見出し画像

ブラーについて

 ブラーは大好きなバンドだ。しかし、オアシスを高校生の頃から愛聴していたのに対し、ブラーを好きになったのは大学生になってからだった。

 それまでは、ブラーは聴かず嫌いで敬遠さえしていた。なぜなら、オアシスの眉毛兄弟が、ブラーのことを散々こき下ろしていて、オアシス信者だった自分は「ノエルとリアムがこんなに毛嫌いするなら聴かなくていいだろう」と勝手に判断していた。

 しかし大学生になり、せっかくだから聴いてみようとベスト盤を買った。そしたら、予想外に良くて、すごく好きになった。ブラーにはオアシスとは別のポップさがあった。オアシスはよくビートルズに似ていると言われるが、英国的なポップ感はブラーの方があるのではないかとさえ思った。

 デーモンは、初期はけっこうハイトーンでおちゃらけた声だが、中期(?)以降の低くて落ち着いた声が大好きだ。ベースのアレックスのクールで涼しそうな佇まい、ドラムのデイブの技巧的かつパワフルなドラム(YAMAHAのドラムセットを使っているところも何気にいい)も好きだ。

 そして、何より自分にとってはギタリストのグレアム・コクソンが魅力的だ。90年代以降のロック系のギタリストで、ここまで独創的なスタイルのギタリストっていないと思う。英国的なギターもオッケー、アメリカっぽいオルタナやローファイなギターもオッケー、ソロ活動ではペンタングル的なギターもプレイしている。めちゃくちゃ表現の幅が広い。

 好きなアルバムは、まず初期の『モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ』。なんというか、すごく意図的にイギリスっぽさを打ち出していて、ひねくれたポップさがとてもいい。それに対して『ブラー』の、ローファイ全開でグレアム大活躍な感じもいい。しかし、グレアム脱退後の『シンク・タンク』も、アフリカ音楽にアプローチしてる感じもいい(のちにデーモンが出す『マリ・ミュージック』に繋がるものを感じる)。最新作の『バラッド・オブ・ダーレン』の全体的に落ち着いてメロウな雰囲気がありつつ、それだけではないギラリと光る妖しさや渋みのようなものがある感じも最高(サマソニ行きたかった…)。

 デーモンはブラー以外の活動でも忙しく、グレアムもソロとして成功している。アレックス は実業家として、デイブは弁護士としても活動している。メンバー全員が知的な人たちなので、活躍の場が幅広すぎるが、これからもブラーとしての活動を楽しみにしている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?