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5月の活動レポート

第15回(5/14)簡易作業道作り

雨上がりの金曜日、恩方の森はすっきりと晴れ渡り、気持ちのいい空気で出迎えてくれました。

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 梅雨入り間近、道端に群生したアザミはもうすぐ満開!

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 今月の予定は沢の周辺斜面での簡易な作業道づくりです。

 結構な急斜面ですが、一歩一歩、足掛かりをつくりながら登っていきます。

 まずは、人がひとり、通れる道をつくる!

 このあたりは林床がだいぶ荒れていて崩れやすく、土地の力が弱っていますが、少しでも土地が良くなるように、ちゃんと土地を観察しながら、道をつけてこうと思います。

 山は、自分が歩いただけで、

 『一日歩けば、一日良くなる』

 と、昔から言われているのだそうです。

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 沢から山への第一歩。

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 今日は会員の〝みどりん〟と二人での共同作業。

 先行してシャベルで段切りして登った足掛かりの一つひとつに、溝を深くして炭と落葉を入れながら、後に続いていきます。

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 斜面を登ってく途中で、去年の春先に植栽したモミジの苗木が元気に育ってました。

 地球守の髙田さんの所から購入させていただいた〝コナラ&モミジ〟の混植ポットでしたが、コナラの方は土に還ってしまったようです。

 千葉県から20ポットをひとり両手に抱えて電車で運んで来て、3月開催の〝苗木植栽イベント〟をめちゃ楽しみにしていたもののコロナ禍で自粛やむなくなり、単身一日がかりで森のあちこちに植えた思い入れの強い苗だったのだけど、、、、。

 だけど、先月26日に、髙田さんが主宰してるNPO法人地球守さんの『千葉市昭和の森・四季の道 森の再生作業』に、地拵え作業のボランティアとして参加して来て、その時の高田さんの言葉で救われました。

 「ボクらが植えた苗木は、消えていってもいい。他の、もっと実生の良いものが、しっかり出て来たら、そしたら、場合によっては切っちゃっても良いんです。切ってまた活かせばいい。
 とにかく目的は、〝ここが自立した森になる〟ということ」

 森は、地面の中の空洞が大事。状態が悪いとドングリも芽吹かない。この辺りは実生も見かけないので、まだ、ドングリが芽を出せる状態まで土地が回復してなかったのかもしれません。
 それでも、枯れた苗木の根があった所は朽ちて空洞になり、その穴にはすぐにまた菌糸がやってきて新たな根と繋がり、次の世代が育っていくんです。

 沢から少し登った所からの景色。

 写真の赤いリボンは苗木を植栽した目印。
 この場所のモミジ&コナラは、どちらも生き延びています。

 将来の、美しい渓流の眺めと、せせらぎの音に思いを馳せました!

 枯れて倒れてる木は、地面に寝かせ、トラバースする道に利用します。

 ここでも、山側には垂直に段を切って炭と落ち葉を入れ、地中の水と空気が呼吸するのを手助けしながら進みます。

 だいぶ歩きやすい道ができました。
 このあたりのアナグマさんやイノシシさんもこの道を使ってくれるかな、、?!

 道づくりにも慣れて来て、道沿いの改善をする余裕も出て来ました♪

 土砂と共に落葉も雨で崩れて流れ出してしまいそうな所が、観察すると不思議と良く見えて来るんです。
 気づいたら放っておけない!、、そんな所にはピンポイントで小さな穴を掘り、炭&落ち葉を入れておきます。

 かなり登って来て、足元の土の感触が、なんかイイ感じ♡に変わって来たなーと思ったら、土の中から菌糸が出て来ました。

 嬉しい!
 感謝しながら、落ち葉を被せました。

 ↑自然に出来た、いや、自然がつくった見事な〝しがらみ〟を見つけました、、、、美し過ぎます。

 そしてついに、コナラの実生を発見!!

 今日の目的地まで、もうすぐの予感。

 上の道の、目的地にしていた休憩所にドンピシャで出て来た所で、偶然にも木こりのてっちゃんに遭遇!

