見出し画像

3度目の日本

ふと振り返ると、コロナ騒ぎの1年前に、FBにこんなポストをしていました。

令和元年、 堺屋さんの金言を無駄にしてはならない。 日本のホテル業界も然り。。。 東○イン、ア○ホテル、スー○ーホテル、、 どれも団塊世代の創り出した規格大量生産のコモディティモデル。 どの地方に行っても同じ部屋、同じデザイン、そんな金太郎飴ホテルはもう要らない。 独創的で、楽しいホテルを創る。

Posted by 細羽 雅之 on Thursday, May 2, 2019


晩年の堺屋太一さんは、しきりに官僚政治による日本の退廃を憂いておられました。

特に亡くなられる直前に上梓された『団塊の後 三度目の日本』『三度目の日本 幕末、敗戦、平成を越えて』などでは、通産省(現:経産省)の元官僚出身の堺屋さんご自身の経験から、失われた30年を経て、閉塞感漂う日本のムードを打破するために、官僚主導の政治を終わらさなければならないと力説されていました。

画像1


今の日本社会はあまりにもゼロリスクを求めすぎます。

一度何かの悲惨な事件事故があれば、それを規制する法案、条例を作り、2度と同じような惨劇が起こらないようにする。

(もちろんそれは必要なことではあるのですが、)余りにも規制で社会をがんじがらめにすると、人々の自由度が削がれてしまいます。


ちょっと冷静に考えると、この世にリスクのないことなどありません。

表に出て道を歩けば、いつ自動車にはねられるかも分からないし、飛行機に乗れば墜落するかも知れない。

生牡蠣を食べればあたるかも知れないし、登山すれば滑って怪我するかも知れない。

挙げればキリがないほど、人間界も自然界も常にリスク(危険)と隣り合わせが現実です。

しかし、現代はリスクへの恐怖をメディアで煽って、規制強化を重ね、安心安全の幻想を創り出す。

そしてその結果、安心安全(実際はそうなったような気がするだけなのだが)を得た代償として、自由や楽しみを失い、なんともつまらない、まるで牢獄の中に封じ込まれたような社会になっているではないか、というのが堺屋さんの主張でした。

画像3

コロナ騒ぎの1年前に亡くなられた堺屋さん、

マスクを四六時中強制され、自由な移動すら制限された現在の人々を見て、なんと思われているでしょうか?




とにかく、「やめなさい!」という親


この夏、森にはたくさんの家族が訪れました。

幼い子どもたちが、川辺に走り寄って、無邪気に遊び始めます。

そこで、ほぼ全ての子供(特に男の子)がとる行動があるのですが、何だか分かりますか?


それは、「川に向かって石を投げる」です。

画像4

大きい石や小さい石を、川にジャボンと投げ込んで、その水しぶきにはしゃいだり、石の動きを好奇心いっぱいの眼差しで追ったりしています。

その微笑ましい光景をいつもボクは眺めていたのですが、、、


突如、その穏やかな時の流れを急に切り裂くかのようなお母さんの声、

「やめなさい!」

「危ないでしょ!」

が森に響き渡ります。

画像2

子供たちはシュンとして、石を放り出し、とぼとぼと歩き始めます。


実はこういう場面が決して少なくなかったのです。

実際に危ないかどうかというと、周りには誰もいないし、壊れるような物もないので、決して子供が危険な行動を取っているのではありません。


にも関わらず、もはや脊髄反応の様に、子供の好奇心を静止する親の言動には、一体どんな原因があるのでしょうか?

いつもそこに想いを巡らせるのですが、ひょっとするとこれもゼロリスクを求めすぎた社会の影響なのかも知れません。

とにかく、危ない(感じの)ものはダメ、ダメ、ダメの応酬。。。



堺屋さんが夢見た「3度目の日本」とは、

『官僚制度ではなしに、本当の主権在民を実現する「楽しい日本」です。』(堺屋さんの言葉)

官僚主義の保身体質から生まれる、ゼロリスク神話の終焉。

そこに(ちょっと危なっかしさはあるかも知れないけど、だからこそ)ワクワクして、楽しい未来がある。


歴史を紐解くと、未来を切り拓いてきたのは、官僚ではなく、リスクテイカー(フロンティア)たちでした。


1度目は、黒船襲来による明治維新。

幕末の志士(吉田松陰、坂本龍馬、西郷隆盛、、、)


2度目は、敗戦からの高度経済成長。

偉大なる創業者(松下幸之助、稲盛和夫、井深大、、、)


そして奇しくも、今回のCovid-19により世界が大きくパラダイムシフトに巻き込まれていく中で、まさに3度目の日本を迎えているように思います。


政治、経済、教育、医療、環境、、あらゆるものが混迷を極めているからこそ、日本の底力が発揮できるか?

まさに正念場を迎えている中で、ボクは森に囲まれた大自然の中で人間らしい新たな社会を創造していきます。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?