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インドシナ便り Vol.12 暮らすように旅をする

友人知人の皆様

実に2年ぶりのお便りです。皆様、お変わりありませんか? コロナ禍の苦悩の時期を乗り越え、タイでの3軒目のホテル立ち上げプロジェクトが落ち着き、ようやく以前のように旅を再開することが出来る環境になってきました。実はいまスペインに休暇に来ています。今日は番外編でバルセロナ便りです。

暮らすように旅をする

なんとも良い響きです。これまでの自身の旅を振り返ってみると、若い頃はお手軽ながら薄っぺらいパッケージツアーで、行ったことのない国の塗り絵をするような旅をしてきましたし、お馴染みの冒険の旅はそれこそ野宿に近く、そして仕事(出張)では勉強のためそれこそ3泊あれば3泊違うホテルに泊まるような旅が大半でした。50も過ぎ、もう少し腰を落ち着けて一箇所でその土地に根付いたような旅(暮らし)ができないかと常々思っていました。海外勤務が通算で仕事生活の半分以上となる私ですが、常に主戦場はアジアで、豊かな文化と歴史を持つヨーロッパでの生活に常に憧れとコンプレックスを持っている私です、笑

テニスの国際試合に参加する

そんな想いをぼんやり思いながらも、一言でヨーロッパといっても選択肢が多すぎてなかなか的が絞れません。パリやロンドンのように観光で訪ねたことがある街では新鮮味がないし、あまりにも田舎だと行動パターンが狭まりすぎる。北欧や東欧への憧れもあるが最初の場所としてはハードルが高そうだし、などなど。そんな中で、ある日、閃きました。

「そうだ、テニスの国際大会への参加を軸に街を決めよう」

このお便りをお送りしてる方にはテニスに馴染みのある方も多いですが、知らない方も多いので若干補足します。International Tennis Federation (ITF)はプロテニス興行を仕切る国際連盟ですが、この組織は年代別のシニア国際大会も主催しており、プロ大会同様に世界各国でプロと同じ形式での国際大会が開催しています。日本でも、まだマイナーですが年間数試合組まれています。私自身は、タイ勤務後にこの存在を知り、タイ国内(主にバンコクやパタヤ)で開催される大会に挑戦しています。

最初のトライアルはバルセロナ

前置きが長くなりました。

ということで、ネットで10日程の休みが取れそうな時期に開催される国際大会を調べたところ、スペイン/バルセロナ大会がヒットし早速エントリー。テニスを知らない人でも名前くらいは知っているであろうクレーキング「ラファエル・ナダル」、そして彗星のごとく現れ今後のタイトル総なめを予感させる若きスター「カルロス・アラカラス」などテニス愛好家ならいわずもがなのテニス大国です。

キッチンのあるアパートを借りる

今回の旅、上述のテニス大会への参加がメインではあるものの、宿選びに少しこだわりを加えました。

 ・観光客がごったがえすような場所は選ばない。
 ・近くに地元の人が通うマーケットやスーパーがありローカルの生活を体現できること。
 ・部屋にキッチンがあり、料理ができること。

初めて訪れる街のため、場所探しはなかなか難しいのですが、最近はネットでも細かい条件を絞り込んでの検索が随分と楽になりました。円安の影響もありお安くはない値段ながらバランスの取れた宿を選び、わずか10日間の「生活」のスタートです。

閑静な住宅街の一角で

ある程度条件選びはしたものの、結果、完全にラッキーでしたが、近くは閑静で洒落た住宅街といった感じで、徒歩圏内にはスーパーやカフェが点在、お洒落な雰囲気です。朝起きて、散歩がてらマーケットを覗き、焼き立てのパンやハム、チーズを買って、キッチンで卵を焼いたりして朝食をいただきます。ちょっとしたカフェもバルも多く、正に暮らしを体感できるエリアでした。

テニスの結果

一応、結果だけいうと、1回戦負けでした。(詳細さておき自分自身が出来ることの8割くらいは出来たものの、です)。多くの参加プレーヤーがテニスを生業にしていたり、元有力選手だったりで、1回勝つだけでも大変なのでこの結果は順当ではありますが、なかなかタフな相手でした。でも、上下5歳差の中でのフェアな試合なので何の言い訳もできませんし、同世代で凄い球を打つ奴を見ると刺激を貰えます。

試合が終わり

早めに試合が終わってしまい、残りの数日特に予定もなくゆっくり過ごせる中で久々にこのお便りを書いています。あまりベタな観光には興味はないのですが、それでも一応、サクラダファミリアや旧市街へは脚を運んでみました。ヨーロッパの深い歴史を感じます。残りの数日はこの地の住民気分で特に何もせず過ごすつもりです。前に少し習ったスペイン語を復習し、極々限られた日常会話を楽しんだりしています。ちょっと周辺を歩くだけで歴史を感じられる建物や、見慣れない野菜やお惣菜があふれています。こうした中に身を置いているだけで少しの幸せを感じられています。

残り数日でまた熱帯のアジアでの生活に戻りますが、暫くはこの余韻に浸れそうな気がします。また、来年、チャンスがあれば、どこかの街での国際大会にエントリーし同じような「暮らし」をしてみたい。ちょっと気は早いのですが、既に、来年の大会スケジュールを眺めたりしています、笑

今日はこのあたりで。

(この投稿は友人知人の方へメールベースお送りしたものを、一般投稿用に一部編集してお送りしているものです)


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