手伝い

土曜日
かれこれ6年くらい喫茶店を手伝っている。「手伝っている」と言うとバイトっぽいけど、バイトではなく、あくまでお客として勝手に手伝っている。忙しそうだったから、最初は手の届く範囲の物を渡したり、そのうち水を汲んでオーダーを取り、コーヒーを運び、たまに買い出しに行ったりして勝手に手伝っている。学生の頃は週3くらいで、社会人になってからも月1くらいで、行ける時に行って勝手に手伝っている。(あくまでお客なので、「いつ行く」とか「手伝います」は言わないし、もちろんお給料も貰わない。)「僕はお客様だ」という自負があるので、カウンターの中には立ち入らないようにしていたけど、今はたまにカウンターの中にもいる。最近そこのおばあちゃんが風邪で1週間ぐらい休み、それをきっかけに、しれっとそのまま引退したらしい。引退宣言もなかったし、僕の横で普通に座っているから、前と何も変わらないけど、もう引退らしい。寂しいけど、職人ぽくて格好いいなと思った。長生きして欲しい。

日曜日
生涯学習事業の一つで毎年開催されているマラソン大会の手伝い。担当課ではないけど、半強制のボランティアで手伝うことになった。僕は広報車担当で、新人女子職員と二人で半日ドライブ。特に会話も弾まず、家族構成とか好きな食べ物の話をぽつぽつと話す。「この仕事気が狂いそうになるね」っと言った時が一番笑ってた。音楽フェスと同様に、全国でマラソン大会が乱立しまくっているせいもあって年々参加者が減っているらしい。じゃあなぜ続けるかというと、すでに予算を組んでいたり、担当職員がやめるなんて決めれないから、とか理由はたくさんあるけど、ポジティブな理由は思いつかない。こういうことがめちゃくちゃあって、それが全国の街にあって、しかもそれは税金で、僕はそれで生活していて。

月曜日〜
姉が長女を出産して、養生のために娘と一緒に帰って来た。2週間前までいなかった子が突然現れて、完全に皆んなが浮かれてる。どこからやって来たわけでもなく、この前までいなかった人が、まさに生まれてきて、しかも血が繋がってる。ふとした時に「こいつ誰やねん!?」って思うけど、その後すぐに、それぞれが「娘♡娘♡」、「孫♡孫♡」みたいな感じでデレデレしながら覗き込む。幸せ空気が充満している。もちろん女の子なので、おちんちんは付いてないけど、気を使っているのか、素で知らないのか母親はなぜかアソコを「おちんちん」と呼んでいる。昨日は初めてオシメを替えるのを手伝って、今日は初めてお風呂に入れるのを手伝った。セーターにつけられた涎も、バターチキンカレーみたいなうんちも無条件に可愛い。

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