見出し画像

8月のイベントレポート

8月のホタルの会は、18日(水)と29日(日)の2回、活動イベントを実施しました。

梅雨は明けたものの連日の雨続きで、お空と相談しながら、沢周辺のお手入れを進めました。

活動の様子を報告いたします。

8月18日(水)階段作り

久しぶりに終日晴れという朝の天気予報が大きく外れ、集合時間前に一瞬だけ晴れ間が覗いたものの、開始時間から終了まで、ほとんど雨の中での作業となりました。

 森の樹々を傘代わりにして朝のチェックイン。

 今回は初参加の方が5人です。
 「今度は子どもを森に連れて来たい」と言ってくれてたYさんが、お子さまのお友だち家族を誘って来てくれました。小学生の女の子3人を含め、総勢10人。雨にも関わらず、久しぶりに二桁の多人数での開催となり、嬉しい限りです。

 と、沢の入り口まで来た所で、予想外の増水!
 こんなに水が流れてるのを初めて見ました。

 一昨年の令和元年東日本台風の時に出現した谷にも、滝の様に水が流れてました。こんな大雨の時に、少しずつ谷を削って深くして、沢を蘇らせようとしている自然の力を、濁った泥水から感じました。

 〝谷は掘れ!、山は盛れ!〟との原則の通り、自然は、その営みを続けています。

 その原則に反して、谷を埋めると一体どうなるのか、、、、?!
 連日のニュースで各地の土砂災害の様子が〝雨のせい〟にして報じられておりますが、その殆どの現場が、戦後の高度経済成長期に国の政策で全国各地の宅地造成が推進され、山を切り崩して谷を盛り土して埋めて来た場所で発生しているという事実は、何故か全く報じられておりません。(年寄りの苦言です、すみません!)

 深い所では水深が膝くらいありました。
 水の事故は、この程度の流れでも発生する可能性があります。救命具を着ていても、です。
 まして今回は小学四年生の女性3名の方は初参加で山には慣れてないため、沢伝いに登るのは断念しました。

 沢登りを変更して、山登り開始!
 去年通した道を進みます。

 途中、道の山側に貫通ドライバーを指してチェックしてみました。
 排水ではなく浸水のための溝を掘り、炭を入れ、落ち葉や枝や藁などの有機物を入れているので、一年経ってもフカフカして柔らかい状態です。
 斜面も崩れず安定し始めて、下草も育って来ており、良く観察すると、鳥が運んで来た種が芽吹いたのか、エノキなどの実生が伸び始めてます。

 ここ、恩方の森では、こうした〝森が元気になる道づくり〟が実践されてます。
 道を通すことも土中環境の改善につながり、自然の力で、道や斜面、山の地形が長期に渡り安定してゆくんです。

 逆に、浸水ではなく排水するとどうなるか?
 崩れないようコンクリートで固めるとどうなるか?
 雨水は、大地が恵みとして受け止めず、地中に染み込まずに集められ、その先のコンクリート護岸された川は、周辺の開発に伴って増水し続けるでしょうし、斜面をコンクリートで塞がれ行き止まった地中の水は腐り、山を蝕んでゆくのだと思います。(たびたび年寄りの苦言です、すみません!)

 ほんのひと時、雨が止んでくれたので、少し早めのランチタイムにしました♪
 この時だけは、青空も顔を見せてくれました!

 森の中でテレワークを始めたYさんです。
 以前、「ホタルの会の活動日と、1時間位のテレワークが重なってしまう」との相談を受け、「それなら森でテレワークしちゃえば?!」ということで、今回初めて実現しました!
 部屋に閉じこもってのテレワークより健康的だし、それより何より、森の中だと意外と斬新なアイディアが何故かどんどん湧いて来る!
 同様の事情がある方、ホタルの会ではいつでも歓迎です!

 上の道から今日の造作を予定してる場所へ、ほぼ直滑降で山下りしました。
 ここはちょうど、6月に〝麗しき森ガール5人組〟で沢から上の作業道まで足掛かりをつくって繋いだところです。
 (その時の森ガールの活躍ぶりは、6月のイベントレポートを是非ご覧ください!)

