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料理撮影の段取り

先日、ある雑誌の料理の撮影がありました。49品あったものの、10時集合で14時半解散、というスムーズな撮影でした。私にとっても達成感のある撮影だったので、ふとInstagramで呟いてみたところ、その品数やスピードに同業の料理家さんからたくさんの反応をいただきました。どうしたらそんなに早く終わるの?そんなにたくさんの数を一日で撮影できるの?という疑問の声や、一度撮影を見に行ってみたい、というありがたいお声も。

この日は品数はいつもより多かったものの、プロセス撮影(※完成写真ではなく、作り方のところに入る写真の撮影のこと。工程撮影ともいう)も少なく、何度も一緒に撮影をしているやり慣れたメンバーだったのでイメージの共有が最初からできていたことや、スタッフの皆様それぞれがスムーズに進めていただいたことが早く終わった要因かと思います。ですが、時間制限があって急いでいたわけでもなく、私語もせずにひたすら猛スピードで黙々と撮影していたわけでもありません。いつもと同じく和やかで楽しい普通の撮影でした。逆にいうと、スピード感はいつもこの日と同じくらいです。

私は決して手際が良い方ではありません。レストランなどでの大量調理の経験がないのでみじん切りやせん切りなど材料を切るのは他の料理家さんやシェフと比べると断然遅いですし、その他の作業も同時調理を駆使して仕上げる、といった神業は使えません。ごく普通に順番に一つ一つゆっくり準備をしています。そんな私のような普通の人が、できるだけ段取りよく料理撮影をするためのコツを改めて考え、料理家の立場からまとめてみました。料理の撮影が慣れていない方はもちろん、何度もやっているけれど、もっと早く終わらせたいと思っている方、また他の料理家さんはどんな風に撮影しているのか知りたい、という方に参考にしていただけたら嬉しいです。

料理撮影で大事なこと

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