個人杯を主催したお話【中編】

前編はこちら→個人杯を主催したお話【前編】|星月すみて💫🌙@さぶ! (note.com)

中編…の前に

前編で書き残した裏話を少し。
2ndの近似値を当日の朝に完成させたという話をしたが、終わってからずっと思うのは、ここで作問した、サドンデスで用いる予定の11問目が世に出なくて非常に良かったということだ。どんな問題だったのかは大会公式Twitterで問題リストを公開しているので、気になった人はそこから見てほしいのだが、少なくとも私史上一番のクソ問であることは間違いない。実際当日にこの問題が出題されていたらと思うと…考えたくもない結果が待っていただろう。なんにせよ、2ndRoundが10問で決着がついてくれてこちらとしても非常に助かった。


激動の準備期間を終え ~いざ開会~

ここからは中編の本編へ入っていこうと思う。中編では、大会の前半戦までを書き残そうと思う。

開会は午前10時。集合は午前9時55分。PC上でDiscordの画面を見ていると、参加者が続々とオンラインになり始める。それを見て、「いよいよ始まるのか…」と心臓が高鳴る。
PCの時計が午前10時を示す。開会の時になった。事前に用意していた原稿通り、開会式を進める。そして各参加者のこちら側での音量調整も兼ねての出席確認。ここで最初の事件が起こる。なんと、一部参加者の反応が無い。音声解答の人にしろチャット解答の人にしろ、反応が無い。おそらく向こう側の声をマイクが拾っていないか、ラグでこちらの声がまだ届いていないのか。原因は分からないが、かなりの事件である。一応、ボイスチャンネルには入っているし、オンラインにもなっているのでおそらく大丈夫だろうと続行。
結果的に言えば全員そろっており、この後の進行にも差支えなかったので良かった。


1stRound ~まさかの機材トラブル~

タイムテーブル通りに事は進み、1stRound開始直前。
参加者とスタッフが各ボイスチャンネルに分かれ、長屋を開き、1問目を読み上げる。…その前に、一応全員いるかのチェック。私はAコース担当だったので、Aコースが全員入れているかを確認をしようと、問題リストから長屋へカーソルを移動させ、タブを切り替えようとしたその時。

いくらクリックしても反応が無い。

そう、24人+スタッフ2人の計26人が通話をつないでいる状況、開いているタブはおよそ10個といったところだろうか。前日にPCをシャットダウンして軽量化を図るも、思った以上に負荷がかかっていたのだ。
こういうのは何度も押すに限る、と、長屋のタブを何度もクリックする。すると、落ちた。問題リストやらエントリーリストやらを開いていた検索エンジンが落ちたのだ。PCが落ちるまではいかなかったため、Discordは繋がっていたままだったが、大会関連のものが全て画面上から消えたのである。
一瞬パニックになったが、すぐさま横に置いていたスマホとスペアのPC(学校で使っているPC)を開き、スマホで問題リストを、スペアで長屋を開く。
この超雑ともいえる応急処置で何とか事なきを得て、無事に1stRoundを行うことができた。が、このせいで時間がかなり押してしまった。結局2ndRoundからはエンジンを復帰させ、普段のPCで進行できたが、本当、初っ端からこれは心臓に悪い。マジでやめてくれ。
おそらくAコースだった参加者には、焦り具合が完璧に伝わっていたであろう。何せ最初のほうは噛みまくっていたし、読み始める前の「問題。」というフレーズさえ何度か忘れていたのである。こんなことが裏で起こっていたのだ。許して。


2ndRound ~想定外の労力~

無事に(有事に)1stRoundを終えたと思ったのもつかの間。次に牙をむいたのは2ndRoundだった。マジか。どれだけ運営に(私に)試練を与えれば気が済むんだこの大会は。2ndRoundについて、作り忘れた資料があることに当日の朝8時ごろに気付き、急いでPCを起動させてその資料を作ったのだが、これが少々欠陥があったようで、私を苦しめてきた。
2ndの得点計算は、正解との誤差の合計であったため、Excelで値を入力し、正解との誤差を表示するようなシステムを作った(これが朝に作った資料である)のだが、ただ引き算の関数を入れただけだと、表示される値がマイナスにもなってしまうのだ。おそらくそれを絶対値に直す関数的なものもあるのだろうが、朝にバタバタしていた私はそんなことも考える暇もなく、「マイナスの符号は手動で消せばいいや!」と思い、そのまま使用した。
1stRoundのAコースで前述のトラブルがあったため時間が押していた。この遅れを取り戻すため、2ndRoundを巻きで行った。が、結果的にこれが良くなかった。裏でるぴなす君にこのExcelに、参加者の解答を打ち込んで誤差を出してもらっていたのだが、こちらが急いで問題を出題していたせいで集計が追いついていなかったのだ。とりあえず10問を出題し、タイムテーブルとにらめっこする。巻きでやったおかげで少し時間には余裕があったが、また1stのようなことがあるかもしれないと、先に参加者と2nd担当ではないスタッフにはお昼休憩をとってもらうことにした。急いで10問すべての解答を打ち込み、誤差がマイナスになっている者は手動でプラスに変える…さらに出た10問合計の誤差を昇順に並べ替え、順位を出す。ここまでを爆速で行い、私も昼休憩に入ることができたのは3rd開始30分前だった。
ちなみに、もともとは3rd進出者を発表してから昼休憩の予定だったのだが、この順番を入れ替えたおかげで、先に休憩に入った参加者は気が気でなかっただろう。2ndで落ちるか、3rdに進むか、ドキドキしながら昼食を取ってたことだろう。本当にごめんなさい。
定刻になり3rd進出者を発表する。ここで参加者のドキドキを取っ払う。申し訳ないなという気持ちとともに、雑談のチャンネルに流れたほっと一息のコメントを見て、こちらもひと息ついた。

