デモに初めて参加する東大生です。/学費値上げ、パレスチナ

 こんにちは、文学部3年の東大生です。今年の3月から、パレスチナ連帯運動、学費値上げ反対運動に参加しています。それ以前はまともに社会運動に関わったことがありませんでした。そんな自分がなんでこんなことをしているのかを書いていきます。今、「学費上がんの嫌だけど、デモかあ〜〜〜……」「パレスチナの人たち可哀想とは思うけど、そういうことについて発言すんの怖いな〜」と思っている人に届けばと思います。とにかく、こういった運動は一人でも多くの仲間を欲しています。もし、このnoteで少しでも勇気が湧いたら、まずはチラッと覗いてみるところから始めてもらえればと思います。自分一人が参加してもどうにもならない、なんて思わないでください。あなたが参加することで入口が確実に広がります。


運動に参加する前の気持ち

 まず、デモとか社会運動っていうのは怖いです。そもそも政治的な意見を真面目に表明することが怖い、やばいって思われやすい同世代の冷笑的な空気感があって、「こういう問題に関心を持っています」と表明することで1個目のハードルがあり、「こういう意見を持っています」と表明することでもっと高いハードルがあり、そこからデモとかに参加していくことにはさらにハードルがあります。(思想が強い、という言葉が悪口や軽口で使われること多いですよね)それ以前に、問題について調べる元気がないっていうのもあります。とにかく、ハードルってめちゃめちゃ高いですよね。それに、もしデモとかに参加することで就職活動とか大学からの評価に悪影響があったらどうしよう……って心配もあります。(今考えると、そんなことで弾いてくる企業とか入りたくないな……)

 そして、学費の値上げ問題とかはまだ身近な問題だけど、パレスチナ、ウクライナ、なんて遠いところの問題は、自分が動くべき問題じゃない、動かなくてもいい、むしろなんであなたたちはそんなに必死になってやってるんですか、と思わなくもない。もちろん、twitterで流れてくる難民キャンプとか死体とかの写真みてると、何かしなきゃという焦燥感を感じることはあるものの、やっぱり怖いし、そんな元気ないんですよね。それに何が起きてるのか、何が問題なのかもよくわからない、それを調べるのも一手間。渋谷でパレスチナの旗振ってる人とかみても、「あれ、ハマスから攻撃したんじゃなかったっけ?なんでハマスの方の肩持ってんの?」と疑問に思っても、家に着く頃には家事や課題のことで頭がいっぱいになって、調べようと思ったことすら忘れてしまう。

運動に関わるきっかけ

 ある日、Twitterであるスピーチが流れてきました。

 当時、僕は駒場の演劇サークルで公演のために忙しくしていました。一応は創作に関わっている身として、このスピーチを聞いて、ガザについて調べて、すごく恥ずかしく思った記憶があります。もちろん、パレスチナ問題に関係しない作品がいくらあっても良いんです。でも、今あんな虐殺が起きているのに言及しないっていうのは、明確に「避けてる」ってことなんじゃないか、と思いました。このスピーチをきっかけに、僕は問題への関心を強めました。しかし、それでも、何か行動を起こすことはできないでいました。
 
 そんなある日、僕がTwitterをダラダラ眺めていると、こんなツイートが出てきました。

 このポストは、駒場の演劇サークルの卒団者によるものです。(駒場には演劇サークルがいくつかあり、お互い協力しながら活動しています)代が違うので直接の知り合いではありませんが、駒場、演劇という要素ですごく身近に感じて、「ここなら自分もいけそう!」と思って飛び付きました。

初めての運動/ガザ・モノローグ

 ガザモノローグについての紹介はこのサイトに譲ります。

 最初はモノローグを読み上げる演者だけで始まりましたが、「読み手だけじゃ限界あるよね」ということで、東大生やデモのベテランを中心にお声がけして沢山の人に関わってもらうことになりました。その際参考にしたのが、この署名です。

