デモンスミスユベル
1. 戦績とデッキレシピ
第21回こまちCS優勝(7-0)
予選
先攻 60融合GS 〇×〇
先攻 HERO 〇×〇
先攻 炎王スネークアイ 〇〇
先攻 デモンスミスユベル 〇
先攻 デモンスミスユベル 〇×〇
トナメ
先攻 覇王幻奏 ×〇〇
先攻 デモンスミスR-ACE 〇〇
後攻 デモンスミスキマイラ ×〇〇
第22回こまちCS準優勝(5-2)
予選
先攻 デモンスミスユベル 〇×〇
後攻 粛声 ×〇〇
後攻 デモンスミスユベル ×〇×
先攻 デモンスミススネークアイ 〇〇
トナメ
後攻 デモンスミスユベル ×〇〇
先攻 デモンスミスR-ACE ×〇〇
後攻 デモンスミスユベル ××
第23回こまちCSトナメ1落ち(4-2)
予選
先攻 白き森センチュリオン 〇〇
後攻 メメント ×〇〇
後攻 デモンスミスユベル ××
後攻 デモンスミスアザミナスネークアイ 〇×〇
後攻 ライゼオル ×〇〇
トナメ
先攻 メメント ××
私がデモンスミスユベルを使用するうえで意識していたことは、「メイン戦先攻の勝率を落とさずに、いかにサイド後後攻の勝率を上げるか?」です。結果として、過去3回のCSで先攻選択時のマッチ勝率は92%(11-1)と非常に高い水準を達成できました。また、後攻選択時でも、メイン戦は11%(1-8)で多くの試合を落としていますが、マッチ単位で見ると67%(6-3)と健闘できており、おおむねプラン通りの戦績を残すことができました。
2. 展開を細分化する
1枚初動の展開ルートについては他の人がたくさん公開しています。ただし、実戦で相手の妨害を受けずにルート通りに動けることはほとんどありません。
このnoteでは「このカード1枚でここまで行ける」のような具体的なルートではなく、複数の初動を合わせ引きした時や、相手の妨害を受けて展開が歪んでしまった時の考え方について紹介したいと思います。なお、デモンスミスユベルはEXのカード選択によって展開ルートが微妙に変わりますが、(アポロウーサ、アンヘルの採用、ディエスイレ、シーザーの不採用など)、このnoteでは、1章で紹介したデッキレシピのみを使用します。2章では展開解説の準備を行い、3章と4章で展開の解説を行います。
2.1. ユベルネームにタッチする
(1)スローンまたはロータスでスピリットss
(2)スピリット素引き
・解門→招来神→リンク、解門efスピリットコストスピリットss
・スクワーマー→アルミラss、スクワーマーefスピリットss
(3)デモンスミスギミックからベアト経由でユベルを落とす
・解門で蘇生
・キャスターで蘇生
・ヤマの墓地効果で蘇生
ユベルネームにタッチする方法をざっと書き出しました。番号が小さいほど理想的なスタートです。ユベルを墓地に落としてから蘇生するルートは、手札コストを消費するうえに妨害の当て所も明確なので(キャスターにヴェーラー)、できれば避けたいルートです。
当たり前ですが、まずユベルネームにタッチ出来ないとこのデッキは始まりません。初心者の方は、まずどうやってユベルネームにタッチするかから考えましょう。
2.2. ユベルネームの枚数管理
ユベルネームの枚数管理とは、言い換えれば、「何回ファントムssできるか」ということです。ロータス初動の場合を例に考えます。
ロータスefスピリットss、ペインセット
→ペインefスピリット破壊スクワーマーサーチ、ユベルss
→スクワーマーssユベル破壊、リッターss
このように展開したとします。ロータス、スピリット、スクワーマー、ユベル、リッターの5体にアクセスしました。スクワーマーとスピリットは展開に使用するため融合素材に使用できず、残ったのは3体だけです。つまり、ファントムは最大1回しかssできません。むしろ、最後のリッターssは不要でニビルカウントを進めるだけの悪手と言えるでしょう。
召喚神などの融合素材を素引きしている場合は、先ほどの3体に加えて、合計4体になるのでファントムを最大2回ss可能です。ファントム2体目をリンク素材として展開を伸ばしたい場合や、後述するダブルファントムのニビル泡影ケア、後攻時にユベルネームを並べて反射ダメージを取りたい時など、最大何回ファントムssできるかは重要な考え方です。
