見出し画像

ピーズについて

 ピーズを初めて聴いたのは大学生の頃だった。そのころから、ユニコーンとかスピッツとかウルフルズとか、あとエレカシとか真心とかイエモンとか、色々な日本のロックバンドを聴いていたが、ピーズはその中でもすごくハマってよく聴いていた。何回かライブも観に行ったし、大学のサークルでコピーバンドを組み、自分で歌ってみたいから、普段はギター担当なのにそのときはベースボーカルをさせてもらった。

 なんでピーズが自分にヒットしたのか考えてみると、第一に良い意味で安っちい感じが良かったんだと思う。音も、すごくいいスタジオで録りましたっていうのではなさそうだし、歌詞も平易な言葉で作られている。けど、それがすごく良かった。すごく身近に感じられたのだ。

 第二に、歌詞の投げやりさが良かった。ダメな自分を肯定してくれる歌詞ってのはよくあるが(それはそれで良いのだが)、はるさんの書く歌詞は、ダメなところをものすごく率直に、かつ平易な言葉で表現していて、しかもそれだけって感じ。それがすごく良い。とくに応援したり励ましたりとかないんだけど、それが良い。自分を曝け出す表現がとても気に入った。

 第三に、はるさんやあびさんの生き方が魅力的だった。ピーズは、すごく売れているバンドではないと思う。実際、活動休止中は、はるさんは中華料理屋で働いたり、あびさんは建設会社で働いたりしていたらしい。なんか、その生活感があって、クタクタな感じがまた自分にとっては身近に感じられた。奥田民生とか草野マサムネとか、大好きなんだけどやっぱりすごく遠い人に感じられる。その点、ピーズは親近感が湧く。そういうクタクタな感じが曲にも出ているのがいい。そして、はるさんは駒澤大学、あびさんに至っては早稲田大学と、しっかり学歴があるってのも何気に面白いと思った。ぶっちゃけ堅い人生も選べたはずなのに、ロックの道を選んだところが面白い。

 久しぶりにピーズについて調べたら、えらいメンバーが変わっててびっくりした。また聴いてみようと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?