 賛同者リストを見ていると、1、2年生の時語学のクラスで一緒だった友人の名前がありました。早速声をかけると快く参加してくれて、とても嬉しかったのを覚えています。意外と身の回りにこういうのやってる人いるんだ……!と嬉しくなりました。というわけで、語学のクラスで一緒だった人たちのtwitterを見ていると、意外とこの問題に言及している人がとても多い。以降、どんどん僕の友人たちが活動に参加してくれました。そして彼らがさらに人を呼び、どんどん必要な人が集まってきました。

 そして、最終的には駒場と新宿で上演することができました。(映像公開はもう少しだけ待っててください)

 この記事の本題ではないので一旦詳しい記述は控えますが、ガザ地区(また、ヨルダン川西岸)で行われていることは紛れもないジェノサイドであり、国際社会全体が強固な意志を持って否定すべきものです。

次の運動へ

 一度やっちゃえばなんてことない、というわけもなく、いまだに社会運動についての怖さはうっすらあります。だって知らない人たちに声をかけるとか人前に立つとか、怖いじゃないですか。それに忙しい。でも、そうしている間にどんどん虐殺は進むし、身に迫った問題だって起きてくる。

 この問題がなぜ問題なのか、というところはひたすら議論されていますから詳しく述べませんが、とりあえず僕がパッと思いつくところを列挙します。
1.貧困層、親が裕福だけど金を出してくれない層の教育に機会を奪っている。(学費免除申請、奨学金の受け取りは入学後にしかできない現状で学費の増額はかなりきつい問題)
2.一番最初に思いつく被害者である来年以降の入学者は、いまだ東大生ではないので連帯して抗議することすらできない。(なお、我々在校生についても、大学院に進学する場合学費が増額される懸念がある)
3.決定から実行までが早すぎる。
4.外部メディアを通して学生、教員が初めて知る。
5.大学の構成員である学生に、十分な「対話」の機会が設けられていない。
 
 こういった問題点にいち早く気づき、東大の中で素早く行動を起こしてくれる人たちがいました。文学部連絡会、教養学部自治会、緊急アクション……僕はそういった人たちに後からついていくだけでよかったんです。

 個人的に縁がある人が多く所属しているし、活動に参加しやすいのが↑の団体だったので、最近はこの団体のデモに加わっています。

 パレスチナ問題についても、ガザ・モノローグで燃え尽きちゃいけないとは思いつつも、忙しくなってしまい次の運動をどうしても起こせずにいました。しかし、僕の友人が次のアクションへ誘ってくれました。友達に意欲のある人がいると、引っ張ってくれるから続けられるんですよね。もっとも、お世話になりっぱなしもいけないんですが。

 僕は現地に行けないのですが、事務方としては働けるので参加しています。とにかくこういう運動は人手が必要なので、どんなにできることが少ないと思っていても参加してくれるとめちゃくちゃ助かります。自分は一人じゃないっていう安心感にもつながりますし。

とにかくきて!

 振り返ると、とにかく自分は身近な人が始めてくれた何かに乗っかって運動に参加し続けています。友達がいると参加しやすい、これに尽きると思います。吹奏楽のコンサートなんて普段行かないけど友達の部活のコンサートには行きますよね?そういう軽い興味でも、最初の動機としては十分です。
 そして、あなたが運動に参加すれば、あなたの友達も「あの子がいるならいけるかな」と思って参加してくれるようになります。輪がどんどん広がっていきます。自分一人が参加してもどうにもならない、なんて思わないでください。あなたが参加することで入口が確実に広がります。本当に、あなた一人が百人力を持っています。
 とにかく、社会運動は人数を必要とします。事務的な手続き、機材の手配、いろいろタスクはありますがそれ以上に、「こんなにたくさんの人が関心を持っているんだ、共鳴しているんだ」という、数による主張ができることが大きいです。人が沢山いれば、内側に人たちも「あ、この問題気になるの自分だけじゃなかったんだ」と安心することができます。

 だから、もし少しでも余力があれば、自分の関心のある問題について関わってみてください。あなた一人が、大きな意味を持っています。よろしくお願いします。

 雑なまとめで申し訳ありません。今から↓のデモに行くこともあり、めちゃくちゃ急いで執筆しました。よければこのデモにぜひきてください。

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