初手がスローン+ペイン+ユベルとします。とりあえずスローンから発動したところ、うららを被弾してしまいました。
ペインef手札のユベル破壊スクワーマーサーチ、リッターss
次にスクワーマーssしようと思いますが、リッターの破壊してスローン起動は必要でしょうか。
A. 必要です。いまアクセスできているのは、ユベル、スクワーマー、リッターの3体のみです。スクワーマーとユベルは展開に使用するため、残っているのはリッターのみです。この場合ファントムの素材が足りなくなるのでスクワーマーでリッターを破壊し、スローンでスピリットssすることでファントムの融合素材を揃えます。
2.3. リンク値2つからデモンスミス展開
12期が生んだ最強の出張モンスター。今更詳しい説明は不要でしょう。適当なモンスター2体を、以下に変換することができます。紅涙必要。
・セクエン+ラクリモーサ+デモンスミス
リンク値2つの場合は、セクエンを出すためにデモンスミスを蘇生してリンク素材にする必要があります。
補足しておきますが、リンク2のモンスターもリンク値1として扱います。
2.4. リンク値3つからデモンスミス展開
適当なモンスター3体を、以下いずれかに変換することができます。どちらも紅涙は使いません。
・セクエン+ラクリモーサ+ルリー+墓地デモンスミス(未使用)
・セクエン+ディエスイレ
リンク値3つの展開は、墓地デモンスミスを未使用の状態でキープできることが強いです。シャバラss後にデモンスミス追加でランク6を出せたり、ニビル被弾後に展開を伸ばしたりできます。
2.5. デモンスミスを引いたとき
デモンスミス1枚で以下の通り。いずれも紅涙は不要です。トラクまたはルリースタートの場合は、紅涙が必要です。
・セクエン+ラクリモーサ+デモンスミス
・ディエスイレ+ラクリモーサ
2.6. リンク値3つから破械展開
悪魔2体でヤマ→ヤマともう1体でリンク2(ラギア、ナンナ、キャスターなど)、とするとリンク2+墓地ヤマ+手札シャバラにすることができます。
場の悪魔(写真ではラギア)を、シャバラ+墓地の悪魔に変換できます。この動きの優秀なところは、キャスター(リンク素材にできない)や、リッター(Lv11使いにくい)をシャバラ(Lv6)の展開しやすいモンスターに変換できる点です。このヤマの墓地蘇生は非常に強力で、墓地からロータスssしてユベル展開、墓地から光悪魔ssしてデモンスミス展開、墓地からユベルssしてヴァルドラスなど、その時に応じて柔軟に展開できます。使わずにリソースとして残しておくと相手のワンキル防止にもなります。
2.7. 先ナンナか?先ヤマか?
初心者が最初につまづくポイントとして先にナンナssしてデモンスミス展開すべきか、先にヤマssして破械展開すべきか分からないという問題があります。この問題については、リンク値で判断すると解決できます。
2.4章のリンク値3つでデモンスミス展開をすると、セクエン+ラクリモーサ+ルリー+墓地デモンスミスが出力されます。すると、合計リンク値が4つに増え、うちリンク値3つでそのまま破械展開へつながります。
一方で、2.6章のリンク値3つで破械展開をすると、リンク2+墓地ヤマ+手札シャバラが出力され、合計リンク値自体は減りませんが盤面のリンク値は減ります。そのため、ここからデモンスミス展開につなげるためには、追加で何体かリンク値を供給する必要があります。例えば、招来神+ロータスなど初動が重なってモンスターがあふれそうな場合や、PSYフレームを自ターンに発動した場合などは、リンク値を減らす目的で破械展開をするのが良いでしょう。
ざっくりまとめると、リンク値を増やして手札誘発からの受けを良くしたい場合は先ナンナ、リンク値が余っているときは先ヤマと覚えておくと良いと思います。
2.8. ヴァルドラスの出し方
ヴァルドラスは、何でも無効+3000打点という優秀なスペックであるため、相手ターンの捲り札を弾いてくれたり、次の自ターンでライフを削れたり出来るため優先して場に出したいモンスターです。しかし、Lv10×2体の召喚条件は決して軽くはなく、素材にしたユベルはファントムの素材にできなくなるためリソースの残る出し方を覚えておく必要があります。
