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【完結】私の死体を探してください。

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ベストセラー作家、森林麻美は「私の死体を探してください」という自殺と、既に自分は死んでいることをほのめかす内容の文章を自分のブログに掲載した。数日前にけんかをして別荘に来ていた夫…
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#WEB小説

「私の死体を探してください。」   第28話

 退職してから一ヶ月。私は森林先生の最後のブログに抱いた違和感の原因を考えた。  最初に…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第17話

三島正隆【3】  ハッと意識が覚醒した。  リビングの天井の高さでどこにいるのかを自覚す…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第16話

 五月の上旬、三か月前だ。いつものように打ち合わせで森林先生のマンションに行った時だった…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第14話

白い鳥籠の五羽の鳥たち【1】  西日がまぶしい教室はオレンジ色に包まれていた。その隅の方…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第13話

 池上さんのせいで嫌なことを思い出してしまった。池上さんはまだ何かを探している。こういう…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第12話

 池上さんは泣きながらも、パソコンのファイルを確認していた。近くにあるUSBも片っ端から…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第11話

「たとえば行方不明の場合、離婚も簡単にはできないと思います」 「そんな。僕は麻美と離婚するつもりだったのに……」 「どうしてですか?」 「だって、君は僕の子どもを妊娠しているんだろう? だから、近々麻美と話し合うつもりだったんだ」  とても、大切なことだから離婚の話は慎重に進めたいと思っていた。僕は子どもが欲しいと思ったことは一度もないけれど、池上さんに子どもができたのなら責任は取らないといけないと思っていた。  池上さんは僕が真剣に話しているのにぷっと吹き出した。

「私の死体を探してください。」   第9話

「ちょっとした投資って、具体的にはどんなものですか? 大丈夫ですか? 最近、詐欺とか、違…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第8話

 私が橋本良介にはがきを送ってからどれくらいだったでしょう? 一週間もしないうちに、大き…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第7話

 それにはまずお義母さんの日常を想像するのが不可欠だと思いました。私と正隆さんが結婚して…

星月渉
1年前
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