 かなり急ではありましたが、安全に降りることが出来ました。

 ↑ 本日のビフォー。

 今降りて来た対岸、3ヶ月前に足掛かりをつくって上の作業道まで通した所です。
 この辺りの斜面は砂利混じりでパラパラしてて、表面は崩れやすいけど少し掘ると固くて、かなり入りづらい場所。

 それでも足掛かりは崩れずにちゃんと残っていました。しかも固かった土が柔らかくなり始めてて、小さな草が出て来てます。
 今日はここに、階段をつくります。

 毎回思うのですが、誰が何をするというのを決めないで、皆んなやりたいこと好きなことをやり始めると、何故か不思議と役割分担が自然に生まれて来る。しかもこういう時のチームワークって、ホント強いなー、って思います。

 子どもたち(写真右の3人)も早速、炭といっしょに入れる有機物を探し始めました。
 沢のあちこちに流れついて来た小枝をみつけ、集めるのを〝作業〟ではなく〝遊び〟に変えて楽しんでるようです。
 炭が好きでやって来る〝菌糸のごはん〟集めと、沢の詰まりに繋がりそうな小枝除去の一石二鳥!!
 子どもたちはたのしみをみつけるのがとっても得意、、遊びの天才ですね。

 階段づくりに必要な材料を、たくさん集めて来てくれました!

 足掛かりを少し広げて、

 炭を置き、

 杭を打って、

 短く切った枯れ木を運んで来て、

 集めた枝や落ち葉を使いながら、一段一段、上に登っていきます。

 子どもたちも大活躍!

 かけや初体験!

 少しずつ階段が伸びていきます。

 朝の濁流も水位が下がり、すっきり澄み始めて来ました。

 ↑ 本日のアフター。

 この階段の先が、どんな風に変わってゆくのか、今からとっても楽しみです。
 〝ホタルを楽しむ遊歩道入り口〟になるといいなぁ〜!!

   ♡   ♡   ♡

参加された方々の声

♡ Mis.Tさん(女性)

「山から谷に降りるのが急で大変だったけど、命がけみたいな気がして面白かった。
 谷から山に登る階段づくりも面白かった」

♡ Mit.Tさん(女性)

「川の近くに、時間かけて階段つくったのが楽しかった」

♡ M.Tさん(女性)

「山の中での作業は初めての経験で、出来るかどうか心配だったけど、教えて貰いながら楽しくやれて、終わる頃には〝自分の山〟みたいな感じになりました。
 ここが、ホタルが飛ぶ〝生きた森〟になるといいなあー」

♡ A.Hさん(女性)

「今日はアクシデントいっぱいの一日でした。
 この森での、いつもと逆パターンで晴れの天気予報が外れて一日雨!、今度は晴れた森で皆んなと会えたら嬉しいです」

♡ R.Aさん(女性)

「上の道から沢まで下りていく山下りが、一番楽しかったです!」

♡ Y.Aさん(女性)

「子どもと一緒に皆んなで来ることが出来て良かったです。
 雨が予想外でしたが、また来たいです」

♡ R.Mさん(女性)

「初めて来ましたが、あんな急斜面もあるんだとビックリしました。階段を実際に自分で作れて楽しかったです。
 これからも続けてやっていきたいです」

♤ Y.Mさん(男性)

「大雨が降ったのが、逆に楽しかった。
 森の中の〝雨の表情〟なんて、滅多に見ることが出来ないから、貴重な体験をすることが出来た。
 普段は見られない水の流れをしっかり見ることが出来た。
 雨の日の特権!、、また来たいです」

♡ K.Nさん(女性)

「天気予報にはなかった、午前中の雨☔は、自然の厳しさをまざまざと体感させてくれました。急な事態で土や木に触れることもなく、何のお手伝いもできず早退したのですが、あっちゃんが寄り添って下さり、とても心強かったです。感謝です。ありがとうございました。
 小学生のお嬢さん方は雨の中でも気持ちが萎えたりせず、素晴らしかったです。
 ぜひリベンジに行きますから。」

8月29日(日)しがらみ造作、階段作り

前回に続いてこの日も終日晴れ&熱中症注意という朝の天気予報が大きく外れ、終日うす曇りの空の下で、暑過ぎず寒くもない、過ごしやすい気候の中での作業になりました。

 今回の参加者は14人、過去最多の多人数となりました。
 ホタルの会の活動内容に賛同して知り合いに声をかけていただいたり、忙しい日常の中で都合を調整して合わせていただいたり、森を通じての様々な繋がりが広がって、大感謝です。

 今回は初参加の方を二人お迎えし、〝もののけ広場〟で朝のチェックイン。

 沢の入り口では、ニホンアマガエルさんが笑顔で出迎えてくれました。

 生きものに詳しい参加者のIさん(私の師匠です)から、アマガエルの生態や、類似してるシュレーゲルアオガエルとの見分け方などもレクチャーして頂きました。

 それにしても、キャワイイーっ!!