・2周目のスピリット+墓地ヤマ+手札シャバラ
・2周目のスピリット+解門でユベルss
ペインでスピリットを破壊して、スクワーマーサーチ、ユベルss、のような初動が多いと思いますが、これを「1周目」と呼び、この後スクワーマーで蘇生したスピリットを「2周目」と呼びます。
3. 先攻展開のやり方
3.1. スローン1枚
ここでようやくスローン1枚初動の解説です。2.1章~2.8章までを組み合わせるだけです。
まず、2.1章「ユベルネームにタッチする」ことを考えます。「①スローンまたはロータスでスピリットss」が良さそうです。
スローンefロータスサーチ
→ロータスnsefスピリットss、ペインセット
→ペインefスピリット破壊スクワーマーサーチ、ユベルss
スピリット破壊時にスローンでリッターssすべきか考えます。いま、ユベル+スクワーマーでリンク値は2つ、リッターをssすればリンク値は3になります。2.3章「リンク値2つ」でも、2.4章「リンク値3つ」どちらでも良いですがリンク値3つのほうが強い展開となりそうです。
ユベル+リッター+スクワーマーのリンク値3つでデモンスミス展開をしました。ファントムも忘れずにssしておきます。
すると、セクエン+ラクリモーサ+ルリーでリンク値3つが用意できました。2.6章「リンク値3つから破械展開」ができそうです。
展開終盤です。ここで、2.7章「ヴァルドラスの出し方」を思い出します。「2周目のスピリット+墓地ヤマ+手札シャバラ」が揃っています。
シャバラが場にいるとき悪魔縛りが付いているため、このままではヴァルドラスはssできません。ヤマの追加効果でシャバラを破壊してもいいですが、墓地に未使用のデモンスミスが残っているのでシーザーの素材にしましょう。
このデッキの目標盤面です。結界波や捲り札2連打でもしない限り崩せません。メイン戦でここまで展開できた時の勝率はほぼ100%です。(超融合+一滴で負けたことがあります。)
3.2. デモンスミス+コスト1
まず、「2.1. ユベルネームにタッチする」ことを考えます。「③デモンスミスギミックからベアト経由でユベルを落とす」に該当します。
デモンスミス1枚からセクエン+ラクリモーサ+デモンスミス(2.5.章)
→ベアトefロータス墓地へ
いま、場にはセクエン+ベアトのリンク値2しかありません。破械展開でロータスを蘇生するにはリンク値3が必要です。そのため、キャスターを使ってロータスを蘇生します。
ロータス蘇生後は、ペインでスピリットを破壊するいつもの展開。キャスター蘇生後は悪魔縛りが付くためヴァルドラスss出来ません。ユベル+スクワーマー+スクワーマーで蘇生したスピリットのリンク値3で破械展開。
手札シャバラefキャスター破壊シャバラss、ヤマefデモンスミスss
→シャバラ+デモンスミス=シーザーss
デモンスミスや招来神しか初動がないときはロータスの蘇生にキャスターを使用するため、展開の序盤で悪魔縛りが付いてしまいます。そのため、着地点としてファントム+ラギア+シーザーを狙うことが多いです。
3.3. 解門+ルリー+リッター
かなり変則的な手札を引き込みました、どう展開すれば良いでしょうか。考えることは同じです。まず、2.1章「ユベルネームにタッチする」ことを考えます。①にも②にも該当しないため、「③デモンスミスギミックからベアト経由でユベルを落とす」が良さそうです。ルリーnsから動いても良いですが、ルリーは解門のコストで捨ててss出来るため、そちらのほうがよさそうです。
解門からスタートします。招来神+召喚神でヤマss。破械展開にはリンク値3が必要ですので、あとリンク値1体で破械展開ができることを覚えておきます。また、ニビルを受けるため早めにファントムssしておきます。
→解門efルリーコスト召喚神ss、ルリーss
そのままデモンスミス展開でベアトssまで。
ベアトで落とすのはロータスorスピリットどちらでも構いません。次に以下のいずれかでロータスの蘇生を目指します。
