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ホテルの開業準備 その19 大量採用のプロセス

開業準備が進み、ホテルの主要部門の核となるスタッフの数も増えていきます。開業の2ケ月前にはいよいよ接客にあたるラインスタッフの採用、トレーニングが開始され、開業当日に向けいよいよ最終コーナーへ、といった感じです。

ホテルの規模によっては、総スタッフ数が300名~500名と大規模になりますので、直前に確保しなければならないスタッフも相当な数になります。今回は、200名程度を同時採用する場合を想定したプロセスを簡単にご紹介します。

(1)面接会場の確保

開業2ケ月前のショーアップを前提とした場合、集団面接の告知から案内までに更に2~3ケ月程度かかりますので、面接会場の確保は開業の半年くらい前には済ませないといけません。200名を採用しようとした場合、その3~4倍の面接をこなさなければなりませんので、開業の規模も相当な大きさになります。自社ホテルの宴会場などが使用可能な状態になっていれば良いのですが、通常はまだ工事中の段階ですし、宴会施設のないホテルなどでは外部施設を借りる必要があるので、どのような面接プロセスを行うのかを企画し、それに見合った面接会場を手配するようにしてください。

(2)告知活動(促進)

会場の手配が終わり日程が確定しましたら、告知活動を進めます。各国にて告知チャネルは異なると思いますが、迅速で安価に幅広い告知が可能なSNSを中心に、リクルートエージェントや専門学校など、幅広く案内できるようリスト化を進めてください。

(3)当日のエントリープロセス

200名規模の採用活動の一時面接において、個々人の細かい面接時間の設定は難しいので上述の告知にて大まかな来訪人数を把握し、当日の対応に必要な人員数を確保します。予め記載しておいてもらうエントリーシートを受付で確認(不足箇所を追記いただくための予備スペースも必要ですね)、会社案内ビデオ放映(特に混み合っているときは時間が多少稼げるので有効です)、希望部署への案内、面接といった流れになります。事前に書類選考をしたり、グループ面接で振り分けたりという方法もあるかと思いますが、開業前の大量採用では、複数部署のスタッフを同時進行で採用していかないといけませんので、一般企業が総合職を採用する方法とは少し異なってくる部分もあるので注意が必要です。

(4)2次面接(最終面接)

一般的には開業直前の大量採用では、幹部職のような主要なポジションの採用は終わっている段階です。採用にあたっては、すべて総支配人が最終面接を実施するケースも多いかと思いますが、人数規模も相当になるので、各部門長への権限移譲が現実的かと思います。接客部門については、ホテルの商品そのものともいえる部分ですので、バック部門とは切り分けで総支配人面接を実施する方法も有効かと思います。

(5)内定通知

最終面接を経て、内定通知を出し、必要な採用数の確保が出来ているかを把握していきます。一定の歩留まりを計算する必要がありますので、不足しているようなら追加の面接や繰り上げ採用の措置を行っていくのは、一般企業の採用と大きく変わりません。

(6)ショーアップ

いよいよショーアップです。200名の人員が一度に出勤し始めますので、人事部は大忙しです。ユニフォームの手配なども完了しているタイミングですので、入社案内のタイミングで採寸なども行います。残り2ケ月、座学、現場教育、ロールプレイング、試泊と開業に向け各部門作業のピークを迎えていきます。ここからが大詰めです。

今日はこのあたりで

ホテルマネジメントの達人



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