 道なき道を、途中で右に行くか左に進むべきか?、迷いそうになりながらも上を目指して登って来たので、人に会えることの嬉しさもひとしお!
 本日のイベントの集合写真を撮ってもらいました。

※ 『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、国土緑化推進機構と、一般財団法人 セブンーイレブン記念財団の助成を受けて活動しています。

 毎回ですが、身体を動かした後に森で食べるお昼ご飯は至高のひと時です。

 本日のアフター↑

 沢で見かけた初めて見るチョウ、、、、と思ったら、ガの仲間でした。

 シャクガの仲間でシロオビクロナミシャク。
 調べてみたら〝山地の渓流沿いなど、湿った場所に多い〟と説明があり、「これは沢が復活する前兆なのでは?」と、勝手な憶測で嬉しく思いました。

 今日登った更に上の、新しく作業道を作っている所を見に行きました。
 土地に負荷をかけず、道幅は2.5m以内に抑えて、環境改善に繋がる道づくりをしている現場です。
 山側は垂直に切られ、その下に掘られた溝には炭と枝葉が入れられています。
 雨水を排水ではなく浸水させ、土中の通気浸透を促進させることで、森の中の道は山側と谷側を分断せずに地下で生きものたちの営みを繋いでいます。

 素敵な道づくりをしているこの森の木こりさん2人と一緒に記念写真。

 この森を管理してる三木社長こと〝ずーやん〟(写真左側)は、今後のホタルの会の活動で、土中環境改善の講師として招聘させていただく予定です。

 〝道の有り難さ〟を感じながら、山を降りました!

第16回(5/23) 森の観察、しがらみ造作

 23日は、初参加の方と2回目の方、総勢3名で沢に入りました。
 土中環境改善の講師として、木こりのずーやんも来てくれました。

 まずは、沢に繋がる山の地形を見てまわろうと、ずっと上の尾根まで登ることにしました。

 2年前に通した道の脇を観察中。
 苔が生え、木々の芽も出て来ています。

 この穴は地面の呼吸口。
 要所要所に、道を作りながら掘られています。
 掘った穴の中には炭や枝などを入れたり、中で火を焚いたりすることで、菌糸の働きを助けます。

 途中、滅多にないことですが、山歩きが趣味という方に道を尋ねられました。
 市内の峠を回って歩くのが趣味で、各所を回り、あと2つで、八王子市内の全ての峠を制覇出来るとのこと。

 地図を出されて、今ここの別れ道を過ぎた所だと思うんですがと言われても、いや、その道は去年作ったばかりの新しい道。〝小津峠〟ってのも聞いたことない!

 ともあれ旅は道づれ世は情け、上まで同行することにしました。

 登り切った所で壊れた看板を発見!

 割れて落ちてた破片を見つけて応急で繋いだら、確かに、小津峠324mと書いてありました。
 ここから先は未だ手を入れていない森です。
 この方の持ってる古い地図では確かにハッキリと道があって、陣馬街道の力石まで繋がっていますが、、、、。
(一体いつの時代の地図なんだー?!)
 どうぞお気をつけて!、、私たちは尾根筋に向かいました。

 左は手付かず、右は手を入れた森です。
 尾根の辺りでも、枯損木があちこちに見られます。
 一番下の沢で、呼吸不全を起こして痛み始めた土の中の状態が、徐々に上へ上へと進み、数十年かけて、こんな山のてっぺんまで土地を蝕んでしまったのでしょうか、、。

 枯れて倒れた木々たちと、下草が生えていない林床の様子です。

 試しにドライバーを刺してみると、土が固くなってるのが分かります。

 今週はずっと雨の日が続いていたのに、地表からたった1cm下の土はカラカラに乾いていました。

 移植ごてで小さな穴を掘り、落葉を入れます。

 ささやかだけど、森が、自分で再生する力を高めるためのお手伝い、、、、積み重なれば、やがて自然は応えてくれると、未来への希望を信じて、コツコツと!

