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読書感想 若冲誕生 葛藤の向こうがわ

昨夜のテレビ番組『日曜美術館』では、伊藤若冲の紛失した作品をデジタル再生する苦労が紹介されてました。
1センチ角の四角形が12万個もある作品です。

気の遠くなるように手のかかる独特の作品です。私はそんな若冲作品を観て、彼がアスペルガーにちがいないと思っていました。

そんな労力の要る作品を、若冲は努力して描いたというよりも『描かずにおれなくて描いた』のではないかと思っています。

私は若冲に関する画集や本も良く読みますけど、これまで『伊藤若冲はアスペルガーだ』と書いてある本がなくて不思議でした。

本の表紙  逆さまではありません

今回、知り合いから2020年に京都の福田美術館が出しているこの画集を紹介してもらいました。
それに、ハッキリと書かれていてスッキリしました。

この作品の一部が表紙になっています

美術史家の辻惟雄さんが、この画集の中で対談しています。
「華園 力先生が若冲に自閉スペクトラム特性があるという点を指摘されて、目からウロコでした」と話しておられます。

華園 力さんは京都の心療内科の院長です。この画集の中でも、その立場から若冲作品を解説してくれてる内容が、私には痛快でした。

若冲は作家三昧の日々を送っていましたが、実家の錦市場の営業停止のトラブルを、東奔西走して解決したという行動力も知られています。

華園さんは、「若冲が優れた実務的能力やリーダーシップを発揮したとしても不思議なことではない」と。
そうなんです。アスペルガーの人達には、素晴らしい決断力、行動力も持ち合わせている人達がいます。

上の作品の一部です

華園先生は『この特性を持つ人達がいるゆえに、人類は劇的に環境適応を成し遂げ、文化文明を創造しつつ生き延びてきた』と書かれています。

彼らの集中力や、探究心のおかげだということです。芸術に限らず、政治や物理や科学等の様々な人類の場面で、アスペさん達の活躍があった。

なんか、納得するぅ!
この続きは、また。☆

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