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ほしのたねm
2015年6月1日 08:53
プリズム
長尾早苗
少年は虹を見たことがなかった。彼の村では、少年が前世で罪を犯したからだという。彼の村ではみな虹を見たことがあるのに、少年だけ虹を見られなかった。そんなある日、雨が降り続けたある日、少年は踊り始めた。泣きながら踊った。舞うということ、それ自体が少年にとって必要なものだった。そう気づいたのだ。かくして、少年は雨を上がらせ、みなの崇める対象となった。ひとびとは少年を神と呼んだ。神殿に昇ったとき、少年には
2015年6月1日 08:51
透竜だと示されたそれを見て、不死竜の少年は怪訝に首を傾げました。透竜は、透明ではないの? 素朴な疑問に、鉱石竜はおだやかに微笑みます。いいえ、透竜はその一生をかけて色を飲み、その身を色付け、自らを失くして逝くのです。だから最期に、ああして鮮やかな色を出す。鉱石竜の言葉に、光の帯を見つめていた不死竜の少年は目を輝かせました。納得したように、そうか、だから虹は消えるんだ。飲んだ色を吐き出し