・解門で蘇生
・キャスターで蘇生
・ヤマの墓地効果で蘇生
解門はルリーを捨てるために使用済み。キャスターでの蘇生は手札コストを要求しますが、残りの手札がうらら+墓穴なのでできれば使いたくない。そこで、ヤマの墓地効果での蘇生を狙います。ちょうど、初動の招来神+召喚神でヤマss済みです。セクエンが余っているので、先ほどリンク値が不足していた破械展開にリンク値1つを補います。
→手札シャバラefラギア破壊シャバラss、ヤマefロータスss、ラギアefデモンスミス回収
→ロータスefスピリットss、ペインセット
→ペインefスピリット破壊スクワーマーサーチ、ユベルss
ようやくユベルネームにタッチすることができました。
ベアト+スクワーマーは役割がないのでキャスターに変換。(サイド後にルンペル等を採用していればベアトを残してもよい。)
ラギアで回収したデモンスミスを捨ててトラクサーチ、そのまま自己ssしてシャバラとでシーザーss。
悪魔縛りを解除できたので、
墓地スクワーマーefスピリットss、ユベルとでヴァルドラスss。
キャスターefトラクコストラギアss
解門+ルリー+リッターという、一見すると下振れの手札でも十分すぎる妨害を作ることができました。
4. 手札誘発のケア
手札誘発ケアについては、打たれる誘発の種類と引いている貫通札によってアドリブで対応する場合がほとんどなので文章化するのが難しいです。今回は、3つ具体例を挙げてざっくりとした方針を説明しようと思います。
4.1. うららケア
スローン+デモンスミスという強力なカードを引き込むことができました。さて、どちらからプレイすべきでしょうか。
2.1章「ユベルネームにタッチする」の観点から考えます。スローンを先にプレイし、うららを打たれた場合、残ったデモンスミスでユベルネームにタッチしなければなりません。デモンスミスでユベルネームにタッチする場合、キャスターでロータスを蘇生するため、手札コストを1枚要求されます。一方で、スローンを通せた場合、手札コストは必要ありません。
すなわち、スローン+デモンスミスの場合は、デモンスミスにうららを打たせてから、本命のスローンを通しに行くのが最適と考えます。
ここで、デモンスミス(または、トラク)にうららを打ってくれるのか、という疑問がありますが、相手目線で考えてみましょう。デモンスミスにうららを打たなかった場合、次にうららを発動できるのはいつでしょうか。デモンスミスが通ると、セクエン+ラクリモーサ+デモンスミスまでは確定で通ります。ここでアポロウーサを出されてしまうと(私は入れていませんが)もううららを打つタイミングはありません。または、ベアトに行くとうららを発動できますが、ベアトの素材は1つ残ってしまうため、次ターンに墓地アドを稼がれてしまい、デモンスミスリソースも残ったままです。サイド後であれば、ルンペルを落とされると大変です。つまり、初手のデモンスミスに対してうららを打たざるを得ないと考えます。実際の対戦でも、デモンスミス初動にしぶしぶうららを吐き出すプレイヤーが多いように感じました。
デモンスミススタート場合、ドロールを重く受けてしまいますが、
スローンefスピリット破壊、ユベルss
(通常召喚できる手札誘発等あれば)リンク値2つからデモンスミス展開+ファントムとなるので最低限の妨害は用意できそうです。
4.2. ヴェーラー、泡影ケア
初動の召喚権に、じんかけヴェーラーする人がたまにいますが正しい判断でしょうか。
結論を先に書きます。
(1)招来神初動には打て
(2)解門初動はセクエンかベアトまで待て
(3)ロータス初動はスピリットに打て
手札誘発が1枚しかない場合です。複数ある時はその都度考える。
(1)招来神初動の場合は、解門をサーチされてしまうとその時点でリンク値が3つ揃ってしまうため、デモンスミス展開が確定してしまいます。
招来神へのヴェーラーの裏目は、解門(3枚)、シャバラ(1枚)、デモンスミス(3枚)、トラク(1~2枚)の最大9枚です。招来神しか無いときはデモンスミス展開するしかないのですが、招来神にヴェーラーを打ったが、単純にデモンスミスを素引きされていることが主な裏目となります。
