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ホテルの開業準備 その17 館内のサイネージ

本日は館内のサイン、案内等に関してお伝えします。

開業準備の段階で必要となるサイン関係は大きく以下に分類できるかと思います。注意点とともに解説していきます。

1.パブリックの案内表示

館内に表示される案内版には、トイレやレストランなどの施設の階数や方向を表示します。たまに案内板にレストランの店名(固有名詞)のみが書かれているケースを見かけますが、初めて来たお客様にレストランの店名が浸透しているとも限りません。極力、一般名詞(例えば、日本料理)をつけ、そのあとにレストランの店名を加える配慮(例:日本料理 さくら)が必要でしょう。また、エレベーター内の表示はスペースが限られていることもあるのでピクトサインを有効活用するなども良い案です。

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2.レストラン等のロゴ

レストランの店名が決まりましたら、レストラン店舗の前にロゴの設置をすることが一般的です。レストランの特徴などに合わせた字体やカラースキームをロゴ制作会社やデザイナーと協議しながら固めていくこととなります。チェーン共通のロゴ基準などが無い場合は、これらの作業を一から進める必要がありますので早めに動いていくようにしてください。トイレの表示にも施設の特徴などを活かしたいろいろなユニークなものがありますから、余裕があればこのあたりもデザイナーに相談してみると楽しいかもしれません。

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3.客室の部屋番号の表示

客室エレベーターから客室までの導線に表示するものと、客室のドア付近に表示するものがあげられます。表示自体はシンプルなものですが、表示箇所によっては、照度が不十分なこともありますので、できるだけ明るい色で大きめの表示が望まれます。また、玄関の番号表示は、エレベーターホールから見やすい角度になっているか注意してください。

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4.避難経路の表示

客室内部に表示する避難経路案内は、目的からしても極力デフォルメし、わかりやすい表示にしたいものです。今いるのはどの位置なのか、そしてどちら方面に避難経路があるのか、を念頭に作成してください。客室毎に印をつけたり、色を付けたりするのは制作コストの面でかさばりますので、場合によっては基盤の制作は一括で行い、該当客室にシールを貼るなどの対応したり、基盤の制作そのものを簡易シールのようなものにしてコストをセーブしているところもあるようです。

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5.広告用のサイネージ

これまでは固定の案内表示版の説明でしたが、広告目的のものは、立て看板のようなスタイルから、表示方法が柔軟でタイムリーな変更が可能なデジタルサイネージがお勧めです。ロビー、エレベーターホール、エレベーターのかご内、レストラン入口などが一般的でしょう。

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以上、色々とみてきましたが、通常、ホテルで働いている人間には、当たり前になってしまう館内の位置関係なども初めて訪れるお客様にはわかりにくいもの。館内表示は極力おかず、あくまでスタッフがご案内する、といったモットーでやっている高級ホテルもあるといいますが、エレベーターやトイレなど多くのお客様にとって共通の頻度の高い箇所については、意識しなくても目に付くようなそんなやさしい案内が望まれるものです。

今日はこのあたりで。

ホテルマネジメントの達人


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