 尾根から下へは、手入れされたばかりの斜面を降りました。

 数年前に作られた道に降りると、小さな緑の芽吹きに混じって、可愛らしいキノコが顔を出していました。
 地面の中が生きてる証です。

 人が手を入れて年数が経った森では、下草も育ち、生きものの多様性も豊かになっています。
 Y君が何かを発見した様子、

 羽アリの仲間のようです。
 飛び立ってく姿が、逆光で見ると幻想的で、まるで地面から空へ向かって、ハラハラと雪が舞い上がってゆくような美しさでした。

 下草が復活している地面にドライバーを当ててみると、柔らかく、てスルスルと飲み込まれるように深くまで軽く入っていきました。

 こうした場所では、将来の大木になる木が、鳥が運んで来た種から芽吹き、そこかしこで育ち始めています。

 沢まで降りて来た所で、本日のビフォー。

 先にアフター。
 ↓

 まずは〝足掛かり〟をつくり、

 倒れている木を〝しがらみ〟をつくる長さで切って、

 斜面に段を切って〝座〟を作ったら山側に溝を掘って炭を入れ、枝を置いていきます。

 この時に、「どこにつくれば良いのか?」を決めるのが、実はとても大事だけど難しい。
 講師の先生から、教えを受けながら造作を進めます。

 「地形を良く見て観察して感じること」

 「しがらみ道は奥が深い。考えずに、枝を持ったら勝手に手が動いて刺さってくようになるのを目指して頑張って!」

 等々、、。

 造作する時には、ちゃんと足場を切ります。
 それも、斜面を崩さないよう、土地を痛めないようにするためであると同時に、その足場もまた雨水の浸透口、水と空気の呼吸口になるからです。

 手つきも、身体の体勢の取り方も、だいぶ慣れて来たところで今日一日の造作を完了しました!

参加された方々の声 

♡ M.Hさん(女性)

 「参加できることが嬉しいし、森での作業は、ほんわかした空気に包まれて、他のものには変えることのできない、心地よいひと時です。今日は、お天気も最高だったし。

沢から、斜面の上のほうまで足がかりをつくりながら登り降りしたので、なんとなく全体像が見渡せて、その場所、その場所で、森の表情の違いや、空気感が変わるのも感じられて、とても興味深かったです!

ほどよい疲れで、今日はよく眠れそうです!」

♡ Y.Mさん(男性)

 「今回は2回目の参加ですが、前回学んだ〝しがらみ〟を自分の活動しているフィールドで実際につくってみて、その意味と役割をより深く理解することが出来ました。

今までやって来た、宮城県での森林再生活動と、新たに拠点をつくった静岡県のフィールドでも、しがらみづくりを広げていきたいです。

今日は沢のずっと上の、尾根のあたりまで歩いて見て回ることもでき、とても楽しく過ごせました

1回目より2回目で、森での造作の仕方が自分でも進歩してるのを実感していて、3回目が今からとても楽しみです」

♡ A.Hさん(女性)

 「林業に携わって故郷の森を守り、地球環境を守って子どもたちまで繋げて行きたいと思ってはいるのですが、他人の山って勝手には入れなかったりするので、こういう機会があってとても助かりました。

急峻な山を、足がかりをつくりながら登ることも出来たし、いつもビデオでしか見られなかった森林内の作業道づくりの現場を、実際に自分の眼で見て雰囲気を実感することが出来たのが良かったです。

沢の中では所々、水が流れていて、その地下には水脈があるのも分かり、ホントに水の流れが戻ったら良いなと、将来への希望が持てました」

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 参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。

 ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方、是非一度、森に来てくださいネ!!

次回の予定

◎ 6月のイベントはは6/2(水)と、6/26(土)を予定しております。

 7月以降のイベントは日程が決まり次第、告知します。

 一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

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 『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

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 さらに2021年4月からは、一般財団法人 セブンーイレブン記念財団様の〝2021年度環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

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