環椎骨折

「いってぇぇぇ..」
マウンテンバイクでジャンプ台を飛ぼうとした。
ジャンプ台といえば、オリンピックで使うような高さ3mのジャンプ台を想像するかもしれないが、そうではない。たかが30cmくらい、いやはや20cmかもしれない。

ぼくは、インターンシップ生。
会社関係のイベントが山梨であるからと社員の方に車で連れて行ってもらった。
社員の方は仕事で、私ともう1人のインターンシップ生はプライベート参加という形で参加させていただいた。

イベントブースを二回り三回りし、暇を持て余した僕たちインターンシップ生は、イベント会場の隣にスキー場を見つけた。
マウンテンバイクやら冬でもないのにスノーボードやらでゲレンデを滑り降りてくる人たちがいた。楽しそうだな〜。
その日の帰りも社員の方に車で連れて帰ってもらう予定だった。イベントが終わって片付けおわるまでに、4時間はある。その間暇だなってことで、マウンテンバイクを借り(3000円)、リフト券3時間分(3000円)を買った。

よっしゃあいっくぞぉ
終始たのしかった。
風を感じて気持ちいいし、うまく曲がれたりした時はすっごい気持ちいい。
反面転んだら大怪我もんだよな〜なんて考えながら滑り降りていた。

時間的にあと2回降ったらおわりだなーっていう時間がになった。
慣れてきたし、コースの終わりにあるジャンプ台2つのうち小さい方をとんでみた。
ぴょーん。
おお!たのしい!とんでる!
そんな調子でもう一回リフトで上に上がり最後、さっきよりでかい方のジャンプ台を飛んだ。
ぴょーん。




気づいた時には地面の上、後続に轢かれないように、自力で避けた。
避けた後は立っていられなかった。
「いってぇぇぇ」
天を仰いだ。
まあ、力入るし、脳震盪くらいだったらいいな〜。
そんな感じでベンチで休んでいると、
記憶がなくなっていた。
目に見える空間のことはわかる。
リフトで上がって、自転車で下って、ジャンプ失敗した。ってことは、分かった。
それ以外のことがわからない。
なんでここにいるのか。ここはどこなのか。
少し時間が経つと、会社のイベントできてたことは思い出してきた。
けど、イベント会場どんな感じだったか覚えてない。
自分はラグビーをやってはいたが脳震盪をしたことがない。
試合中に頭打った人に直近の出来事を聞く理由がわかった。絶対にあれは嘘偽りじゃ答えれない。なにも覚えてないし、思い出せないから。

一緒に自転車に乗っていたインターンシップ生がレンタルの受付の人や社員さんを呼んでくれた。   

「念のため病院に行ったほうが良い」

この言葉に全てを救われた気がする。

病院でCTをとり、待合室で結果待ちをしていた。
待つ。痛いー。待つ。痛いー。
待合室にいると、お医者さんがでてきて、とりあえず、動かさないでおいてねと、首に巻くやつをはめられた。

待つ。
診察室に入ると、CTを見せられた。
骨が折れていた。
「第一脊椎が折れてるね。」
これは、頭蓋骨に一番近い骨らしい。
上から衝撃が加わって圧縮で折れたようだ。
近いうちに違う病院で診てもらったほうが良いと言われた。
本当に診てもらってね。
下手したら死ぬよ。
脊髄損傷すると呼吸できなくなって即死だよ。
本当は今の固定じゃ全然足りないからね。
そう言われた。

社員さんが病院を探してくれて違う病院に3時間かけて車で移動した。(後に行った病院の話では首の骨が折れていて車で移動するとは考えられないことらしい、看護師、医師いろんな人に驚かれた)

この日は土曜日であったため、入院して月曜日に精密検査をすることに。
結果は、神経系は大丈夫だった。
内出血がすごくて、喉に血が溜まったら取り除く手術くらいなそうだ。ひとまず安心した。

後で脊椎骨折とか調べてみると、恐ろしい恐ろしい。なんで骨折だけで済んだのか、意味がわからない程全ての運を使い果たした気がしている。

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