ここからは裏話になるのだが、実はピタリがあんなにも出るとは誰も思っていなかったのである。3問目の広辞苑の問題で、なんと同時に2人がピタリ。これは作問中に「もしかしたら知ってる人いるかな~」なんて思いながら作問していたが、案の定いた。広辞苑の収録語数というのは、偶に早押しクイズの前振りに使われたりするので、そこでちゃんと覚えていたのかもしれない。もしかしたら適当に打った数字がたまたま当たったのかもしれない。
真相は分からない(後に1人は知っていたのでピタリできたと判明)が、どちらにせよ凄いことである。
続く5問目。ここでやらかす。何と、2人のピタリを見逃したのだ。
6問目が終わった時にそのうちの1人から個人チャットが来て気付いた。
危ない危ない(※アウト)。にしてもよくもまぁこんなにピタリが出るなぁと感心しながら、3rd進出のアナウンスをする。もし次の部内杯や個人杯で近似値をやる機会があれば、今度はもっと難しくしようと心に決めた私なのであった(でも実際、ピタリが複数出た方が大会としては面白いので、この部分は難しいところでもあるが)。
結果、6、9問目でも1人ずつピタリが出て、順位発表を待たずして6人が3rdRound進出を決めた。
実は初期案ではピタリになっても特に何もなかったのだが、何かメリットがあれば近似値が苦手な人でもやる気が出るだろうなと思い、「ピタリは即3rdRound進出決定」というルールにしたのだが、これが結構役立った。
さっきも書いた通り、このラウンドは誤差の集計がものすごく大変だった。しかし、ピタリが6人出たことによって、順位判定の対象者が20人から14人に減ったのだ。この6人は大きかった。そのため、ピタリがこれだけ出たことに驚きつつ、この6人に少し感謝をしている私なのであった。


3rdRound ~地獄のルーレット~

3rdRoundへ進む15人が決定し、本戦では一番と言っていいであろう運ゲーラウンドが始まった。ここで軽くルールを振り返ると、正解しても点数が増えるか分からない。ルーレットにより獲得点数が決まり、-2、+1、+2の中からランダムで選ばれる。これがあんな地獄を生み出そうとは、この時は誰も予想だにしていなかった…
3,4問目あたりまで読んだとき、すでに得点が-4点の人がいた。名前は伏せるが、その人はマイナスを取り返そうと思ったのだろう。問題文の序盤5文字あたりで押し、ほかの人には取られまいという姿勢であった。誤答罰はないのでこれも一種の作戦としてはOKなのだ。何せ正解すれば良いのだから。
が、この人はこれがうまくいかない。正解してルーレットを回しても、これが示した点数は無情にも-2ばかり。回すこっちも心が痛む。ただ、ほかの人が正解した時には+1点や+2点を示していたので、いつかはプラスを取れるだろうと思い、回す。ただ、+2点を取っても次の正解で-2点を取ったり、+1点、+2点と連続で取っても-2点を2回連続で引いたり。
ルーレットのソフトには、-2点、+1点、+2点の順で盤面を生成していたのだが、この順番を途中で変えようとも思った。そうすれば少しはプラスが多く出るようになるだろうかと思ったからである。が、フェアプレイの精神に反すると思い、やめた。結果、7点に達した者はおらず(7点先取で勝ち抜けというルールだった)、まずプラスの点数だった2人をSemiへ進め、残りはサドンデスの4問を使って決着をつけた。
大会が終わったあとの感想ツイートでも見かけたが、このルーレット、我々の通話が聞こえていて、この時間だけ自我が芽生えていたのではないか。
そう思わざるを得ない結果だった。



運に笑い、運に泣く。 感情入り乱れる後半戦

前半戦のことをあらかた書いたので、中編はここまで。
後半戦から閉会式までは、後編で書いていこう。


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