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「分かってない」ことを分かるには

私は、自分が何かについて「ちゃんと分かってない」ために、その課題を軽視してしまったり、間違った課題設定をしてしまうことが、少なからずあります。その時は最善の判断をしたつもりでも、後から振り返ると「何やってたのか?」とがっかりするようなことが。

そのことを、モンティー・パイソンのジョン・クリーズが、1分間で、すばらしく皮肉っぽく説明してくれています。

抜粋に荒い訳をつけました。

The problem with some people is that they are so stupid that they have no idea how stupid they are.

あまりにバカだと、自分がどれだけバカなのか、そもそも理解できないんじゃないでしょうか。

You see, if you’re very, very stupid, how can you possibly realize that you’re very, very stupid? You’d have to be relatively intelligent to realize how stupid you are.

つまり、すごくすごくバカだとしたら、自分がすごくすごくバカだと認識することすら、難しいんじゃないでしょうか。自分のバカさを自覚するには、けっこうな知性が必要ですからね。

[Knowing] how good you are at something requires exactly the same skills as it does to be good at that thing in the first place. Which means—and this is terribly funny—that if you’re absolutely no good at something at all, then you lack exactly the skills that you need to know that you’re absolutely no good at it.

何かについて、自分がどれほどの力量かを認識するには、そもそも、そのことが実際に上手にできる力量と同等のスキルが必要なんです。ということはですよ、これ、笑うところですけど、もし何かについて全くなんにもできてない場合、そのことが全くなんにもできないことを認識しようにも、そもそも、認識するためのスキルが欠けている、といえるわけです。(翻訳ここまで)


動画の中でも一言触れていますが、これはダニング=クルーガー効果という認知バイアスだそうです。コーネル大のダニングとクルーガーは、この認知バイアスを定義した論文でイグノーベル賞を受賞したとか。

ダニング=クルーガー効果には、もう一つの側面があります。それは、腕前のすぐれた人は、他者の能力を見誤りやすい。なぜなら、自分ができることは誰もがたやすくできると推察してしまうから、というもの。

自分の力量が低いのにそのことに気づけない。自分の力量が高いと、それが周りにとって難しいんだということに気づけない。そういう誤った認識を自分がよくする、ということをせめてちゃんと覚えておきたいと思い、SNSだと流れていってしまうので、こちらに書きました。

参考記事:The Dunning-Kruger PrayerJohn Cleese on How “Stupid People Have No Idea How Stupid They Are” (a.k.a. the Dunning-Kruger Effect) 

(picture by Fillippo Minelli)

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