ホテルの開業準備 その18 サービススタンダード
以前の記事で、開業準備の初期段階で「オペレーションポリシー」の重要性を解説しました。その後のサービス品質や購買物品の指針となる重要なものです。どの程度、細かく作成するかにもよりますが、「オペレーションポリシー」については、スタッフのみならず、オーナーや投資家なども含めた比較的広い範囲にホテルの運営指針を表明していくためのものなので、実際には、もう少し細かいサービス詳細設計が必要になります。最終的には、(これも以前の記事でご紹介しました)「Policy & Procedure」に落とし込んでいくことなりますが、今回ご紹介する「サービススタンダード」はその中間に位置するようなものといえます。今日はこのあたりについて。
今回ご紹介するサービススタンダードについて、特に決まった形式はありませんが、ホテルのグレードや競合との対比において、何をやり、何をやらないかを固めていくものです。有用なやり方としては、「ゲストの到着」、「チェックイン」、「客室へのご案内」、「客室内のサービス」など状況別に考えうるサービスをすべて書き出し、そのうえで、やるものに〇、やらないものに×をつけていくのが第一段階となります。
このフォーマットは、将来的に別のカテゴリーのホテルを対応を行う際にも役立ちますし、ビジネスホテルでもこのポイントだけは高級ホテル並みのサービスを提供する、なんて発想にもつながりますから、先入観をもたずに列記していくことが肝要です。
さて、〇×付けが終わりましたら、そのうえで、やるものについて、自社でやるのか、外注するのか、などを分類、外注の場合は具体的な範囲や候補となる業者を記載していくとより実践的なものになっていくでしょう。
例えば、「ゲスト到着」というカテゴリーについての一例です。考えられるサービスとしては、以下のようなものが考えられます。一部、ハード的な要素も含まれますが、あまり細部にこだわらず進めてみてください。「駐車場」、「ドアマン」、「バレットサービス」、「無線を利用したゲスト到着の連絡」、「アンブレラサービス(雨天時)」などなど。ごく簡単に紹介しましたが、ホテルの実際の状況を考えるともっと色々でてくるかと思います。
これらの要素が固まりますと、おのずとどのような物品を購入しなければいけないか、また、どのような陣容、オペレーションで望まないと難しいかがより明確にイメージできてくると思います。開業後も、各部がチームのなかでこういったサービススタンダートの一覧表をもとに、やりたいサービス、今できていないサービスなどを話し合う、良いツールにもなるかと思います。参考にしてみてください。
ホテルマネジメントの達人
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