泊の翌朝に実際に朝食を召し上がっていただくことです。お客様の導線や混雑するスペースなども把握できるのでお勧めです。

ホテルスタッフの商品知識の向上を兼ねて、是非、スタッフ向けの試食会も開催してあげてください。士気向上にも繫がりすし、きっと開業前の楽しい思い出の一つになるでしょう。

ホテルマネジメントの達人


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