招来神にヴェーラーを打たず、セクエンやベアトに打つ選択肢もありそうですが、ロータス(3枚)、スローン(3枚)、テラフォ(1枚)、スピリット(2枚)、ペイン(1枚)の計10枚が裏目です。招来神にヴェーラーを打たず解門をサーチされてしまった場合、ロータスの追加召喚や、解門でスピリット捨ててそのまま蘇生などが裏目となります。この場合、ファントム成立後にデモンスミス展開が通されるという最悪の事態が発生します。
裏目の枚数差自体は誤差程度ですが、解門をサーチされてしまうと、その後の誘発受けの強度が非常に高まるので解門のサーチを止めるのが無難です。
(2)解門初動の場合は、直後の招来神にヴェーラーは絶対に打ってはいけません。招来神+解門の蘇生のリンク値2つでデモンスミス展開が確定しています。セクエンかベアトが唯一止まるポイントです。
なお、解門+貫通札の場合、ヴェーラー1枚はどこに打っても意味が無いので貫通札は持たれていないと読みましょう。
(3)ロータス初動にヴェーラーの裏目は、デモンスミス(3枚)、スクワーマー(1枚)、スローン(3枚)、テラフォ(1枚)、解門(3枚)、トラク(1~2枚)の最大13枚です。適当なモンスターを追加してキャスターss。キャスターでロータスつり上げで貫通できます。13枚の貫通札を引かれていないことに賭けてじんかけヴェーラーするのはあまりにも無謀です。
私のオススメポイントはスピリットへのヴェーラーです。ペインへのアクセスを断つことでユベルへの攻撃誘導がなくなり、スクワーマー(リンク値2つ分)を失います。さらに、スピリットをペインで破壊、ユベルをスクワーマーで破壊という一連の動きが止まるのでユベルネームが枯渇します。結果的に、ファントムは出せたけどリソースを残せていない状況を強いることができます。
4.3. ニビル+泡影ケア
ニビル+泡影を1枚ずつ打たれる分にはケアは容易ですが、展開終盤にまとめ打ちされるのは被害が大きくケアも難しいです。
被害が大きい事例として、3.1章スローン1枚展開を挙げます。このルートは展開の終盤にファントム+ラギア+シャバラ+デモンスミス(シーザーの素材)+ユベル+スピリット(ヴァルドラスの素材)となります。このタイミングでニビル+泡影をまとめ打ちされると場が崩壊します。
ケア方法は大きく2つあります。
・ファントムを2体出す
・セクエン使用前にヴァルドラス
1つ目は容易に想像できるでしょう。序盤にファントムを2体出し、この2体を維持したまま展開するだけです。1体が泡影によって無効化されても、もう1体のファントムでニビルを止めればよいという脳筋的発想です。解門が展開に絡む場合は、招来神+ユベル、召喚神+リッターで簡単にダブルファントムを用意できます。
ただし、私はダブルファントム戦法を好みません。なぜならば、EXに2枚しか入っていないファントムを、見えてもいないニビル+泡影のためだけに消費するのは非常にもったいなく感じるからです。
2つ目のセクエン使用前のヴァルドラスについて説明します。
こちらの初手は解門+ロータス、相手の手札誘発はニビル+泡影とします。
解門ef招来神サーチ
→招来神ef解門サーチ(招来神に泡影を打たれた場合はアルミラssから解門でロータスssで貫通)
→ロータスns(ロータスに泡影を打たれても同様にアルミラ解門)
→ロータスefスピリットss、ペインセット(スピリットに泡影を打たれても、招来神+スピリット+解門のリンク値3で、ファントム+デモンスミス展開可能)
→ペインefスピリット破壊スクワーマーサーチ、ユベルss
→スクワーマーefssユベル破壊、リッターss(ここでニビルを打たれても、泡影は打てなくなり、ニビルトークン+解門+墓地スクワーマーのリンク値3でファントム+デモンスミス展開可能)
→リッター+招来神=ヤマss、シャバラサーチ(ファントムが確定しているため、ヤマに泡影を打つとニビルは通らない。ここまでくるとニビル泡影まとめ打ちしか無くなる。)
→リッター+招来神=ファントムss
→ヤマ+スクワーマー=ナンナss(ここでニビル泡影まとめ打ちしてもスクワーマーでスピリット蘇生、シャバラでスピリット破壊、ヤマでナンナ蘇生でリカバリー)
