熊出没注意!
タイトル画像は2017年に中央本線笹子駅(山梨県大月市)近くで撮影したもの。最近は、深い山を背負っていればこういう注意書きをよく見かける。
昔は、近県の山里を歩いても、ほとんどこんな注意書きは見たことがなかったのだが。
かつての熊は人を恐れ、人里には近づかなかったのだろうが、天候不順などで山の中で十分な食料を得られなくなり、人里に降りてくるようになったのだろう。うっかり人間の出した残飯の味を覚えてしまったりすると、頻繁に人里に現れるようになってしまう。
ふつうは人間の姿を見れば逃げるのだが、出会いがしらなどで会ってしまうと、熊はビックリして人を襲う。そして、そこで人間は自分より弱いと知ってしまうと、大変なことになる。あえて人間を襲うようになってしまうという。
山慣れした猛者が熊に出くわして、投げ飛ばして難を逃れたなどという武勇伝も聞くが、それは本州に棲むツキノワグマは比較的小さいからそんなことが可能なのだろう。
今、北海道の標茶町の辺りで話題になっているのがOSO18と名付けられたクマ。このクマが放牧中の牛を頻繁に襲っているという。北海道に生息するクマはツキノワグマよりはるかに大きいヒグマ。ヒグマを投げとばして難を逃れたなんてことは絶対にありえない。襲われたら最後、覚悟したほうがいい。
このOSO18というヒグマは巨大で賢く、追いかけるハンターの目をかいくぐっていまだ牛を何頭も襲い続けているという。
巨大なだけに脳みそもでかくて賢いのだろうか?
ここで怖いのは、もし人間を一人でも襲ったら…。そういう状況になってしまったら、このヒグマは更に何人もの人間を襲うようになると思われる。
思い浮かぶのは大正時代の話だが、北海道の苫前町で起きた「三毛別羆事件」。内容はウィキペディアで調べるといいかもしれない。下手なホラー小説を読むより怖い。
だから、このOSO18も気の毒だが、人を襲う前に何とか仕留めるなり捕獲なりしないと大変なことになる可能性がある。
以前は山歩きもそこそこやったが、熊に出会ったことはない。出会いたくはないが、遠くからなら見て見たいという気持ちはある。
以前、北アの爺ヶ岳にある種池山荘に泊った時、小屋番の人から聞いた話。
朝、ある登山客が小屋を後に針ノ木岳の方へ向かって元気よく出かけたのだが、一時間ほどしてその登山客は血だらけで小屋に駆け込んできたという。クマに襲われたのだった。
熊には出会わない方がいい。
でも、ちょっと見てみたい…という恐いもの見たさ。
でも、それが命取りになるかもしれない。
おわり