ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』について
古典に触れて、自分の審美眼を養いたいと最近思うようになった。そこで表題の本を読んだ。岩波少年文庫版を選択したことで、あまり時間をかけずに読むことができた。
以下に、心に残ったことを記す。
①良いこと悪いことの対照表(P85)
どんな境遇からも希望を見出そうとするロビンソン・クルーソーの姿勢が素晴らしい。ここから、ロビンソン・クルーソーは「自分の生活を安楽にするための努力」に邁進していく。余計なことを考えずに、自分ができる範囲のことに集中するというのは、最近自分が仕事をする上でよく考えることでもあり、共感できた。
②神への祈り(P125以降)
ロビンソン・クルーソーは、島での孤独な生活の中、神への感謝を大切に思うようになり、以降聖書を熱心に読むようになる。西洋文学を読むなら、キリスト教に関する知識はやはり必要だと感じさせられた(以前『カラマーゾフの兄弟』を読んだ時にも感じたが)。
また、新渡戸稲造や内村鑑三がキリスト教徒だったということも個人的に気になっている。
③蛮人を襲うことをやめる(P207)
ロビンソン・クルーソーが暮らす島に、カリブ海の先住民(人食い人種)が出入りするようになり、ロビンソンは駆逐を考え始めるが止める。理由は、スペイン人がアメリカ先住民を殺したのと同じということ、自分にそのような処罰を行う資格があるかということなどだ。
生きていく上で、自分とは異なる価値観をもつ人と関わることだらけだが、そういった人と関わるうえで自分はどうすべきか。これも最近よく考えることなので、ここでの本文の内容が心に残った。
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