スキル、センス、姿勢
仕事、家事、趣味、地域の行事などなど、私たちは何かと「何かを為す」ことをしています。一人で完結することは珍しく、たいてい他の人との関係のなかで「何かを為す」のですが、そのとき求められる力、発揮される力は、「スキル」「センス」「姿勢」の3つの組み合わせだと思い至りました。
「スキル」は、定型的な方法論があり、段階を踏んで習得することができ、方法論を身につけたら誰でも同じアウトプットが出るもの。例えば、語学、プログラミング、コーポレートファイナンス、お点前の流れ。ざっくり言うと教科書化できるもの、資格試験があるものです。
「センス」は、周りから見て上手いか下手かはっきり分かるんだけれど、教科書化できないもの。例えば、「育てられない、しかし育つ」と楠木建さんがおっしゃる経営(商売)力のほか、対人関係の作り方(モテ力)、困難に対する粘り方。抽象と具体を往復する思考力なども「センス」の領域だと思います。これらは、経験を通して身につけるもので、その人固有の「身体知」だという点で「スキル」とずいぶん違います。段階を追って身につくものでもないし、同じ経験をしても身につく力はいろいろです。
「姿勢」は、「哲学」と言い換えてもいいかもしれません。「価値観」も近いイメージです。日常生活でいえば「何を幸せと感じるか」ですとか、何を「真/善/美」と感じるか。経営の文脈では、三品和広さんが提唱する「三観」(歴史観、社会観、人間観)が近いと思います。例えば、技術進歩を肯定的にみるか否定的に見るか。人を性善説で考えるか性悪説か。実際は、そんなに単純に白黒つけるものではないですし、言葉にならない部分もたくさんありますね。
例えば小学校における「スキル」「センス」「姿勢」を考えてみました。「スキル」は、国語算数理科社会。「センス」はクラスや学校の行事で発揮される。「姿勢」は、日本の多くの小学校は「みんな同じように」「上意下達」だなと感じます。(私はカリフォルニアの小学校に通ったため、その経験との対比で感じることです。)特に「姿勢」はお国柄や学校の教育方針が現れるところでしょうね。
大人になっても、この3つの面すべてで成長(ないし変化)は起き続けると思っています。大人ですから、自分の成長に責任を持つのは自分自身。成長には「スキル」「センス」「姿勢」の3つの領域があることに自覚的になろう、と改めて整理できまして、書いておこうと思いました。
(picture by Patrick)
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