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【完結】私の死体を探してください。

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ベストセラー作家、森林麻美は「私の死体を探してください」という自殺と、既に自分は死んでいることをほのめかす内容の文章を自分のブログに掲載した。数日前にけんかをして別荘に来ていた夫… もっと読む
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2023年5月の記事一覧

「私の死体を探してください。」   第28話

 退職してから一ヶ月。私は森林先生の最後のブログに抱いた違和感の原因を考えた。  最初に…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第27話

 池上沙織【4】 『白い鳥籠の白い鳥たち』の最終章が掲載されてからすぐに、一人の男が死ん…

星月渉
1年前
21

「私の死体を探してください。」   第26話

――森林麻美の脳内ストリップ――     森林麻美のオフィシャルブログ    これが白い鳥…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第25話

  白い鳥籠の五羽の鳥たち 【最終章】  高校三年生の春から、彼女たちは日記を共有してい…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第24話   

 僕はイライラしながら久しぶりに麻美のブログを開いた。本当はこんなことに気を取られている…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第23話

  三島正隆【4】  山中湖村は思いのほか雪は降らない。ただ、一度降ってしまうとなかなか…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第22話

 女子のグループの中で、五人という人数は、若干多いように思われるかもしれない。二人でも三人でも四人でもなく五人というのはなかなか珍しい。  けれども、彼女たちの場合は五人グループといいつつ学校に五人が揃うことはまれだった。麻美以外はみなそれぞれが時々学校にこなかったからだ。  だいたいは四人で、三人のこともあった。  特に欠席が目立っていたのは、祖母の介護を手伝っている由樹だった。遅刻と早退も多く生徒指導室に呼び出されることも多かった。 由樹が最初に生徒指導室に呼び出され

「私の死体を探してください。」   第21話

池上沙織【3】  森林先生の仕事部屋には、先生が愛用していたノートパソコンはなかった。そ…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第20話

白い鳥籠の五羽の鳥たち【2】  それまで麻美には友情というものがどういうものなのか分から…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第19話

   母さんが帰ってから、すぐに池上さんから電話があった。マンションのすぐそばまできてい…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第18話

「ねえ、正隆」  東京のマンションにつくと、母さんが待ち構えていた。ここで一晩過ごしたよ…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第17話

三島正隆【3】  ハッと意識が覚醒した。  リビングの天井の高さでどこにいるのかを自覚す…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第16話

 五月の上旬、三か月前だ。いつものように打ち合わせで森林先生のマンションに行った時だった…

星月渉
1年前
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「私の死体を探してください。」   第15話

池上沙織【2】  正隆氏は本当に最悪だった。  正直に言うと、森林先生のブログがなかったら、正隆氏が森林先生を殺したんじゃないかと疑いたくなるほど、正隆氏は森林先生に対して、少しも愛情を抱いていない。  けれど、私が知っている限り、正隆氏が森林先生を殺す動機が見当たらない。森林先生が死んで一番得をするのが正隆氏とは言いがたいのだ。 「山中湖の別荘に貯金はぜーんぶ使っちゃったしがっつりローンも組んだから、仕事頑張らないとね」  一年前、あの別荘を建てた時に森林先生は.