→ナンナ→レクイエム→紅涙efデモンスミス落とし
→解門ef解門コストスピリットss、解門ef解門回収
→スクワーマーefユベル蘇生
ヴァルドラスにリーチがかかりました。ニビル泡影まとめ打ちはここしかありません。
→ロータス+ユベル=ファントム②ss
→デモンスミスssコストナンナ(レクイエムを装備してニビルを処理しても良い。残しておくとラギアのエサになる。)
→デモンスミス+ニビルトークン=セクエンss
→セクエンefラクリモーサss(レクイエム+紅涙)、ラクリモーサefデモンスミス回収
→デモンスミス→トラク→ルリーss
→セクエン+ルリー=キャスターss
→キャスターef解門コストスピリットss
→シャバラefスピリット破壊シャバラss、スピリットefユベルss、ヤマefデモンスミスss
手札消費2枚のみで、ニビル泡影を完全にケアして3妨害を作ることに成功しました。今回は、解門+ロータスという例で説明しましたが、スローンやデモンスミスを追加で引き込めていれば、ニビル+泡影以上の手札誘発でも貫通できることが想像できると思います。これが、デモンスミスユベルは増殖以外は貫通すると呼ばれる所以です。
今回は、うらら、ヴェーラー、泡影、ニビルといったメジャーな手札誘発のケア方法を解説しましたが、実戦ではドロール、ビーステッド、うさぎなど様々な手札誘発をケアしなければなりません。サイド前か後か、相手のデッキタイプやプレイスタイル、相手の思考時間から判断してどのような手札誘発を持っていそうかを推理し、正しい選択を導き出しましょう。
5. サイドデッキ・サイドチェンジ
対面ごとのサイドチェンジ一覧を載せようか迷いましたが、1章で上げたように環境やサイドプランは流行りに合わせて流動的に変化するものですので、ここではざっくりと共通事項についてまとめようと思います。
先攻
out:手札誘発(ニビルヴェーラー泡影全抜き、増殖1~2)
in:青い涙、三戦の才・号、先攻罠
後攻
out:リッター、ロータス、招来神2枚目、トラク、指名者3
in:手札誘発、捲り札
先攻時は、負け筋が何かを考え、それに対応できるカードを採用します。
(1)増殖・フワロスあるいはドロールが直撃した時
(2)拮抗、結解波、心変わりなどの捲り札
(3)天盃龍対面など複数の手札誘発を貫通できなかった時
初期のころ、(1)については相手の増殖・フワロスに対して自らドロールを合わせることでケアしようと考えていました。ドロール下でもデモンスミス展開は可能であり、ベアトリーチェで青い涙やルンペルを落とすことで、次の相手ターンを凌ぐことができます。しかし、天盃龍は手札誘発を複数枚抱えていることが多く、自らドロールを合わせて展開を狭めた結果、残りの手札誘発を貫通できないということが多く、このプランは不採用としました。最近では、増殖・フワロスを受けた際は、三戦の号でターンスキップ級の罠(異次元グランドや次元障壁)を伏せて耐えるプランを取っています。
(2)捲り札については、ヴァルドラスやディエスイレなどを置ければ拮抗や心変わりは弾けるため、あまり意識していません。一時期、結界波が流行っていたときはベアトでルンペルを落とすことでケアしていました。(チェーン1結界波、チェーン2ルンペル、チェーン3ディエスイレ)アザミナが登場するころには結界波の採用は稀でしたのでケアしませんでした。
(3)複数の手札誘発の貫通については、メインギミックを厚くすることと三戦を採用しています。当然、初動が重なればそれだけ誘発をケアしやすくなるのでメインギミックは厚めに入れています。(ロータスは絶対3、デモンスミス3、トラク2と多め)。プラスで三戦の才によるハンデス、ニビルやビーステッドで相手にモンスターがいるときは三戦の号でテラフォやトラクなど貫通札を持ってくることができます。
