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読書感想 医者の言い分

久しぶりに読書感想です。
元NHK記者の野田一成さんが書かれた『医者の言い分』です。
福岡市内の路地裏で、捜査関係者の帰りを待っている時に『記者は結局 第三者にしかなれない。自分は当事者の方が向いてるのではないか』と思って、29歳で医者の道をめざした人。

無事に医学部に入学できて、最初に解剖を体験する時の情景はリアルでした。人の体に初めてメスを入れる時は衝撃で、医療の世界に入るという重圧を感じたそうです。

地域の救急医療は、医師不足に悩む中小の病院が、ギリギリのところで支えていることを、教えてくれました。

医学部に入ると、競走馬のようにただ一目散に医者を目指します。
だから、研修医に不足しているのは、患者とのコミュニケーション能力と社会性だと、著者は考えます。

金持ちで育って、生活に困っている人達の状況がわからない医者も多いし、無神経な患者たちで困らされるお医者さん達の現実もあります。

患者との付き合いを考えると、医者はサービス業と位置づけています。
「社会を知り、人の心が読めなければ、優れた医療は提供できない。
医療の多くは人の不幸の上に成り立っている。求められているのはデリカシーに他ならない」と。

こういうお医者さんに見てもらいたい、と思いました。

今日の写真は、我が家の近くの満開の桜です。春になりましたね。☆

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