【占星術覚え書き】アスペクト

こんにちは、ベンディです。今回は人もホロスコープも表面上だけの情報ではわからない、というお話です。

よく太陽が何座だとこうで月が何座だとこう、等と占い本などで解説されている天体×サインの性質。まさにその通りと頷く場合もあれば、うーん?と首を傾げてしまう場合もあります。なぜかと言えば、同じ〇〇座の〇〇を持つ人でも配置は皆それぞれ違うからです。個人が持つ天体の配置は当然チャートの中の1要素であり、それだけで性格が決まるわけではありません。チャート全体で天体や感受点が複雑に絡まり合い、相互に影響しながら思考の癖が形成されていくというのがベースにあります。具体的にどのような影響が生じるのかを考える時にみる代表的なものが「アスペクト」です。

アスペクトとは

西洋占星術で頻繁に登場するワード「アスペクト」ですが、これはある天体や感受点が他のそれらととる角度によってあらわれる様相のことをいいます。

西洋占星術関連本にはこのアスペクトの記述が必ずといっていいほどあり、「太陽と火星のハードアスペクト」や「火星と木星のソフトアスペクト」だとこれこれこういう性質になりますよ、等と書かれています※。総当りで書かれていることも少なくなく、例えば上記の例だと「太陽と火星のハードアスペクト」は短気で衝動的、「火星と木星のソフトアスペクト」はテンションが高くポジティブといった具合。ちなみにこの2つは私ベンディの出生チャートにある配置ですが、手放しでまさにその通り!とはどうしても思えず。では何が足りないのかというと、天体に付随する「サイン」の要素、もっといえばクオリティとエレメントの要素になります。

※ハードアスペクトはサインのエレメントが不調和の状態。ソフトアスペクトは調和の状態。同じエレメント同士は調和。変化を志向する火と風、安定を志向する地と水同士は基本的に調和(180度※はハードアスペクト扱いですが)。

※天体が位置するサインを0度として、360度をサインの数12で割ると1サインが30度。例えば牡羊座を起点(0度)とすると、隣の牡牛座と魚座は30度、2つ離れた双子座と水瓶座は60度(セクスタイル)、3つ離れた蟹座と山羊座は90度(スクエア)、4つ離れた獅子座と射手座は120度(トライン)、5つ離れた乙女座と蠍座は150度(クインカンクス)、6つ離れた天秤座(対向星座)は180度(オポジション)、と表します。120度と60度は調和、90度と180度と150度は不調和。30度は不調和ではありますが隣のサインなので影響が和らぎ、調和的要素ありとも。

アスペクトを読む 

私の出生チャートを例にすると以下となります。

①「太陽と火星のハードアスペクト」→蟹座(水の活動宮)の太陽と山羊座(地の活動宮)の火星が180度(オポジション)

②「火星と木星のソフトアスペクト」→山羊座(地の活動宮)の火星と魚座(水の柔軟宮)の木星が60度(セクスタイル)

①に関しては、活動宮、かつ火星が絡むハードアスペクトなのでせわしなさはありますが、サインは地と水なので何のために活動的になるのかというと安定のため・不安感の解消のためです。社会的ルールに則って個人の役割を全うしようとする山羊と、個人的感情のもと仲間とつながろうとする蟹とでは目的(山羊は実益、蟹は安心)が異なるものの、どちらも集団性に関わるサインで「居場所を得て安心すること」がテーマとなる点は共通しています(180度、向かい合わせのサインはポラリティと言って共通するテーマを持ちます)。この配置を具体的に読むとこんな感じです。

「帰属先について不安にかられやすく、居場所の獲得を意識して積極的に動く。『周囲から浮いていないか』『集団の意志に沿っているか』等を心配する傾向。」

これが派生して、常に他人からどう見られているかを気にする・つい身近な人に干渉してしまう等が実際の行動として現れるかと思います。

②に関しては活動宮である山羊の、結果や勝敗に拘る火星の性質が、2つ離れた柔軟宮のサインである魚の木星の受容力によってマイルドになります。よく言えばマイルドですが、山羊らしさである責任感やストイックさも削がれてしまう組み合わせにはなります。山羊と魚は地と水のエレメントなので①の例と同じく安定することが目的です。①だとクオリティ(活動宮)が同じなので最終的な結論にたどり着くまでに主張がぶつかってしまい葛藤が大きいのですが、②に関してはクオリティが異なるため息詰まった時に「こんな考え方もあるよ」と助言が浮かぶような関係性です。2つ離れたサイン、60度(セクスタイル)のアスペクトは発展性がある、と言われるのはこのためです。

結局のところ、どのサインの組み合わせで発生しているのかによってアスペクトの意味は違ってきます。「テンションが高くポジティブ」というキーワードに対して、どんな性質の火星なのか/どんな性質の木星なのかを考慮せずには考えられません。

アスペクトは組み合わせを読むものなので、ベースにあるサインと天体の意味をとにかく理解することが大切であると強く思います。占星術を勉強し始めの頃は本やネットにある各アスペクトの意味を必死で暗記しようとしていたのですが、今思えば文法がわからないのに例文を頭に入れようとしていたみたいな感じです。

アスペクト=サイン、天体が持つ要素のブレンド

アスペクトとはつまり、角度をとるサインや天体の要素が絡んで生まれる性質を読むもので、複数の要素が混ざり合う(ブレンドされる)という捉え方をするとわかりやすいのでは。混じりあうパターンが幾通りもあるゆえに混ざった結果どんな性質となるかはさまざま。仮に蟹座の太陽が山羊座の土星とアスペクトしていたら?土星は枠組みや秩序を象徴しており、山羊座にあると用心深さや規律を守ろうとする傾向が非常に強くなります。上で述べた集団志向やお節介癖がより徹底的になるイメージ(風紀委員のような)。山羊座の火星が牡牛座の金星とアスペクトしていたら?金星は感性や愛着を象徴しており、地の不動宮である牡牛座にあると五感、特に心地よさに敏感で物質的執着が強い傾向となります。欲しい物を獲得するため、こだわりを満たすために目標に向かい着実に行動しようとするイメージ。

もちろん1つの天体にアスペクトがひとつだけとは限らず、場合によっては4つ5つ6つとアスペクトが複数ある場合があります。これは幾重にもブレンドされている状態なので読むのがやや複雑なのですが、複雑さと同時に奥深さがあるということです。※公転周期が短い天体程ブレンド度が高い、つまりアスペクト先の要素が大きく入り込みます。個人天体の中でも冷・湿の天体である月、金星もブレンド度が高いです。特に一番周期が短い月に多数のアスペクトがある場合、一般的な「〇〇座の月」の特徴にあてはまらないと感じやすいでしょう。

ひと言で「このアスペクトはこういう意味」といっても、そうなるのはなぜなのか、どんな場面においてそれが出やすいのか、という点がわからないと本質とずれてしまうのではと思います。一点だけみて全体を判断するのは危険で、何と何が組み合わさるとどうなりそうか、つまりブレンド具合をチェックすべき、というお話でした。

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