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【GWのお供に】長期休みでしか消化できない個人的おすすめコンテンツ紹介

はじめに

 さて、世間はゴールデンウィークである。同年代の大学生は割と時間があるのではないだろうか(お仕事の方はお疲れ様です)。起きたらなんとなくTwitterを巡回し、ネットに転がる動画を見たり面白記事を読んでいたりしているうちに一日が終わったりしていないだろうか。今日の記事は主に暇を持て余している学生を対象に、「どうせやることないならこういう骨太コンテンツでも摂取したらどう?」という提案である。今回は「漫画」「アニメ」「ゲーム」の3項目から1つずつ紹介していくので、どれか1つくらいならイイ感じに摂取できると思う。

1.漫画部門「からくりサーカス」

主人公の鳴海と勝、そしてヒロインのしろがねを軸に物語は展開する。この画像はアニメ版のビジュアルだが、アニメ版ではかなりの部分を端折っているのでぜひ漫画版を読んでほしい。

 さて、最初に紹介するのは「からくりサーカス」。「うしおととら」や「双亡亭壊すべし」などの作品で知られる藤田和日郎(かずひろ)先生が週刊少年サンデーで連載していた漫画作品である。

<あらすじ>
小学5年生の才賀勝は、父親である大手家電メーカー"サイガ"社長・才賀貞義の死により180億円の遺産を相続したことをきっかけに異母兄弟から命を狙われる。逃亡の途中、勝は偶然出会った加藤鳴海、そして遺言に従って向かったサーカスで出会ったしろがねに助けられるが……

Wikipediaより(一部筆者により加筆修正)

 本作は主人公・加藤鳴海(なるみ)を中心とした「からくり」編と、もう一人の主人公・才賀勝(まさる)を中心とした「サーカス」編の2つのパートが交互に展開することで進行していく。正直、本作をちょっとずつ追うとこの「からくり」編と「サーカス」編の情報が混線して読むのが少し大変になるので、全43巻とかなりのボリュームではあるが、一気読みが一番面白く読める方法だと個人的には思う。
「からくりサーカス」をおススメする一番の理由は、その大河的なストーリーにある。物語中盤で語られるたった一つの因縁が、過去から現在にかけて、魅力的な数々の登場人物たちの人生を複雑に絡み合わせ、大きな一つの物語となって読者に提示される。そして、それらすべての因果が最終決戦に向かって収束していく流れは、読んでいてとても熱くなれる。

未読者はとりあえずこの見開きまで読んでほしい

 そして、本作では「誰かを愛する」ということも物語の大きなテーマになっている。私、蛍火くじらは純愛過激派なのだが、正直「君の言う純愛って結局何なの?」って言われたら「からくりサーカスを全巻読め!!」と返したいくらいにはこの漫画の純愛力は高い。
「友情・努力・勝利」を体現しているうえに、ストーリーの厚み・アクションの迫力・キャラのカッコよさ・美しさ……すべての項目がカンストしている圧倒的なスペックを備えた純正100%の少年漫画が「からくりサーカス」である。ぜひ。ぜひ。ぜひ。

2.アニメ部門「戦姫絶唱シンフォギア」

アニメ第1期のビジュアル。

 さて、次は「戦姫絶唱シンフォギア」である。なにを観ても「この部分実質シンフォギアだよね」とか言い出してしまう厄介な男(→蛍火くじら)を生み出した罪深いアニメである。アニメシリーズは全5期、計65話と中々視聴には気合がいる量だ。しかしながら、このアニメは視聴の継続を決めるための明確な分岐点があるため、とりあえず以下で述べる部分まで観てみてほしい。

「アニメ1期の12話まで観てハマらなかったら観なくてもOK」

正直このアニメが好きな人間としてそんな断言をしてもいいのかという気はするのだが、おそらく概ねこの感覚で視聴してもらってOKだ。ただし、マリア・調・切歌の3色団子組(三人の愛称。カラーが白・ピンク・緑のため)を目当てに見ようと思うのであれば、2期まで観る必要がある。
 さて、なぜこのアニメの視聴者厳選のタイミングが1期12話なのかという話をしよう。本作の脚本・シリーズ構成を担当する金子彰史氏の作風について、こんな評がある。

マンガ・アニメ・特撮、神話やオカルト、映画などをネタ元にしたパロディ・オマージュを盛り込んだ、遊び心満載の作風が持ち味。また独特のセンスで繰り広げられる、促音飛び交い熱血迸るようなセリフ回しが大きな特徴であり魅力。特に(趣味で)怪獣・ロボットに関してはとても力を入れている。

