見出し画像

憲法改正して悪い裁判官を国民審査により減給すべき

国民の良識からかけ離れた判決を出す裁判官が相変わらず多くいます。最近では裁判官の質の低下が著しくなっています。
このような状況に対して、我々国民は現状、形骸化した最高裁判所裁判官国民審査によってしか意思表示をすることができない状況にあります。
この状況を改めて、裁判官の下す判決につき、国民審査を実施し、罷免は無理でもせめて減給できるようにすることも検討すべきではないでしょうか。

1.我が国の裁判官の身分保障


我が国の裁判官は憲法により身分が保証されています。
憲法78条に、「裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。」と定められているとおりです。
日本国憲法の下では三権分立の原則が徹底されており、司法権が立法や行政権の影響を受けることがあってはなりません。
もしも、司法権が立法や行政権の影響下にあるとすると、明らかに憲法に違反し、国民の権利を侵害する法律が制定されて執行されている場合に、司法権に対して訴えても、司法権が立法や行政権の顔色を窺って、その意向に沿った判断しかできず、我々国民が救済を受ける手段がなくなってしまいます。
司法権の独立を担保するために、司法権の担い手である裁判官について、裁判官を罷免するには裁判によらなければならないとしたうえで、行政機関が懲戒処分を行うことができないようにしているわけです。

また、裁判官は職位だけでなく、在任中、報酬も減額されないことが保障されています。
憲法79条6項に「最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」とありますし、下級審の裁判官についても、憲法80条2項により、「下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」と定められています。

ちなみに憲法の規定によって、報酬が保障されているのは、裁判官だけです。内閣総理大臣でさえ、憲法上、報酬が保障されていません。
このように、裁判官に強い身分保障を与えているのは、日本国憲法が司法権の独立を特に重視しているからにほかなりません。

2.我が国の裁判官の弾劾制度


もっとも、司法権に強い保障を与えて、全く歯止めをかけられない状況になると、司法権が強大になりすぎる恐れがあります。
そこで、裁判官を罷免できる弾劾制度が設けられています。

国民から選ばれた国会議員によって裁判官弾劾裁判所が組織されていて、裁判官の身分にふさわしくない行為をしたり、職務上の義務に違反した裁判官を罷免できるようにしています。
この裁判官弾劾裁判所は、一応、機能しており、令和6年までの時点で弾劾裁判にかけられた裁判官は10名、このうち、罷免された裁判官は8名います。
罷免された理由としては、事件の関係者から賄賂を受け取ったという裁判の公平性を揺るがしかねないものもあれば、近年では、児童買春、ストーカー、盗撮、不適切発言といった裁判官の質の低下がうかがえるような案件もあります。
とはいえ、弾劾されて罷免される裁判官は例外的で、一般的には、裁判官は最も強い身分保障が与えられています。

3.裁判官の選定に国民の意思が反映されていない現状


懸念すべきことは、これほど強い身分保障が与えられている裁判官が、国民から直接選ばれているわけではないということです。司法試験に合格し、司法修習の成績が優秀な者が選ばれて判事補、さらに裁判官となるにすぎず、その過程に国民の意思は全く反映されません。
おまけに、裁判官は一般社会で苦労することなく、裁判官だけの世界に閉じこもりがちです。裁判官の中には、世論に流されないように新聞やニュースさえ見ないという人もいるほどです。
そのようして、法律知識はあっても世間の感覚からはかけ離れた裁判官も現れることがあるために、時として国民の良識からかけ離れた判決を平然と出すこともあるわけです。

このような裁判官が出す国民の良識からかけ離れた判決を我々国民は甘受するしかないのでしょうか?

憲法15条1項には、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」と定められています。
このように規定していながら、国民が選定できる公務員は国会議員、地方公共団体の長、地方自治体の議員等に限られており、また、罷免できるのは最高裁判所裁判官に限定されています。

4.最高裁判所裁判官国民審査では400万もの国民が辞めさせるべきと意思表示している


憲法79条2項、3項によって規定されている最高裁判所裁判官国民審査は、国民が裁判官を審査できる唯一の制度です。
衆議院議員総選挙と併せて実施されているので、実際に投票を行ったことがある方も多いでしょう。
審査対象裁判官の審査公報では、取り扱った裁判なども紹介されているので、おかしな裁判を下した裁判官に対しては、国民が直接辞めさせたい意思を示すことができるわけです。
最高裁判所裁判官国民審査では、審査を受ける裁判官の氏名が投票用紙に印刷されており、やめさせたい裁判官には「×」を記載することができます。
最高裁判所裁判官に限定されているとはいえ、このようにして、国民が直接裁判官を罷免できる制度は、司法の暴走を防ぐ意味で重要な役割を果たしていると言えます。
しかし、最高裁判所裁判官国民審査により罷免された裁判官は、現時点で一人もおらず、事実上形骸化していることが問題視されています。

では、国民の多くは、最高裁判所裁判官に不満を持っていないのでしょうか?

総務省が発表している最高裁判所裁判官国民審査の結果(https://www.soumu.go.jp/senkyo/kokuminshinsa/kekka.html)を見ると、「×」をつけている国民もかなりの数に上ることが分かります。

例えば、第25回(令和3年10月31日執行)の審査を受けた裁判官1名をあげると、
罷免を可としない投票数 52707475
罷免を可とする投票数 4473315
といった数字になっています。
そのほかの裁判官も300万〜400万ほどの罷免を可とする投票を受けています。
300万〜400万もの国民が「×」をつけているにもかかわらず、その意思が全く反映されていないというのはいかがなものでしょうか。

5.裁判官の罷免が難しいなら減給も検討すべきでは


最高裁判所裁判官国民審査は、憲法15条1項の表れで、裁判官を国民の民主的コントロールの下に置くことで、司法の暴走を防ぐことが目的です。
その趣旨からすると、罷免を可とする投票数に関わりなく、身分が保障されているというのでは、裁判官が国民の信託を受けて職責を全うできるとは思えません。
解職が事実上難しいのはやむを得ないとしても、罷免を可とする投票数が多い裁判官については、報酬を減額する制度が導入されるべきではないでしょうか。

また、国民審査が最高裁判所裁判官のみを対象としている点も不十分です。
下級裁判所の裁判官と言えども、国民の権利に直接かかわる判決を下している以上、国民の審査を受けるべきではないでしょうか。
もちろん、すべての裁判官に国民審査を受けさせることは現実的ではありませんが、せめて、注目を集めている裁判について、裁判官が下した判決につき、国民にアンケートを取るなどして、その判決内容はおかしいと感じる国民が多い場合は、減給する形で、国民の意見を裁判所に届けられるようにすべきではないでしょうか。

6.そのためには、改憲と国民による裁判官の審査制度の導入が必要


改憲の際は、裁判官の報酬が減額できないとする規定は削るべきでしょう。司法の独立は重要ですが、国民の審査が及ばない状況は望ましい状況ではありません。
国民による裁判官の審査制度については、対象となる裁判官の範囲や対象となる事件をどのように決めるべきかが問題になります。
しかし、この点は既に導入されている裁判員制度を参考に絞っていくことは可能なはずです。

いずれにしても、国民の良識からかけ離れた判決を出す裁判官に対して、国民の抗議の声が届かない状況は改善されるべきです。

日本ファシストの会 https://www.fascist.site/ カンパはこちらへ https://www.fascist.site/pages/5770774/page_202202041039