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読書感想 祖母姫、ロンドンに行く!

椹野道流(ふしのみちる)さんが書かれた『祖母姫、ロンドンに行く!』を読みした。

すでに80歳を超えていたお婆ちゃんと孫である筆者が、2人きりで ロンドンを旅した話です。

祖母がふと「一生に一度でいいからイギリスに行きたい。 お姫様のような旅がしてみたいわ」と 漏らしたことから、息子さん達が資金を出しあって実現します。

旅客機はファーストクラス、ホテルは超一流で、そこで働く人達の人間力が素晴らしかった。

ファーストクラスのCAさんからは「大切なのは、お祖母様には何ができないかではなく、何をご自分でできるかを見極めることだと思います。
早急に決めつけて手を出したりするのは、結局お相手の誇りを傷つけることにつながりますから」と。

ホテルのスタッフは、全く英語が通じないと分かっていても、皆さん祖母姫に用事がある時は、必ずちゃんと直接話しかけてくれる。

一流のホテルに勤めている人達の徹底した仕事ぶりが、温かくさわやかで、人間全体に対する信頼感まで湧いてきそうな気がします。

そして、わがままいっぱいの祖母姫の誇りや哲学が、だんだん見えてくるんです。

「もっと綺麗になれる。もっと上手になれる。もっと賢くなれる。自分を信じて努力して、その結果 生まれるのが自信よ」

「楽をせず、努力をしなさい。いつもその時の最高の自分で他人様のお相手をしなさいよ 。
でも 相手のことも尊敬してお相手をする。それが『謙虚』です」

最初は、プライドが高すぎるめんどくさい年寄りだったのに、最後には『あんな風に 誇り高く生きてみたい』と思わせるお婆ちゃんでした。☆

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