ニコニコ大百科より

 上記の通り、金子氏はどちらかといえばクセがすごい方の脚本家に入る。
「戦姫絶唱シンフォギア」でもそのクセは大いに発揮されているのだが、ここで面白いのが「作品世界はガッチガチに固めている」という点だ。実際にシンフォギアを観ていると、登場人物たちのセリフ、アクション、ちょっとした風景にさえ、緻密な設定が組まれていることが感じられる。ただ本作、そうした緻密な設定や作中用語に関する解説はほとんど登場しない。主人公たちが使う力の源である「フォニックゲイン」に至っては、公式サイトの用語集を見てもイマイチよくわからんのでみんな「なんかすごい力」くらいの認識でアニメを視聴するハメになる。

 そんな本作のクセの部分が最も強く発揮され、それでいてシリーズを通しても屈指の激熱シーンが登場するのが12話なのだ。もう本当にそのシーンはアツい。一番好きなアニメのシーンは何?と聞かれたら間違いなくそこと答える。ただ何でこうなったの?と聞かれるとなんかこうなったんだよ!!と答えることしかできないのも事実だ。

「細かいことはいいんだよ!!」の極致みたいなシーン

 興味を持った方はとりあえず、とりあえず12話まで観てほしい。合わなかったらまあしょうがない。シンフォギアは視聴者の3分の1がドハマりし、3分の1が拍手し、残りが首を傾げるアニメなので……


3.ゲーム部門「アークライズファンタジア」

知らない?まあそうよね……

「マジで何コレ!?知らん!!」と思ったそこのあなた!正常なリアクションです。俺もこれ知ってる知り合いに会ったことがない。
「アークライズファンタジア」はイメージエポック開発、マーベラスエンターテイメント(現マーベラス)販売のRPGゲームである。
本作の魅力を語るにはそれだけで1記事書く必要があるのだが、なんとか3つに絞って挙げるなら、「ゲーム性」「シナリオ」「声優」の3点だろう。
正直、グラフィックや新規性という点では本作の翌年に登場した「ゼノブレイド」などには及ばない。しかし、まず「ゲーム性」において、伝統的なターン制のバトルシステムを採用したRPGとして、これほど完成度の高い作品は本作以降もあまり出ていないのではないと思う。戦闘の難易度が「レベルのゴリ押しだけではなかなか勝てない」という絶妙な塩梅で、強敵を工夫して倒すというRPG本来の魅力が詰まった戦闘が楽しめる。
続いてシナリオだが、ここで併せて作品周りのスタッフを紹介しよう。

メインキャラクターデザインは「交響詩篇エウレカセブン」の吉田健一。
シナリオは「テイルズオブシンフォニア」「テイルズオブジアビス」の実弥島巧。
サウンドプロデューサー&コンポーザーは「クロノ・トリガー」の光田康典が参加している。

ニコニコ大百科より

 とりあえずこの「全力で面白いRPGを作ってやるぜ!!」というスタッフ陣の気合の入り方を感じてほしい。実際、本作ではこのガチスタッフたちの特性がバチバチに噛み合っており、作品全体を通して非常に高いクオリティの作品世界を楽しむことができる。
 
特に、実弥島巧の描いた濃厚なシナリオは現代を生きる我々に非常に良く刺さるものになっている。「人間はどう選択するべきか?」「仮に人間よりも優れた知能が存在したとして、その知能に選択を委ねるべきなのか?」AI発達真っ只中のこの時代にこそ読んでほしいシナリオだ。余談だがすっごい強力な負けヒロインが出てくるので負けヒロイン研究会員はぜひ。

先頭から、ラルク、(2列目)リフィア、セシル、アルス、(3列目)ニコル、サージュ、レスリー、オイゲン、アデール。

 そして「声優」陣の豪華さも必見だ。主人公・ラルクの声を中村悠一、ヒロイン・リフィアの声を牧野由依が演じている。ちなみにこのリフィア、作中では「歌を用いた術を使う」という設定がある。完全に歌唱力でキャスティングしている。ほかにも、操作キャラクターに石田彰、小西克幸、加藤英美里、羽多野渉、戸松遥、浅野真澄と今集めたらいくらするんだよというメンツが固まっている。また、メインキャラクターの中には故・藤原啓治さんが演じるオイゲンというキャラクターがいるのだが、このオイゲン、俺が知る限りで一番カッコいい藤原啓治なのでこのキャラだけで元が取れる。しかもそのうえフルボイスで、ゲームの合間にちょっとだけ挟まれる軽口のような掛け合いにもすべてボイスが付いている。
 そんな隠れた名作の「アークライズファンタジア」だが、残念なことにWiiハードでしか遊ぶことができない。つまり、今のところはWii・WiiUのどちらかを用意して遊んでいただくしかない。ただ、その手間をかけた分の面白さは確実に保証できる。今調べたらAmazonでポチっても1000円くらいでソフトは買えるらしいので、自宅にまだハードが眠っている方はぜひプレイしてみてほしい。

おわりに

 いかがだっただろうか。どれか一つでも興味を持ってくれれば、そして、たとえこのゴールデンウィークでなくても、いつか時間ができたとき、なにもしたくなくなったとき、全部投げ出して何かを読みたくなったとき……そんなときにこのnoteが役立てば幸いだ。

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