後攻時に入れるカードについては、説明はいらないと思いますが、強いて言えば使いやすさよりもカードパワーを重視していました。スネークアイなど自由枠が多く取れるデッキタイプであれば、ヴェーラーなどパワーの低い手札誘発でも2~3枚重ね打ちすることで十分に相手の動きを止めることが可能です。しかし、デモンスミスユベルは自由枠が少なく初手5枚の内2枚以上有効札を引き込むことが期待できません。そのため、投入したサイドカードを1枚でも引ければ有利をとれるくらいのパワーカードの採用を意識していました。
後攻で抜くカードについては以下の通りです。
・召喚権を消費する攻め手
・相手の盤面に触れないカード
召喚権を消費する攻め手は、ロータスの3枚目、招来神の2枚目です。
相手の盤面に触れないカードは、リッター、指名者×3です。
召喚権を消費する攻め手については、メインデッキにロータス×3、招来神×1~2、解門×3、スローン×3(召喚権使わずユベル破壊でもいい)の計10~11枚採用されています。後攻の召喚権被りは、単純にイコール1ハンデスですし、招来神の追加召喚も過信できないので、1~2枚程度削っても問題ないかなと思います。
リッターを抜くと、ユベルの反射ダメージによるキルを取りにくくなりますが苦渋の決断で抜いています。
6. 質問受け付け
6.1. ユベル対面の増殖はいつ打てばいいですか?
A. 状況によりますが、ドローフェイズに打つのが無難だと思います。
選択肢としては、最速で打つ(ドローフェイズ)か、相手の動きを見てから打つ(メインフェイズ)かの2択です。それぞれの裏目を考えます。せっかくなので確率計算してみました。
(1)メインフェイズに打つ裏目
・メイン開始時ファントムss(15~20%程度)
・三戦の才がアクティブになる(12.5~23.7%)
(2)ドローフェイズに打つ裏目
・PSYフレームギアγ(12.5%)
・スローンのサーチ先を変えられる(42.7%)
メインまで増殖を待つ最大の裏目は、メイン開始時に手札融合でファントムが突然出てくることです。質問者が心配しているのはたぶんここでしょう。
ユベルネーム4枚(スピリット2、ユベル1、リッター1)
攻守00悪魔6枚(ロータス3、招来神1、召喚神1、スクワーマー1)とする。
この時の初手ファントムの確率は「25.0%」です。
ただし、これはあくまで初手に融合素材がそろっている確率であり、初動がロータスしかない時でも可としてカウントしています。実戦では、初手ファントムは「15~20%」程度と推測します。60枚デッキに芝刈りを引かれる確率とだいたい同じです。この確率が許せないと思うのであればドローフェイズで増殖を投げつけて気持ち良くなりましょう。
次に三戦の才ですが、1枚採用なら「12.5%」、2枚採用なら「23.7%」です。
ガンマは採用率は低いですが、採用されていれば「12.5%」
ドローフェイズに増殖を打つ最大の裏目は、スローンのサーチ先を変えられることでしょう。増殖を待った場合、スローンefロータスサーチ、ロータスnsefスピリットss(1ドロー)、ファントムss(2ドロー)となり2ドローは固いです。ドローフェイズに増殖を打たれると、スピリットサーチで0ドローに抑えて相手の攻撃に耐えるという選択肢が出てきます。スローンで招来神→解門サーチで自ターンの攻め手を確保するという選択も取れます。
デモンスミススネークアイなどの手札スピリットの上からキルを取れるくらい展開力のあるデッキタイプであればスローンの選択肢を変えられるくらい誤差程度ですが、ユベルミラーや、ライゼオル、粛声などはライフを取り切れないので、戦闘耐性でゲームを長引かせ永続リソースで戦うというゲームプランを取れます。
7. あとがき
最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。デモンスミスユベルの解説は以上となります。まだまだ書き残したことがたくさんありますが、私がこのデッキを握り続けた3か月間で得たものを体系立てて説明できたつもりです。
最後の2行だけ有料部分としています。中身はありませんが、このnoteを読んで良かったと感じていただけましたら購入していただけますとうれしいです。次のnoteを書く励みにもなります。
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