 今日は、静岡県の竹林整備の発生材を利用して作ったという竹炭を、会員のYさんにお願いして調達して来ていただきました。
 小分けにして、皆んなで手分けして運びます。

 10日ほど前は膝まであった水は、もう無くなっていました。

 本日の作業場所に到着。

 前回つくった階段の上から、横にトラバースしながら、上流の方へ向かって人が歩ける道を通します。

 トラバースする道は、山側を垂直にしっかりと深めに切り、皆んなで手分けして炭や落ち葉、小枝などを入れながら進んで行きます。

 8月はかなりの雨が降ったにも関わらず、少し掘るとカラカラに乾いた土が出て来ます。
 腐葉土の層は無く、下草も殆どありません。
 恵みの雨を大地が受け止めていないんです。

 谷側が急で、特に崩れやすい所では、併せて〝しがらみ〟をつくります。

 こんな作業の時には電動鋸が便利!
 その場にある太めの枝で杭を作り、

 打ち込んで、

 地形に合わせて登り降りの階段もつくりながら進みます。

 子どもたちも杭打ちが楽しそう!

 本当は〝焼き杭〟の方が効果は高いのですが、それでも杭は、ただ打ち込むだけでも土中の水と空気の上下の通り道となり、環境が改善されるきっかけになるんです。
 まるで、鍼灸師の方が人間の身体に鍼を打ち、気血の流れを良くするみたいだなと、いつも思います。

 ひと汗かいた所でランチタイム♪

 沢を渡る風が気持ち良いひと時です。

 子どもたちが、わずかに残ってる水の流れを繋ぎ始めました。

 堰き止めてる石をどけると、水が流れ始めます。これが楽しい!
 大人でもハマってしまうと、一日中やってても飽きません!

 動き出した水も、きっと同じくらいに喜んでますよー!!

 こちらのお二人は、目的地点から逆に進めております。

 両側から進めて、上手く出会えたら開通です!

 ↑ 本日のアフター。

 写真の左奥まで、道が繋がりました!!

参加された方々の声

♡ A.Kさん(女性)

「久しぶりの参加で、以前との沢の様子の違いが良くわかりました。5、6回目ですが、水が流れてる場所の、あの感じは初めてで、今までやって来たことの効果を感じることが出来ました。空気の感じが変わってて、風の流れを感じました」

♡ M.Hさん(女性)

「今日の場所は〝やった感〟があった。あまりにも道が出来て来て、1日でこんなにも変わるのか、と新鮮な驚きがあった」

♤ R.Wさん(男性)

「初めての経験で思ってたより身体に負荷があり、汗が2リットルくらい出ました!
 その分、気持ち良かったです。
 是非また来ます」

♡ A.Hさん(女性)

「子どもたちが喜んで沢の手入れ=遊びを出来たのが良かったです。
 山に新しいルートが出来て、森も喜んでると思います」

♡ R.Mさん(女性)

「2回目の参加ですが、前回、大雨の中で作った5、6段の先の道が、今日はすごい伸びて嬉しかったです」

♤ W.Mさん(男性)

「作業の予定を聞いて、最初は1日じゃ絶対無理だと思いましたが、完成したので驚きました」

♤ Y.Mさん(男性)

「何回目かの参加で慣れて来て、難易度高めのことが出来るようになって来ました。人に教えたりも出来て、自分のレベルアップを感じました」

♤ T.Uさん(男性)

「こうした活動は初めての経験。コンクリートがない場所に入ったことも生まれて初めてで、色んなことを知ることが出来ました。何も手入れされてない山に入る時のワンステップ目を体験出来たのも良かったです。何でも機械でというのではなく、人の力の必要性を感じました。」

♡ K.Tさん(女性)

「今回もしがらみ作りをしました。
 シャベルで土を掘ると、土の匂いがして、癒されます。
 また、そこに住む虫たちも顔を出します。
 “もっともっと山が息を吹き返して、さらに住みやすい山になるからね”と、心の中で話かけながら、作業をしていました。

 子どもたちも、水の流れをよくしようと一緒懸命に作業していました。

 やはりみんなで力を合わせて、少しずつ完成していくと嬉しさもひとしおです。
 子どもたちの心にも自然と関わることで、自然の大切さが心に響いていると思います。

 今後このしがらみがどのように変わっていくのか、山に根付いていくのかをとても楽しみにしています。ありがとうございました!」

 参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。

 ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方、是非一度、森に来てくださいネ!!

次回の予定

◎ 9月のイベントは9/15(水)と、9/25(土)を予定しております。

 10月以降のイベントは日程が決まり次第、告知します。

 一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

 『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

緑の募金シンボルマーク_文字緑

 さらに2021年4月からは、一般財団法人 セブンーイレブン記念財団様の〝2021年度環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

691kbベーシックロゴ1行

#高尾
#ホタルを飛ばす会
#恩方の森
#枯れ沢復活
#森の部活動
#森と沢のお手入れ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?